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動物に異様に好かれる手
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聖アリルレオン神殿に着いた時、シロウは落ち着きなくあちこち見回していた。落ち着かないんだろう。
「祈りの間に!急いで!」
「シロウ様!」
「教皇さま!挨拶などここでなくともできましょう!アリルレオン様のお言葉を聞いていただくのです!」
「マリル!急いで」
神官達の手により、扉は全て開かれ、正面に大きな神像がそびえたった。足元に獅子が横たわる美しい女神の像、アリルレオン神だった。
シロウ……
シロウを呼ぶ声が微かに聞こえ、ほんの瞬きをしただけなのに、シロウはそこに立っていた。
「お話、聞いた」
「シロウ!?大丈夫か!!」
「シロウ!痛い所は?!」
ふるふると首を振り
「何も痛くないよ。それより聞いて、俺ってば獅子の神子なんだって。これから獣人が増えて地を埋めるのは獣の子になるんだって」
「シロウ?どう言う事なんだ?」
シロウの言葉の意味を掴みかねて、レンテドールが聞き返した。それは人間より獣人が繁栄するということなのか?
「主神がアリルレオン様に変わったんだ。人間を守護するリリーシュアよりアリルレオン様の方が強くなったんだって。だから、獣人がこの世界を統べるって」
「そりゃ……願ってもないが」
「獣の子を可愛がってやってくれって……それだけで良いってさ」
「他は?何もされなかったんだな?!」
心配そうにシロウを抱き上げるレジールにシロウは笑って答えた。
「うん、大丈夫。でも折角来てくれたからって何かしたみたい。でも何かわかんない」
「はぁ?!だから神は!体は?!痛くないか?」
「痛くないけど……あっやめて」
服をめくり上げて何かしら異常を探そうとするレジールをレンテドールは止めた。
「そう言う事は今晩、閨でゆっくりしたら良かろう?」
「な、何言って……」
「ふむ、そうしよう」
「ちょ、レジール様まで何言って……!」
赤くなってぽこぽことレジールを叩いているシロウを見て、レンテドールは目を細めた。少しだけ目に輝きが戻っている。
初めて会ったときの、この世界をワクワクしながら楽しもうとする、あの無邪気な輝きの欠片が水色の目に少しだけ浮かんでいた。
「神殺しの悪名は受けずに済んだな」
レンテドールは我らが女神アリルレオンに大きな感謝を捧げた。
「あの、シロウさま、まだ、お嫌ですか……?神様の」
羊のマリルが遠慮がちに、レジール越しに話しかけた。
「あ?!」
「ひい!」
王弟にギロリと睨まれ、耳をぴん!と立ててから限界まで寝せる。全身をガタガタと震わせながら、ようやっと立っていた。
「……俺、アリルレオン様の事は嫌いじゃない……みたい。それに、多分隠しようがないんだよね」
服のボタンを空けて胸の中央辺りを見せる。ついさっきは卵になったもの。少し前は黒いモヤだったもの。最初はどうも鳥の卵だったもの。
「今は生まれて、獅子がいる」
アリルレオンの紋様が小さく浮かんでいる。
「……光って見えるんでしょう?神力が強いと見えるって」
「あ、はい!眩しくてすんごいです!」
「あはは……もう神子で良いよ」
「わー!わ、私、お爺ちゃまにお教えしてきますね!」
マリルはぺこりと頭を下げて走って行く。元気だが、礼儀は今ひとつだった。
「お爺ちゃま?」
シロウの呟きには、他の神官が答えてくれた。
「教皇レファント様ですよ。この神殿では皆家族のように暮らしていますから。神官長はお父様、お母様と呼ばれております。シロウ様も皆から兄と言われるでしょうな」
「……俺、いっぱい家族できたの?」
「それはもう。何人いるか数えてみましょうか?」
神官は冗談まじりに笑う。今までシロウに冷たく扱われて来た神殿の人間だが、神官達は暖かくシロウをもてなす。
「シロウ!伴侶は一人だからな!」
「別に二人に増やしても良いですよ?」
ニヤリと笑うレンテドールにシロウをしっかり抱えて、レジールはガルル!と牙を剥いた。
「祈りの間に!急いで!」
「シロウ様!」
「教皇さま!挨拶などここでなくともできましょう!アリルレオン様のお言葉を聞いていただくのです!」
「マリル!急いで」
神官達の手により、扉は全て開かれ、正面に大きな神像がそびえたった。足元に獅子が横たわる美しい女神の像、アリルレオン神だった。
シロウ……
シロウを呼ぶ声が微かに聞こえ、ほんの瞬きをしただけなのに、シロウはそこに立っていた。
「お話、聞いた」
「シロウ!?大丈夫か!!」
「シロウ!痛い所は?!」
ふるふると首を振り
「何も痛くないよ。それより聞いて、俺ってば獅子の神子なんだって。これから獣人が増えて地を埋めるのは獣の子になるんだって」
「シロウ?どう言う事なんだ?」
シロウの言葉の意味を掴みかねて、レンテドールが聞き返した。それは人間より獣人が繁栄するということなのか?
