40 / 69
40 ほ、本気の目だ
しおりを挟む
「シャト!はぁはぁ……シャトぉ」
「やめて下さい、殿下。あなたは犬ですか?」
「シャトの犬にならなりたい!わんわん」
「犬の真似がお上手ですね、殿下ってばーあはは!」
「うふふ、ペロってしちゃおうかなぁ」
本当に元気になってきたみたいだ。こんな冗談も言える人だなんて知らなかったけれどね。
「本気だ……本気の、目だ」
宰相さんがなんか呟いていたけど、俺の耳には届かなかった。それより本物の犬の真似をして俺の匂いをふんふん嗅いでる殿下に笑ってしまう!本当に真似が上手だなあ。
「こんなにお元気なら……」
「うっ、胸が痛い……」
「殿下?!大変、早くベッドへ!」
俺は医師団の手を借りて殿下を起こして、部屋へ行くのを手伝う。
「シャト……一緒に」
「いますよ、隣にいます」
俺が肩を貸した所で、殿下よりかなり背の低い俺じゃ役に立たない気もするけど殿下が離してくれないからそのまま行くことにする。
「……仮病だ……」
置いてかれた宰相さんはまた呟いてたけど、聞こえなかった。
「シャトは勇者と何をしてたの?」
ちょっと強い口調で、ベッドに寝かせた殿下は聞いてきた。そうか勇者の体調か気になったのか。
「勇者セイルはまだまだ魔力が伸びる潜在能力があったのでお手伝いしてたんです。少しは助けられたと思います」
「勇者?いたっけ」
「いましたよ!シェリリアの実家をそろそろ何とかするのに呼んだんですよ?」
「あれ?そうだったかい……シャトがいてくれれば、シェリリアなんてもうどうでも良い」
流石にその発言は良くない。俺は殿下の鼻の先っちょをピシッと指先で弾いた。
「悪魔と取引したと思われる貴族がいるんですよ!王家としてしっかり対処しないと行けません。貴方は王太子なんですから、言動には責任を持って下さい」
「ごめんね?シャト。でもシャトがあいつらと仲良くしているから、私つい嫉妬してしまったんだ」
「仲良く?特にしてないですよ。むしろセイルと仲良くしようものならフランゼ公爵令息に睨まれちゃいます」
睨まれる、といった瞬間に殿下の眉毛が不機嫌に跳ね上がった。おおう?!何だ何だ?
「シャトを睨む?許せんな、首を刎ねよう」
「何をいってらっしゃるのですか?意味が分かりませんよ。それにフランゼ公爵令息はセイルのことが大好きだから、セイルに近づくものならなんでも威嚇しますよ、犬っぽいですね」
「そうなのか?フランゼ公爵令息は勇者が好きなのか?」
「好きと言うか愛し合ってますよね?」
現在進行形で励んでいらっしゃいますよ。そこまで説明してやっと眉間の皺がなくなった。
「そうか、勇者と。なるほど」
「ええ、二人で立ち向かってくれるそうです。とても心強いですね」
そうだ!俺もやらなきゃいけないことがあるんだった。
「ホルランド殿下、お願いがあります」
「許可する」
「ありがとうございます!」
やった!特別図書館の閲覧許可が下りたぞ。
「では早速行ってきます」
「どこへ?! 」
図書館っていったでしょう?聖女とはどんな支援ができるのか調べに行くんですよ。さっきいいましたよね?あれ?いったっけ?? いやでも、許可が出たんだから大丈夫だよね。
「ちゃんと寝てて下さいよ?」
「うっ……分かった」
まだふらふらなのに歩き回るなんて困った方だよ。
「では行ってきます」
「う、うん……」
「やめて下さい、殿下。あなたは犬ですか?」
「シャトの犬にならなりたい!わんわん」
「犬の真似がお上手ですね、殿下ってばーあはは!」
「うふふ、ペロってしちゃおうかなぁ」
本当に元気になってきたみたいだ。こんな冗談も言える人だなんて知らなかったけれどね。
「本気だ……本気の、目だ」
宰相さんがなんか呟いていたけど、俺の耳には届かなかった。それより本物の犬の真似をして俺の匂いをふんふん嗅いでる殿下に笑ってしまう!本当に真似が上手だなあ。
「こんなにお元気なら……」
「うっ、胸が痛い……」
「殿下?!大変、早くベッドへ!」
俺は医師団の手を借りて殿下を起こして、部屋へ行くのを手伝う。
「シャト……一緒に」
「いますよ、隣にいます」
俺が肩を貸した所で、殿下よりかなり背の低い俺じゃ役に立たない気もするけど殿下が離してくれないからそのまま行くことにする。
「……仮病だ……」
置いてかれた宰相さんはまた呟いてたけど、聞こえなかった。
「シャトは勇者と何をしてたの?」
ちょっと強い口調で、ベッドに寝かせた殿下は聞いてきた。そうか勇者の体調か気になったのか。
「勇者セイルはまだまだ魔力が伸びる潜在能力があったのでお手伝いしてたんです。少しは助けられたと思います」
「勇者?いたっけ」
「いましたよ!シェリリアの実家をそろそろ何とかするのに呼んだんですよ?」
「あれ?そうだったかい……シャトがいてくれれば、シェリリアなんてもうどうでも良い」
流石にその発言は良くない。俺は殿下の鼻の先っちょをピシッと指先で弾いた。
「悪魔と取引したと思われる貴族がいるんですよ!王家としてしっかり対処しないと行けません。貴方は王太子なんですから、言動には責任を持って下さい」
「ごめんね?シャト。でもシャトがあいつらと仲良くしているから、私つい嫉妬してしまったんだ」
「仲良く?特にしてないですよ。むしろセイルと仲良くしようものならフランゼ公爵令息に睨まれちゃいます」
睨まれる、といった瞬間に殿下の眉毛が不機嫌に跳ね上がった。おおう?!何だ何だ?
