【本編完結】神に捨てられた糸くずの俺は愛される~不幸な物語なんて変えてやるから安心して

鏑木 うりこ

文字の大きさ
17 / 69

17 勉強増えちゃった。

しおりを挟む
 俺と殿下の仲はちょっと距離の近い仲の良い兄弟みたいだったけれど、殿下が15歳になり、俺が10歳になってくるとちょっと変わってきた。そう、思春期ってやつね、殿下が俺を婚約者として扱うようになってきた……恥ずかしいぜ。

「シャト……シャト。私の可愛いシャト。一緒にお茶しよう」
「は、はい……ホルランド様」
「ホランでいいよ、二人の時はそう呼んで?」
「は、はひぃ……ホラン様」

 殿下はますますイケメンぶりに磨きがかかってピッカピカの艶々になって行った。少年っぽさが抜けて青年になりかけている。手足が伸び、顔が精悍になる……一言でいえばカッコいいんだ。ずっとちんちくりんのままの俺なんかが婚約者で申し訳ないぜ……。でもそんなちんちくりんでもホルランド様は可愛い可愛いって言ってくれてる。

「シャト、これから私は学園に通わねばならない。君と日中会えなくなるのはとても寂しい……」
「お勉強がんばってくださいませ、ホ、ホラン様」
「うん。それで相談なんだけど、シャト。飛び級してシャトも学園に行こうよ。そしたら学園でも会えるよ」
「ほへ……」

 俺とホラン様の歳の差は5歳。学園は3年間だから一緒に通えないと思ってたけどそうか飛び級があるのか……。

「シャトは優秀だからね。是非受けないか?」
「ホラン様が仰るなら……」

 俺もシャトルリア歴10年だからボロが出ないようにするには慣れてきたぜ。ちゃんと人前では私っていう。でも心の中じゃやっぱ俺って言っちゃうけどね。お茶会後に先生方に相談すると了承して貰えたけど、勉強が増えちゃった。

「ならば学園の授業でも困らぬくらいの勉強もしませんとね」
「王太子妃教育もありますし」
「はわわ……」
「まあ、シャトルリア様なら大丈夫ですわ」
「が、ガンバリマス……」

 勉強漬けになったけど、どうせ後で覚えるなら先にやってしまえ根性でバリバリ進んだ。んで、思うんだが、シャトルリアの脳みそは良い脳みそで、結構何でもすぐ覚えるし忘れない。出来が違うって凄い……一度聞くと殆ど覚えているのは本当に助かった。

 俺はいっぱい勉強して、マナーも学んで、ダンスもして。歴史も覚えてついでに剣術もやって(これは才能のかけらもないからやめようって皆に言われた)魔法も使えるようになった。というか魔法は使えた。そろそろ10歳なので魔力回路をゆっくり整備してから自分で自分の体の中を探ってみたらドン引くほど魔力がたまってた。これ、間違いなくシャトルリアの体が優秀で魔力保有量が半端ないんだ。お腹の中の溜まってる奴はパンパンでぱっつんぱっつんだったんだけど、俺は別にイライラもしなかったしニキビも出なかった。これはきっとシャトの生活環境が良いせいだ。
 ご飯美味いし野菜いっぱいだし、果物も食べ放題だったりする。ありがてえありがてえ。で、自分で加減して魔力をちょろちょろ流し始める。最初ちょろちょろ中ぱっぱ。赤子が泣いても蓋取るな、それ違う、米の炊き方だ、まあゆっくり流した。

「あっ……これ、や、んふ、なるほどぉ……」

 確かにちょっと気持ち良くなったぜ……これ、一気に解したらそりゃあアハーンでウフーンな気持ちになるよな、皆、ごめんなって心の中で謝っておいた。俺はゆっくりゆっくり流す量を増やしている。ちなみに今はまだ全開じゃないし、流れも穏やか。ちょっとづつ早くしてゴーカートから最後はあの宰相さんみたくリュージュになってやるぜ、見てろよ!
しおりを挟む
感想 98

