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60 ふわふわーのあれ?

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 なんかよく分からず連れ回されてふわふわしているうちに教会の神父の前にいて、理想的な新郎新婦……夫?の誓いの口付けなどして豪華なドレス、帝国皇帝が出席する豪華な式、すべての人間が歓喜する素敵で素晴らしい結婚式が執り行われた。
 ルーセンからお母様とか来ていたし、ハグとかしたけど、なんだか全部現実味がなくてふわぁ~っと過ぎていった。あんなに重かったドレスも巨大過ぎて重すぎてずり下がる王太子妃の宝冠もよく分からないまま、着て脱いでいた。

「疲れた、ような気がする……」

 まだよく分からないけれど、やっと一息つけた場所は豪華な部屋。時は夜、そう間違いなくこの部屋は……。

「し、初夜の、部屋ぁ……」

 現実がドカンと降って来た。お、俺ぇ……これからここで殿下とくんずほぐれず、じったんばったん、ずっこんばっこん??

「ひ、ひぇ……」

 お、俺……そんなの無理だ!!ってそういえば俺って男だろ?

「確か準備とかなんかそういうのなかったっけ?」

 無駄とも思える前世の記憶で男同士の場合は洗うとか解すとか色々あったようななかったような??
 はて、俺なんもしてないけど良いのかな?

「シャト」
「ぴゃいいいーー!」

 考え事をしていたせいか、声をかけられるまでホルランド殿下が部屋に入って来たのに気が付かなかった。
 奇声を上げた俺をいつもの優しい王子様スマイルで見ている。

「緊張してるの?シャト」
「そ、そんなこと……」

 いや、緊張してる!普通緊張するだろ?!何となく椅子に座っていた俺の隣までゆっくり歩いてくる。

「シャト、来て」
「う……」

 手を差し出されては無視する訳にはいかず、掴まるとそのままでかいベッドの横までエスコートされてしまう。逃げ場は、ない。

「シャト、シャトルリア。私はずっとこの日を夢見てた……途中、シャトにとても酷いことをしてしまったけれど……君を一目見た時から、ずっと」
「ホ、ホルランド殿下……」

 は?!一目見たって俺達が会ったのは俺が6歳の時だよ?!あんた6歳の俺とくんずほぐれすしたかったのか?!やべぇ、こいつ、やべぇ!

「シャト、顔に出てる。君流で言うところの「やべぇ」かな?ふふ、でも仕方がないだろう?君のことが好きなんだ」
「ひえ……」

 そのままベッドの上に押し倒された。ひ、ひい!

「もう我慢しなくて良いよね?覚悟して、シャト」
「か、覚悟ーー?!」

 俺は見たこともないほど良い顔、でも怖くてかなりエロい顔のホルランド殿下に見下ろされている。


 か、神様、助けてーー!

「大丈夫、塁君ならイケるって!」
「あはははー!死にはしませんから大丈夫ですって!あははー!」

 絶対あるはずがないのに金髪の神様と宰相さんが肩を組んでニコニコ笑っている幻聴と幻覚が見えた。ああ、孤立無援……。




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