「シャトを睨む?許せんな、首を刎ねよう」
「何をいってらっしゃるのですか?意味が分かりませんよ。それにフランゼ公爵令息はセイルのことが大好きだから、セイルに近づくものならなんでも威嚇しますよ、犬っぽいですね」
「そうなのか?フランゼ公爵令息は勇者が好きなのか?」
「好きと言うか愛し合ってますよね?」
現在進行形で励んでいらっしゃいますよ。そこまで説明してやっと眉間の皺がなくなった。
「そうか、勇者と。なるほど」
「ええ、二人で立ち向かってくれるそうです。とても心強いですね」
そうだ!俺もやらなきゃいけないことがあるんだった。
「ホルランド殿下、お願いがあります」
「許可する」
「ありがとうございます!」
やった!特別図書館の閲覧許可が下りたぞ。
「では早速行ってきます」
「どこへ?! 」
図書館っていったでしょう?聖女とはどんな支援ができるのか調べに行くんですよ。さっきいいましたよね?あれ?いったっけ?? いやでも、許可が出たんだから大丈夫だよね。
「ちゃんと寝てて下さいよ?」
「うっ……分かった」
まだふらふらなのに歩き回るなんて困った方だよ。
「では行ってきます」
「う、うん……」
177
あなたにおすすめの小説
【㊗️受賞!】神のミスで転生したけど、幼児化しちゃった!〜もふもふと一緒に、異世界ライフを楽しもう!〜
一ノ蔵(いちのくら)
ファンタジー
※第18回ファンタジー小説大賞にて、奨励賞を受賞しました!投票して頂いた皆様には、感謝申し上げますm(_ _)m
✩物語は、ゆっくり進みます。冒険より、日常に重きありの異世界ライフです。
【あらすじ】
神のミスにより、異世界転生が決まったミオ。調子に乗って、スキルを欲張り過ぎた結果、幼児化してしまった!
そんなハプニングがありつつも、ミオは、大好きな異世界で送る第二の人生に、希望いっぱい!
事故のお詫びに遣わされた、守護獣神のジョウとともに、ミオは異世界ライフを楽しみます!
仕事繁忙期の為、2月中旬まで更新を週一に致します。
カクヨム(吉野 ひな)様にも投稿しています。
転生したら、主人公の宿敵(でも俺の推し)の側近でした
リリーブルー
BL
「しごとより、いのち」厚労省の過労死等防止対策のスローガンです。過労死をゼロにし、健康で充実して働き続けることのできる社会へ。この小説の主人公は、仕事依存で過労死し異世界転生します。
仕事依存だった主人公(20代社畜)は、過労で倒れた拍子に異世界へ転生。目を覚ますと、そこは剣と魔法の世界——。愛読していた小説のラスボス貴族、すなわち原作主人公の宿敵(ライバル)レオナルト公爵に仕える側近の美青年貴族・シリル(20代)になっていた!
原作小説では悪役のレオナルト公爵。でも主人公はレオナルトに感情移入して読んでおり彼が推しだった! なので嬉しい!
だが問題は、そのラスボス貴族・レオナルト公爵(30代)が、物語の中では原作主人公にとっての宿敵ゆえに、原作小説では彼の冷酷な策略によって国家間の戦争へと突き進み、最終的にレオナルトと側近のシリルは処刑される運命だったことだ。
「俺、このままだと死ぬやつじゃん……」
死を回避するために、主人公、すなわち転生先の新しいシリルは、レオナルト公爵の信頼を得て歴史を変えようと決意。しかし、レオナルトは原作とは違い、どこか寂しげで孤独を抱えている様子。さらに、主人公が意外な才覚を発揮するたびに、公爵の態度が甘くなり、なぜか距離が近くなっていく。主人公は気づく。レオナルト公爵が悪に染まる原因は、彼の孤独と裏切られ続けた過去にあるのではないかと。そして彼を救おうと奔走するが、それは同時に、公爵からの執着を招くことになり——!?
原作主人公ラセル王太子も出てきて話は複雑に!
