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41 俺、魔法覚えちゃう

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 流石に勝手知ったる王宮内、スタスタ歩いて図書館へつき、司書だって顔見知りだから、すぐに禁書の棚まで見せてくれた。

「ふむ……普段目にする回復系以外にもいろいろあるな。能力強化系か」

 つまりゲームみたいにバフ、デバフ系からバリア系。耐性系も揃ってるじゃん。なんで使わないんだろう?

「えっと、高度神聖魔法は南のルーセン地方出身者の中でも神聖魔力が高い者しか使用できない事が多く……?つまり使用MPが多いって事か」

 ルーセン地方? 今読んでいる本はずいぶん古いものだから、地名が変わっているなぁ……我が国の名前はルーセン王国だなぁ?

「……うちの国に住んでる人は魔力が多い人が多いのかな? だから魔力だまりができると、とても大きくなる……? 」

 その割に、詰まってるから皆、弱い。宰相さんの口癖が我が国弱いなのも仕方がないことなんだよね。ほんと、弱い。今はこの北帝国の庇護下にあるから、平和だけどここに捨てられたらまたどこかの国に攻められるかも。

「やっぱり帰って魔力だまりをほぐす仕事必要だな!」

 我が国の強化も大切だ。それより今は先に神聖魔法だ。

 あの神の野郎は勇者は聖女を伴って悪魔退治をすると言っていた。だが俺の存在のせいで本来生まれるべき聖女が聖女(男・俺)になってしまったってめちゃくちゃ怒ってた。はっきり言えばあいつが怒ろうが泣き喚こうがザマーミロ! としか思わないんだけど、聖女がいない状況がセイルの悪魔討伐にどんな悪影響を及ぼすかが分からない。
 なら聖女(?仮、男、俺)でもいればちょっとは役に立つかも知れないと思った訳だ。俺は北川君に悲しい目に遭って欲しくない。同じコンビニを利用したよしみもあるし、多分家も近かったんだろう。
 なら、彼には異世界を楽しみつつ勇者家業に精を出し、ミュゼルの精は搾り取る方向でお楽しみ頂きたい。

 俺、上手いこと言った!

「……えーと、まずは基本のバフ系からバリア系だよな。範囲回復とかもあるなー。本当、ゲームっぽいな」

 ほとんどの本は持ち出し禁止図書たったから、覚えていくしかない。自分の魔力回路を神聖魔法モードにして、流れを見ながら暗記していく。やっぱりシャトルリアは暗記が得意だし、ルーセン国民だからか魔力も豊富だ。このまま何日か通えばかなり色々なものを覚えることができそうだ。

 北川君の幸せはおれが守る!
 ついでに我が国の幸せも俺が守る!

 俺、カッコいい!俺の心の自画自賛は司書さんに見られていたようでくすくすと小さな笑い声が聞こえてきてものすごく恥ずかしかった!

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