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8 ご冥福をお祈りいたします
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「君を首都に連れて行きたいんだ」
「あ、あの騎士……様……!」
あれ? 夜になるとなんかピンクな感じになってきた。そ、そういえば俺、この田舎にいたからそんな話あるかーいと信じてなかったけど。この世界で魔法が使えるっていうのはかなり凄いことで、魔法を使える人材を高位貴族は取りあうらしい。なるほど、この騎士はデードン領の視察と魔法が使えるようになったマチェット君のスカウトに来たんだな。
ていうか、マチェット君、騎士の人に押し倒されているぞ! うおおおお、貞操の危機じゃん! いくら走り込みをしているとはいえ、騎士に勝てる訳ないぞ?!
「私の婚約者にならないか……マチェット……」
「えっ……」
で、その魔法使いを捕まえる一番有効で手っ取り早い手段が結婚っつーことで……男同士でもヤっちゃうらしい……ああ、マチェット君なんかごめん。
「で、でも私はこの子爵家の跡取り息子です……」
「だが、君の家も私の……ウライル侯爵家と繋がりがあった方がいいのではないのか?」
「そ、それはそう、ですが……」
侯爵!この騎士さん、侯爵家の人!終わった、もう終わったマチェット君。君のお尻の冥福をお祈りいたします。さようなら。
そして早速結ばれたよね、というかマチェット君に断るっていう選択肢はなかったと思う……ていうかマチェット君、騎士様見て目をキラキラさせて、心臓バクバクさせてたもん。一目惚れしたでしょ? 俺、分かっちゃったもん。そんな人に大接近されたらコロッと行くよね。
「や、優しく、して……下さい」
なんて身も心も股も開いちゃったんだよ。しかし、そんなマチェット君とは裏腹に普通は出口にしか使わないアソコは完全拒否したみたいでね……マチェット君があんまりに痛がるもんで可哀想になっちゃった。
「痛いぃ……っ、いたいいいっ!」
浅く息を吐きながら、脂汗を垂らしているちょこっと脳内突っついてエンドルフィンとかそういうの出してあげたら大喜びしてたよね……。
「ああっ!パトリック様ぁああっす、凄い、すごい……!」
「マチェット、可愛い私のマチェット……!」
頑張ってね……。俺は隅っこの方で耳を塞いで寝たわ。
次の日出来上がってきた二人を見て、みんな「おめでとうございます」って言ったのが印象出来でした、ハイ。もうピュアピュアな天使みたいになっちゃったマチェット君の中は居づらくて居づらくてしかたがないので、パトリックさんに一回くっ付いてから、彼の部下の騎士の一人にくっ付く事にした。
「くっ……俺のパトリック様があんな田舎の小僧に」
中々居心地のいい奴だった、いえーい!
俺がくっ付いたうだつの上がらない騎士の名前はサライ・モス。モス伯爵家の三男でパトリック君の一つ下の学年の野郎だった。モス家はウライル家の子飼いの一つで、生まれた時からサライ君はパトリック君の手下だった。手下は手下のまま大きくなって、手下のまま学園に入学して手下のまま卒業し、騎士団に入って手下だった。
サライ君はちょびっとだけ魔法が仕えたのでパトリック君に重宝されていたけれど、初級魔法しか使えなかった。でも魔法使いだから大事にされてたけど、今パトリック君には中級魔法、いや高級魔法が使えるようになりそうなマチェト君がくっ付いてしまった。
サライ君辛いね。滅茶苦茶嫉妬してる。しかもマチェット君って意外と可愛い顔してたんだって思ったよ。パトリック君に抱きかかえられてくったりしながら移動してる(昨晩もお楽しみでしたね!)マチェット君を他の手下たちが羨ましそうに見ているし。
「まあ、可愛いもんな」
「パトリック様は溺愛してらっしゃるしなあ」
なんて言ってるから、サライ君はさらにハンカチを噛んで引きちぎってる。居心地いいなーこれ!