見どころ
・転生
・主従
・推しである原作悪役に溺愛される
・前世の経験と知識を活かす
・政治的な駆け引きとバトル要素(少し)
・ダークヒーロー(攻め)の変化(冷酷な公爵が愛を知り、主人公に執着・溺愛する過程)
・黒猫もふもふ
番外編では。
・もふもふ獣人化
・切ない裏側
・少年時代
などなど
最初は、推しの信頼を得るために、ほのぼの日常スローライフ、かわいい黒猫が出てきます。中盤にバトルがあって、解決、という流れ。後日譚は、ほのぼのに戻るかも。本編は完結しましたが、後日譚や番外編、ifルートなど、続々更新中。
ネグレクトされていた四歳の末娘は、前世の経理知識で実家の横領を見抜き追放されました。これからはもふもふ聖獣と美食巡りの旅に出ます。
旅する書斎(☆ほしい)
ファンタジー
アークライト子爵家の四歳の末娘リリアは、家族から存在しないものとして扱われていた。食事は厨房の残飯、衣服は兄姉のお下がりを更に継ぎ接ぎしたもの。冷たい床で眠る日々の中、彼女は高熱を出したことをきっかけに前世の記憶を取り戻す。
前世の彼女は、ブラック企業で過労死した経理担当のOLだった。
ある日、父の書斎に忍び込んだリリアは、ずさんな管理の家計簿を発見する。前世の知識でそれを読み解くと、父による悪質な横領と、家の財産がすでに破綻寸前であることが判明した。
「この家は、もうすぐ潰れます」
家族会議の場で、リリアはたった四歳とは思えぬ明瞭な口調で破産の事実を突きつける。激昂した父に「疫病神め!」と罵られ家を追い出されたリリアだったが、それは彼女の望むところだった。
手切れ金代わりの銅貨数枚を握りしめ、自由を手に入れたリリア。これからは誰にも縛られず、前世で夢見た美味しいものをたくさん食べる生活を目指す。
ボクが追放されたら飢餓に陥るけど良いですか?
音爽(ネソウ)
ファンタジー
美味しい果実より食えない石ころが欲しいなんて、人間て変わってますね。
役に立たないから出ていけ?
わかりました、緑の加護はゴッソリ持っていきます!
さようなら!
5月4日、ファンタジー1位!HOTランキング1位獲得!!ありがとうございました!
【WEB版】監視が厳しすぎた嫁入り生活から解放されました~冷徹無慈悲と呼ばれた隻眼の伯爵様と呪いの首輪~【BL・オメガバース】
古森きり
BL
【書籍化決定しました!】
詳細が決まりましたら改めてお知らせにあがります!
たくさんの閲覧、お気に入り、しおり、感想ありがとうございました!
アルファポリス様の規約に従い発売日にURL登録に変更、こちらは引き下げ削除させていただきます。
政略結婚で嫁いだ先は、女狂いの伯爵家。
男のΩである僕には一切興味を示さず、しかし不貞をさせまいと常に監視される生活。
自分ではどうすることもできない生活に疲れ果てて諦めた時、夫の不正が暴かれて失脚した。
行く当てがなくなった僕を保護してくれたのは、元夫が口を開けば罵っていた政敵ヘルムート・カウフマン。
冷徹無慈悲と呼び声高い彼だが、共に食事を摂ってくれたりやりたいことを応援してくれたり、決して冷たいだけの人ではなさそうで――。
カクヨムに書き溜め。
小説家になろう、アルファポリス、BLoveにそのうち掲載します。
BL世界に転生したけど主人公の弟で悪役だったのでほっといてください
わさび
BL
前世、妹から聞いていたBL世界に転生してしまった主人公。
まだ転生したのはいいとして、何故よりにもよって悪役である弟に転生してしまったのか…!?
悪役の弟が抱えていたであろう嫉妬に抗いつつ転生生活を過ごす物語。
公爵家の末っ子に転生しました〜出来損ないなので潔く退場しようとしたらうっかり溺愛されてしまった件について〜
上総啓
BL
公爵家の末っ子に転生したシルビオ。
体が弱く生まれて早々ぶっ倒れ、家族は見事に過保護ルートへと突き進んでしまった。
両親はめちゃくちゃ溺愛してくるし、超強い兄様はブラコンに育ち弟絶対守るマンに……。
せっかくファンタジーの世界に転生したんだから魔法も使えたり?と思ったら、我が家に代々伝わる上位氷魔法が俺にだけ使えない?
しかも俺に使える魔法は氷魔法じゃなく『神聖魔法』?というか『神聖魔法』を操れるのは神に選ばれた愛し子だけ……?
どうせ余命幾ばくもない出来損ないなら仕方ない、お荷物の僕はさっさと今世からも退場しよう……と思ってたのに?
偶然騎士たちを神聖魔法で救って、何故か天使と呼ばれて崇められたり。終いには帝国最強の狂血皇子に溺愛されて囲われちゃったり……いやいやちょっと待て。魔王様、主神様、まさかアンタらも?
……ってあれ、なんかめちゃくちゃ囲われてない??
―――
病弱ならどうせすぐ死ぬかー。ならちょっとばかし遊んでもいいよね?と自由にやってたら無駄に最強な奴らに溺愛されちゃってた受けの話。
※別名義で連載していた作品になります。
(名義を統合しこちらに移動することになりました)
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる