【完結】この手なんの手、気になる手!

鏑木 うりこ

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動物に異様に好かれる手

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「いらっしゃい!史郎!」

「アリルレオン様、良いんですか?俺が来ると毎日神殿に居ますけど?」

 アリルレオンはびっくりして目を丸くした。

「やだ!史郎!わたくしを暇な神みたいに言わないで!こう見えてもわたくし、忙しいのですよ!忙しいから、神官や教皇や聖女に、そして史郎に手伝って貰っているのに!」

「だって俺が来たらいつもすぐいるんだもん」

「それは、史郎のスキルよ。えーと、あなたの元居た世界の、ぴんぽーん?でしたっけ?貴方が神殿を訪れると、わたくしに音が聞こえるの。だからすぐにわかるのよ」

「え、そうなんだ……」

 そうよーとにこにこと笑うアリルレオンはあまり偉そうな態度は取らない。そこもシロウは気に入っている。

「あ、南の病気を治してきてありがとう。沼が瘴気を吐いてたのね……そろそろ歪みがあちこちに出始めたわね……それで、ね?」

「……勇者、ですか」

 アリルレオンはぶんぶんと首を振った。

「そ、そんなの良いのよ!歪みを少しでも正してくれるだけで助かってるの!そんな、勇者や聖女や賢者の選定なんて、シロウには頼めないわ!」

「増えてますけど?」

「あうう……。従属神も増やしてるんだけど、なかなか……」

 良く見るとアリルレオンの見事な金の髪は少し乱れている。

「アリルレオン様、髪を梳いても良いですか?」

「え?」

「アリルレオン様は金の獅子何でしょう?俺がとかしたらきれいになるかも」

「史郎……本当に優しいのね」


 シロウは一週間に一度くらいの割合で神殿に赴いていた。祈りの間に入り、出てくる。長い時もあり、すぐ終わる時もある。
 扉の外でレジールとレンテドールが気を揉みながら待っている。

「終わったよー」

 ガチャリと扉を開くと、すぐにレジールは駆け寄ってシロウを抱き上げる。

「シロウ、今日は?」

「見て」

 右手を見せる。動かなかった小指をちょこんと折ってみせた。

「今日は指だって」

「そうか」

 シロウが神殿に訪れる度に一つずつ、アリルレオンは人間に傷つけられたシロウを治していった。

「いっぺんには支障が出るから、一週間に一回ずつよ」

 大きな傷は何度も回数をかけた。動かなかった小指は一回で治ったようだ。

「それでね、俺。アリルレオン様にブラシをかけたんだ。そしたらふわーってなって、キラキラしたんだ」

「流石シロウだな。獣なら神すら癒すのか」

「喜んでくれたよ!」

「そうか」

 シロウの笑顔が増えた。レンテドールは嬉しかった。

「どんどん仕事が増えてるんですけどねー」

 レンテドールはレースールの元首を辞めて、ジェストの城にこっそり住み着いたら……バレてレオセントに仕事を振られている。

「あああ!働いても働いても仕事が終わらんんんん!」

 レオセントはシロウに毛繕いされて、なんとか生きている、そんな感じで拡大して行く領土と民に頭を悩ませていた。

「補充しても補充しても人が足りん!!」

「お父様、しょるいですー!」

「あああ、ありがとう!リオルド」

 まだ小さいリオルドまで仕事をしている始末である。


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