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62 歪められたが故に
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「知ってると思うけど、私は魔力量が多いの!だからあんなにポンポン神聖魔法が使えたの!」
「でも……そんな」
「教えたでしょう!魔力量が多い魔力袋持ちは妊娠しやすいって。あんな量を毎日ぶっかけられたら赤ちゃんできるのが普通なの!」
「でもシャトが可愛すぎて我慢できない」
「それはそれ、これはこれ! 」
人間、慣れれば慣れるもんで最近ホランの猛攻に慣れて来てしまった。俺、凄い。
「もう……赤ちゃん出来ただなんて……! 」
「私だってびっくりだよ」
結婚式から1ヶ月くらいは毎日抱き潰されていた。2ヶ月目くらいからはどこへ行くにも抱っこされて歩いていた。3ヶ月経って萎えた足でよたよた歩き始めるたらお腹の中に知ってる人がいた。
(累くーん!来ちゃった)
(え?!シャトルリアの本物の魂の子?! )
(うん!金髪の神様が行っておいでって。よろしくお願いします! )
と、いう訳で俺はあっさり妊夫さんになった。畜生、神様の野郎、俺がビビってなかった事に出来ないコを送り込んできやがった!絶対そうだろう、絶対!あいつ俺の性格を分かり切ってるからあ!
(塁君がお母さんなんて嬉しいなあ~嬉しいなぁ~)
(う、うん……よろしくね……)
本当に小っちゃいうちから意思疎通ができてしまって、俺は大事に大事にこの子を育てるしかなくなってしまった。
「いやあ、でも子供って可愛いですよ~!」
ビビり散らかしていた宰相さんは息子のルマンドを抱っこして頬ずりしている。本当に最初から最後まで喚いていたのが嘘のようだ。
「わ、私は、私は子供なんて産める訳ないじゃないですかーーっむりーむりーー!」
「大丈夫です、可愛い奥さん」
「いけますって、可愛い奥さん」
ヘンドリクセン兄弟に挟まれて強行突破されてしまった感じなのに、物凄い親馬鹿っぷりだ。ちなみにお腹の中では俺と良く喋っていたルマンドだけれど、外に出てしばらくすると意思疎通ができなくなってしまった。まあなんとなくわかる。赤ちゃんの神秘だろう……きっとお腹の中の本来のシャトルリアの魂の子も産まれてしばらくすると忘れるんだろうね。
どの子もスクスク育っていて、皆可愛い。勇者セイルの子供は大きめだし、マチェット君の子供は小さめだ。同じくらいの時期に生まれているのに差はある。それはどこでも一緒だね。そして全員超可愛いけれど、絶対うちの子が一番可愛いに違いない。
「強い英雄を作る外法なんだよね」
「あんまり褒められたことじゃないってこと? 」
「うん」
その日の夜の夢に神様が出てきた。神様はちっちゃな子供達に囲まれていて、俺と話をする最中も子供達に髪の毛を引っ張られ、背中をよじ登られ大変そうだった。神様をおもちゃにして遊んでいる子供達なんて絶対将来大物だろうな。
「ルーセン地方の人間は魔力を特化させている。そして魔力は多いのに出せなくして溜めるだけ溜めさせて次の代へ継承していかせている。もうかなり繰り返されているから、シャトルリアの故国の辺りの人間は大体ものすごい魔力と魔法への親和性が高いんだ。なんとなくわかるでしょう?」
「あー……分かります。本を読んだだけでも結構頭に入ってくる」
「でしょう?でもそれは人間として普通の状態じゃないから、少しづつ緩和していくつもり。急には出来ないから時間をかけてゆっくりとになるんだけどね。それで、北帝国の方も弄られた人が多くて……彼らは武力が強い、分かる?」
「……もしかして」
「そう。帝国を父とし、ルーセンを母として突出した英雄を作る。転生で英雄となる人物を呼ぶには莫大な力が必要になるからね。自前で用意した方が安いって訳。でもこれはいろいろ負担になるから外法なんだよね。でもこの血の掛け合わせ、効果はでっかいんだ」
なるほど、と俺は思い出していた。前の神に故意に作り出されていた人達だったのか……。歪められて作られたせいで、ルーセンの人達は体に影響が出ている。宰相さんが弱いというけれど、それは本当のことで、ルーセン地方の人間は体が弱い傾向にある。多分統計をとれば寿命も短いはずだ……統計を取るのが難しいから表面化しないだけできっとそれは人間にしては多すぎる魔力を持たされているからで、さらに使えなくされため込まされているからなんだ。
「ルーセンもそうだけれど、帝国民は力や体力……まあ武術に関することを底上げされていて彼らはちょっと性格も歪められてる。病的な執着心がそれにあたる」
「ぎゃっ! それぇ! 」
「そう、それ。神の意思によってだから……あんまりホルランド君を責めないでね? 」
「いやまって!ホランのは異常だろう!? 」
「異常っていうより、もっとも濃くなったって言ってあげて……あはは、毎日ご苦労様ですー」
そうか、帝国を父とし、ルーセンを母とするという前の馬鹿ミミズ神のせいで俺はあんなに執着されてるのか!