あなたにおすすめの小説

伝説のS級おじさん、俺の「匂い」がないと発狂して国を滅ぼすらしいい

マンスーン
BL
ギルドの事務職員・三上薫は、ある日、ギルドロビーで発作を起こしかけていた英雄ガルド・ベルンシュタインから抱きしめられ、首筋を猛烈に吸引。「見つけた……俺の酸素……!」と叫び、離れなくなってしまう。 最強おじさん(変態)×ギルドの事務職員(平凡) 世界観が現代日本、異世界ごちゃ混ぜ設定になっております。

転生したようだけど?流れに身を任せていたら悪役令息?として断罪されていた――分からないまま生きる。

星乃シキ
BL
発作の後に目覚めたら、公爵家嫡男の身体だった。 前世の記憶だけを抱えたまま生きるレイは、ある夜、男の聖女への嫌がらせの罪で断罪される。 だが図書室の記録が冤罪を覆す。 そしてレイは知る。 聖女ディーンの本当の名はアキラ。 同じ日本から来た存在だった。 帰りたい聖女と、この身体で生きるレイ。 秘密を共有した二人は、友達になる。 人との関わりを避けてきたレイの人間関係が、少しずつ動き始める。

悪役令息ですが破滅回避で主人公を無視したら、高潔な態度だと勘違いされて聖人認定。なぜか溺愛ルートに入りました

水凪しおん
BL
BL小説『銀の瞳の聖者』の悪役令息ルシアンに転生してしまった俺。 原作通りなら、主人公ノエルをいじめ抜き、最後は断罪されて野垂れ死ぬ運命だ。 「そんなの絶対にお断りだ! 俺は平和に長生きしたい!」 破滅フラグを回避するため、俺は決意した。 主人公ノエルを徹底的に避け、関わらず、空気のように生きることを。 しかし、俺の「無視」や「無関心」は、なぜかノエルにポジティブに変換されていく。 「他の人のように欲望の目で見ないなんて、なんて高潔な方なんだ……!」 いじめっ子を視線だけで追い払えば「影から守ってくれた」、雨の日に「臭いから近寄るな」と上着を投げつければ「不器用な優しさ」!? 全力で嫌われようとすればするほど、主人公からの好感度が爆上がりして、聖人認定されてしまう勘違いラブコメディ! 小心者の悪役令息×健気なポジティブ主人公の、すれ違い溺愛ファンタジー、ここに開幕!

悪役令息を改めたら皆の様子がおかしいです?

  *  ゆるゆ
BL
王太子から伴侶(予定)契約を破棄された瞬間、前世の記憶がよみがえって、悪役令息だと気づいたよ! しかし気づいたのが終了した後な件について。 悪役令息で断罪なんて絶対だめだ! 泣いちゃう! せっかく前世を思い出したんだから、これからは心を入れ替えて、真面目にがんばっていこう! と思ったんだけど……あれ? 皆やさしい? 主人公はあっちだよー? ユィリと皆の動画をつくりました! インスタ @yuruyu0 絵も動画もあがります。ほぼ毎日更新 Youtube @BL小説動画 アカウントがなくても、どなたでもご覧になれます。動画を作ったときに更新 プロフのWebサイトから、両方に飛べるので、もしよかったら! 名前が  *   ゆるゆ  になりましたー! 中身はいっしょなので(笑)これからもどうぞよろしくお願い致しますー! ご感想欄 、うれしくてすぐ承認を押してしまい(笑)ネタバレ 配慮できないので、ご覧になる時は、お気をつけください!

BL世界に転生したけど主人公の弟で悪役だったのでほっといてください

わさび
BL
前世、妹から聞いていたBL世界に転生してしまった主人公。 まだ転生したのはいいとして、何故よりにもよって悪役である弟に転生してしまったのか…!? 悪役の弟が抱えていたであろう嫉妬に抗いつつ転生生活を過ごす物語。

ボクが追放されたら飢餓に陥るけど良いですか?

音爽(ネソウ)
ファンタジー
美味しい果実より食えない石ころが欲しいなんて、人間て変わってますね。 役に立たないから出ていけ? わかりました、緑の加護はゴッソリ持っていきます! さようなら! 5月4日、ファンタジー1位!HOTランキング1位獲得!!ありがとうございました!