「あ、あの騎士……様……!」
あれ? 夜になるとなんかピンクな感じになってきた。そ、そういえば俺、この田舎にいたからそんな話あるかーいと信じてなかったけど。この世界で魔法が使えるっていうのはかなり凄いことで、魔法を使える人材を高位貴族は取りあうらしい。なるほど、この騎士はデードン領の視察と魔法が使えるようになったマチェット君のスカウトに来たんだな。
ていうか、マチェット君、騎士の人に押し倒されているぞ! うおおおお、貞操の危機じゃん! いくら走り込みをしているとはいえ、騎士に勝てる訳ないぞ?!
「私の婚約者にならないか……マチェット……」
「えっ……」
で、その魔法使いを捕まえる一番有効で手っ取り早い手段が結婚っつーことで……男同士でもヤっちゃうらしい……ああ、マチェット君なんかごめん。
「で、でも私はこの子爵家の跡取り息子です……」
「だが、君の家も私の……ウライル侯爵家と繋がりがあった方がいいのではないのか?」
「そ、それはそう、ですが……」
侯爵!この騎士さん、侯爵家の人!終わった、もう終わったマチェット君。君のお尻の冥福をお祈りいたします。さようなら。
そして早速結ばれたよね、というかマチェット君に断るっていう選択肢はなかったと思う……ていうかマチェット君、騎士様見て目をキラキラさせて、心臓バクバクさせてたもん。一目惚れしたでしょ? 俺、分かっちゃったもん。そんな人に大接近されたらコロッと行くよね。
「や、優しく、して……下さい」
なんて身も心も股も開いちゃったんだよ。しかし、そんなマチェット君とは裏腹に普通は出口にしか使わないアソコは完全拒否したみたいでね……マチェット君があんまりに痛がるもんで可哀想になっちゃった。
「痛いぃ……っ、いたいいいっ!」
浅く息を吐きながら、脂汗を垂らしているちょこっと脳内突っついてエンドルフィンとかそういうの出してあげたら大喜びしてたよね……。
「ああっ!パトリック様ぁああっす、凄い、すごい……!」
「マチェット、可愛い私のマチェット……!」
頑張ってね……。俺は隅っこの方で耳を塞いで寝たわ。
次の日出来上がってきた二人を見て、みんな「おめでとうございます」って言ったのが印象出来でした、ハイ。もうピュアピュアな天使みたいになっちゃったマチェット君の中は居づらくて居づらくてしかたがないので、パトリックさんに一回くっ付いてから、彼の部下の騎士の一人にくっ付く事にした。
「くっ……俺のパトリック様があんな田舎の小僧に」
中々居心地のいい奴だった、いえーい!
俺がくっ付いたうだつの上がらない騎士の名前はサライ・モス。モス伯爵家の三男でパトリック君の一つ下の学年の野郎だった。モス家はウライル家の子飼いの一つで、生まれた時からサライ君はパトリック君の手下だった。手下は手下のまま大きくなって、手下のまま学園に入学して手下のまま卒業し、騎士団に入って手下だった。
サライ君はちょびっとだけ魔法が仕えたのでパトリック君に重宝されていたけれど、初級魔法しか使えなかった。でも魔法使いだから大事にされてたけど、今パトリック君には中級魔法、いや高級魔法が使えるようになりそうなマチェト君がくっ付いてしまった。
サライ君辛いね。滅茶苦茶嫉妬してる。しかもマチェット君って意外と可愛い顔してたんだって思ったよ。パトリック君に抱きかかえられてくったりしながら移動してる(昨晩もお楽しみでしたね!)マチェット君を他の手下たちが羨ましそうに見ているし。
「まあ、可愛いもんな」
「パトリック様は溺愛してらっしゃるしなあ」
なんて言ってるから、サライ君はさらにハンカチを噛んで引きちぎってる。居心地いいなーこれ!
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