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2 俺はとっても辛い
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「こっちだ!」
「な、なんでそんな暗い小道に行くのやだ、やだよ!」
「良いからこっちに……は……、手が勝手に……」
「わっ!」
クソ伯父は突然引っ張っていたセイルの腕を離し、小道とは逆に大通りの方へ突き飛ばす。よろけたセイルは行き交う馬車の前に飛び出してしまうけれど、低速で走っていたため、大事には至らない。
御者が軽く手綱を引くと馬はすぐに歩みを止め、道に座り込んだセイルは勿論無傷だ。すぐに馬車の扉が開き、利発そうな男の子が飛び出して来た。
「君、大丈夫かい?」
「あっ、貴族様! すみません、すみません!」
「怪我はない? よく分からないな。セバス、この子をうちに連れて行こう。医者に見せたい」
「分かりました、おぼっちゃま」
「あ、あの、えええ……!」
ガタンガタン。セイルはめちゃくちゃ金持ちそうな将来イケメン待ったなし! って感じの貴族のお坊ちゃんにあっという間に連れられて行った。俺、いい仕事したわ。
「え……あ? な、なんで手が勝手に?!」
クソ伯父はびっくりして自分の手を見るけど、これこそ俺の能力! ちょっとだけ頭にお邪魔していますよ、だ。
俺は頭の中に入ってこのクソ伯父の手をほんの少しだけ操ってセイルを道の方へ突き飛ばしたのだ。
俺は6年の間に立派な寄生虫として成長していたのだ!!
辛い
多分俺の体は爪の先くらいの糸くずみたいななんか気持ち悪いもの。
辛い
しかも善人にくっ付くのはなんだか息苦しくて、申し訳ないからクズにくっ付いてる。
辛い
ふ、神様はマジで俺をクソ寄生虫野郎にしてくれちゃいやがりましたのよ?! 普通巻き込まれで異世界転生したらさ、お詫びのチートとかガン積みするだろ?!
ないどころか寄生虫よ、寄生虫! 酷くない?!
そんな過酷な環境でも生きてる俺ってある意味凄いけど。
とりあえずセイルは大丈夫だろう。本当は美少女の乗る馬車の前が良かったんだけど、きっとさっき助けてくれた坊ちゃんには妹とかがいてその子の執事見習いとかになってはちゃめちゃイチャイチャライフの幕を開けてくれるはずだ。俺に感謝して欲しい。
あの坊ちゃん本人に好かれてるイチャイチャライフは開催されないはず。
なんだろ?この旗。ま、放置だな。
「この野郎……獲物を横取りされたじゃねぇか! どうしてくれるんだ」
「ひ、ひい!な、なんだか分からないんですが手が勝手に……!」
「うるせぇ!俺達を舐めやがって!」
「ひいいいーー!」
このクソ伯父はボコボコにされはじめた。どうしよう、下手したら死ぬかもしれん! 俺はささっと寄生先を変える。糸くずみたいになって体の外に飛び出して、このクソ伯父を殴ってる奴に引っ付いた! 成功!
こいつは中々の悪党だろう、無抵抗な人間を袋叩きにしてるんだかは。俺みたいのに寄生されたって文句は言わない、よな?
人から人はうつる時だけ実体化しているらしいんだが、それはちょっとチート臭いな? って思う。
どんなチートだよ、もっと普通のチートにしてくれればよかったのに、辛い。
「な、なんでそんな暗い小道に行くのやだ、やだよ!」
「良いからこっちに……は……、手が勝手に……」
「わっ!」
クソ伯父は突然引っ張っていたセイルの腕を離し、小道とは逆に大通りの方へ突き飛ばす。よろけたセイルは行き交う馬車の前に飛び出してしまうけれど、低速で走っていたため、大事には至らない。
御者が軽く手綱を引くと馬はすぐに歩みを止め、道に座り込んだセイルは勿論無傷だ。すぐに馬車の扉が開き、利発そうな男の子が飛び出して来た。
「君、大丈夫かい?」
「あっ、貴族様! すみません、すみません!」
「怪我はない? よく分からないな。セバス、この子をうちに連れて行こう。医者に見せたい」
「分かりました、おぼっちゃま」
「あ、あの、えええ……!」
ガタンガタン。セイルはめちゃくちゃ金持ちそうな将来イケメン待ったなし! って感じの貴族のお坊ちゃんにあっという間に連れられて行った。俺、いい仕事したわ。
「え……あ? な、なんで手が勝手に?!」
クソ伯父はびっくりして自分の手を見るけど、これこそ俺の能力! ちょっとだけ頭にお邪魔していますよ、だ。
俺は頭の中に入ってこのクソ伯父の手をほんの少しだけ操ってセイルを道の方へ突き飛ばしたのだ。
俺は6年の間に立派な寄生虫として成長していたのだ!!
辛い
多分俺の体は爪の先くらいの糸くずみたいななんか気持ち悪いもの。
辛い
しかも善人にくっ付くのはなんだか息苦しくて、申し訳ないからクズにくっ付いてる。
辛い
ふ、神様はマジで俺をクソ寄生虫野郎にしてくれちゃいやがりましたのよ?! 普通巻き込まれで異世界転生したらさ、お詫びのチートとかガン積みするだろ?!
ないどころか寄生虫よ、寄生虫! 酷くない?!
そんな過酷な環境でも生きてる俺ってある意味凄いけど。
とりあえずセイルは大丈夫だろう。本当は美少女の乗る馬車の前が良かったんだけど、きっとさっき助けてくれた坊ちゃんには妹とかがいてその子の執事見習いとかになってはちゃめちゃイチャイチャライフの幕を開けてくれるはずだ。俺に感謝して欲しい。
あの坊ちゃん本人に好かれてるイチャイチャライフは開催されないはず。
なんだろ?この旗。ま、放置だな。
「この野郎……獲物を横取りされたじゃねぇか! どうしてくれるんだ」
「ひ、ひい!な、なんだか分からないんですが手が勝手に……!」
「うるせぇ!俺達を舐めやがって!」
「ひいいいーー!」
このクソ伯父はボコボコにされはじめた。どうしよう、下手したら死ぬかもしれん! 俺はささっと寄生先を変える。糸くずみたいになって体の外に飛び出して、このクソ伯父を殴ってる奴に引っ付いた! 成功!
こいつは中々の悪党だろう、無抵抗な人間を袋叩きにしてるんだかは。俺みたいのに寄生されたって文句は言わない、よな?
人から人はうつる時だけ実体化しているらしいんだが、それはちょっとチート臭いな? って思う。
どんなチートだよ、もっと普通のチートにしてくれればよかったのに、辛い。
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