公爵家の末っ子に転生しました〜出来損ないなので潔く退場しようとしたらうっかり溺愛されてしまった件について〜

上総啓
BL
公爵家の末っ子に転生したシルビオ。 体が弱く生まれて早々ぶっ倒れ、家族は見事に過保護ルートへと突き進んでしまった。 両親はめちゃくちゃ溺愛してくるし、超強い兄様はブラコンに育ち弟絶対守るマンに……。 せっかくファンタジーの世界に転生したんだから魔法も使えたり?と思ったら、我が家に代々伝わる上位氷魔法が俺にだけ使えない? しかも俺に使える魔法は氷魔法じゃなく『神聖魔法』?というか『神聖魔法』を操れるのは神に選ばれた愛し子だけ……? どうせ余命幾ばくもない出来損ないなら仕方ない、お荷物の僕はさっさと今世からも退場しよう……と思ってたのに? 偶然騎士たちを神聖魔法で救って、何故か天使と呼ばれて崇められたり。終いには帝国最強の狂血皇子に溺愛されて囲われちゃったり……いやいやちょっと待て。魔王様、主神様、まさかアンタらも? ……ってあれ、なんかめちゃくちゃ囲われてない?? ――― 病弱ならどうせすぐ死ぬかー。ならちょっとばかし遊んでもいいよね?と自由にやってたら無駄に最強な奴らに溺愛されちゃってた受けの話。 ※別名義で連載していた作品になります。 (名義を統合しこちらに移動することになりました)

転生したら、主人公の宿敵(でも俺の推し)の側近でした

リリーブルー
BL
「しごとより、いのち」厚労省の過労死等防止対策のスローガンです。過労死をゼロにし、健康で充実して働き続けることのできる社会へ。この小説の主人公は、仕事依存で過労死し異世界転生します。  仕事依存だった主人公(20代社畜)は、過労で倒れた拍子に異世界へ転生。目を覚ますと、そこは剣と魔法の世界——。愛読していた小説のラスボス貴族、すなわち原作主人公の宿敵(ライバル)レオナルト公爵に仕える側近の美青年貴族・シリル(20代)になっていた!  原作小説では悪役のレオナルト公爵。でも主人公はレオナルトに感情移入して読んでおり彼が推しだった! なので嬉しい!  だが問題は、そのラスボス貴族・レオナルト公爵(30代)が、物語の中では原作主人公にとっての宿敵ゆえに、原作小説では彼の冷酷な策略によって国家間の戦争へと突き進み、最終的にレオナルトと側近のシリルは処刑される運命だったことだ。 「俺、このままだと死ぬやつじゃん……」  死を回避するために、主人公、すなわち転生先の新しいシリルは、レオナルト公爵の信頼を得て歴史を変えようと決意。しかし、レオナルトは原作とは違い、どこか寂しげで孤独を抱えている様子。さらに、主人公が意外な才覚を発揮するたびに、公爵の態度が甘くなり、なぜか距離が近くなっていく。主人公は気づく。レオナルト公爵が悪に染まる原因は、彼の孤独と裏切られ続けた過去にあるのではないかと。そして彼を救おうと奔走するが、それは同時に、公爵からの執着を招くことになり——!?  原作主人公ラセル王太子も出てきて話は複雑に! 見どころ ・転生 ・主従  ・推しである原作悪役に溺愛される ・前世の経験と知識を活かす ・政治的な駆け引きとバトル要素(少し) ・ダークヒーロー(攻め)の変化(冷酷な公爵が愛を知り、主人公に執着・溺愛する過程) ・黒猫もふもふ 番外編では。 ・もふもふ獣人化 ・切ない裏側 ・少年時代 などなど 最初は、推しの信頼を得るために、ほのぼの日常スローライフ、かわいい黒猫が出てきます。中盤にバトルがあって、解決、という流れ。後日譚は、ほのぼのに戻るかも。本編は完結しましたが、後日譚や番外編、ifルートなど、続々更新中。

処理中です...