「主神がアリルレオン様に変わったんだ。人間を守護するリリーシュアよりアリルレオン様の方が強くなったんだって。だから、獣人がこの世界を統べるって」
「そりゃ……願ってもないが」
「獣の子を可愛がってやってくれって……それだけで良いってさ」
「他は?何もされなかったんだな?!」
心配そうにシロウを抱き上げるレジールにシロウは笑って答えた。
「うん、大丈夫。でも折角来てくれたからって何かしたみたい。でも何かわかんない」
「はぁ?!だから神は!体は?!痛くないか?」
「痛くないけど……あっやめて」
服をめくり上げて何かしら異常を探そうとするレジールをレンテドールは止めた。
「そう言う事は今晩、閨でゆっくりしたら良かろう?」
「な、何言って……」
「ふむ、そうしよう」
「ちょ、レジール様まで何言って……!」
赤くなってぽこぽことレジールを叩いているシロウを見て、レンテドールは目を細めた。少しだけ目に輝きが戻っている。
初めて会ったときの、この世界をワクワクしながら楽しもうとする、あの無邪気な輝きの欠片が水色の目に少しだけ浮かんでいた。
「神殺しの悪名は受けずに済んだな」
レンテドールは我らが女神アリルレオンに大きな感謝を捧げた。
「あの、シロウさま、まだ、お嫌ですか……?神様の」
羊のマリルが遠慮がちに、レジール越しに話しかけた。
「あ?!」
「ひい!」
王弟にギロリと睨まれ、耳をぴん!と立ててから限界まで寝せる。全身をガタガタと震わせながら、ようやっと立っていた。
「……俺、アリルレオン様の事は嫌いじゃない……みたい。それに、多分隠しようがないんだよね」
服のボタンを空けて胸の中央辺りを見せる。ついさっきは卵になったもの。少し前は黒いモヤだったもの。最初はどうも鳥の卵だったもの。
「今は生まれて、獅子がいる」
アリルレオンの紋様が小さく浮かんでいる。
「……光って見えるんでしょう?神力が強いと見えるって」
「あ、はい!眩しくてすんごいです!」
「あはは……もう神子で良いよ」
「わー!わ、私、お爺ちゃまにお教えしてきますね!」
マリルはぺこりと頭を下げて走って行く。元気だが、礼儀は今ひとつだった。
「お爺ちゃま?」
シロウの呟きには、他の神官が答えてくれた。
「教皇レファント様ですよ。この神殿では皆家族のように暮らしていますから。神官長はお父様、お母様と呼ばれております。シロウ様も皆から兄と言われるでしょうな」
「……俺、いっぱい家族できたの?」
「それはもう。何人いるか数えてみましょうか?」
神官は冗談まじりに笑う。今までシロウに冷たく扱われて来た神殿の人間だが、神官達は暖かくシロウをもてなす。
「シロウ!伴侶は一人だからな!」
「別に二人に増やしても良いですよ?」
ニヤリと笑うレンテドールにシロウをしっかり抱えて、レジールはガルル!と牙を剥いた。
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