「まあ、ホルランド君のシャトルリア大好きは今に始まったことじゃないし、長年の思いも拗らせちゃったしって考えると可愛いじゃない? 」
「可愛いで毎日大変な目に合ってる俺の身になってくれよ! 」
「あの猛攻に耐えられるようにいろいろ強化しておいたじゃーん!これからも頑張って!あと次がつかえてるから早くね! 」
次ってなんだー!と神様に聞く前に目が覚めるんだと分かった。きっとホランがまた俺の体のどっかを弄って喜んでるんだ。あいつほんと飽きないな。
最後の最後に、神様にくっ付いて背中をよじ登ったりあの綺麗な金髪を引っ張ったりしていた子供の魂たちがこっちを向いて手を振って……とんでもないことを言っていたのは聞かなかった事にしたい。
「またねー、累ママ~次はボクね~」
おい、5.6人いたよな!?
「でも……そんな」
「教えたでしょう!魔力量が多い魔力袋持ちは妊娠しやすいって。あんな量を毎日ぶっかけられたら赤ちゃんできるのが普通なの!」
「でもシャトが可愛すぎて我慢できない」
「それはそれ、これはこれ! 」
人間、慣れれば慣れるもんで最近ホランの猛攻に慣れて来てしまった。俺、凄い。
「もう……赤ちゃん出来ただなんて……! 」
「私だってびっくりだよ」
結婚式から1ヶ月くらいは毎日抱き潰されていた。2ヶ月目くらいからはどこへ行くにも抱っこされて歩いていた。3ヶ月経って萎えた足でよたよた歩き始めるたらお腹の中に知ってる人がいた。
(累くーん!来ちゃった)
(え?!シャトルリアの本物の魂の子?! )
(うん!金髪の神様が行っておいでって。よろしくお願いします! )
と、いう訳で俺はあっさり妊夫さんになった。畜生、神様の野郎、俺がビビってなかった事に出来ないコを送り込んできやがった!絶対そうだろう、絶対!あいつ俺の性格を分かり切ってるからあ!
(塁君がお母さんなんて嬉しいなあ~嬉しいなぁ~)
(う、うん……よろしくね……)
本当に小っちゃいうちから意思疎通ができてしまって、俺は大事に大事にこの子を育てるしかなくなってしまった。
「いやあ、でも子供って可愛いですよ~!」
ビビり散らかしていた宰相さんは息子のルマンドを抱っこして頬ずりしている。本当に最初から最後まで喚いていたのが嘘のようだ。
「わ、私は、私は子供なんて産める訳ないじゃないですかーーっむりーむりーー!」
「大丈夫です、可愛い奥さん」
「いけますって、可愛い奥さん」
ヘンドリクセン兄弟に挟まれて強行突破されてしまった感じなのに、物凄い親馬鹿っぷりだ。ちなみにお腹の中では俺と良く喋っていたルマンドだけれど、外に出てしばらくすると意思疎通ができなくなってしまった。まあなんとなくわかる。赤ちゃんの神秘だろう……きっとお腹の中の本来のシャトルリアの魂の子も産まれてしばらくすると忘れるんだろうね。
どの子もスクスク育っていて、皆可愛い。勇者セイルの子供は大きめだし、マチェット君の子供は小さめだ。同じくらいの時期に生まれているのに差はある。それはどこでも一緒だね。そして全員超可愛いけれど、絶対うちの子が一番可愛いに違いない。
「強い英雄を作る外法なんだよね」
「あんまり褒められたことじゃないってこと? 」
「うん」
その日の夜の夢に神様が出てきた。神様はちっちゃな子供達に囲まれていて、俺と話をする最中も子供達に髪の毛を引っ張られ、背中をよじ登られ大変そうだった。神様をおもちゃにして遊んでいる子供達なんて絶対将来大物だろうな。
「ルーセン地方の人間は魔力を特化させている。そして魔力は多いのに出せなくして溜めるだけ溜めさせて次の代へ継承していかせている。もうかなり繰り返されているから、シャトルリアの故国の辺りの人間は大体ものすごい魔力と魔法への親和性が高いんだ。なんとなくわかるでしょう?」
「あー……分かります。本を読んだだけでも結構頭に入ってくる」
「でしょう?でもそれは人間として普通の状態じゃないから、少しづつ緩和していくつもり。急には出来ないから時間をかけてゆっくりとになるんだけどね。それで、北帝国の方も弄られた人が多くて……彼らは武力が強い、分かる?」
「……もしかして」
「そう。帝国を父とし、ルーセンを母として突出した英雄を作る。転生で英雄となる人物を呼ぶには莫大な力が必要になるからね。自前で用意した方が安いって訳。でもこれはいろいろ負担になるから外法なんだよね。でもこの血の掛け合わせ、効果はでっかいんだ」
なるほど、と俺は思い出していた。前の神に故意に作り出されていた人達だったのか……。歪められて作られたせいで、ルーセンの人達は体に影響が出ている。宰相さんが弱いというけれど、それは本当のことで、ルーセン地方の人間は体が弱い傾向にある。多分統計をとれば寿命も短いはずだ……統計を取るのが難しいから表面化しないだけできっとそれは人間にしては多すぎる魔力を持たされているからで、さらに使えなくされため込まされているからなんだ。
「ルーセンもそうだけれど、帝国民は力や体力……まあ武術に関することを底上げされていて彼らはちょっと性格も歪められてる。病的な執着心がそれにあたる」
「ぎゃっ! それぇ! 」
「そう、それ。神の意思によってだから……あんまりホルランド君を責めないでね? 」
「いやまって!ホランのは異常だろう!? 」
「異常っていうより、もっとも濃くなったって言ってあげて……あはは、毎日ご苦労様ですー」
そうか、帝国を父とし、ルーセンを母とするという前の馬鹿ミミズ神のせいで俺はあんなに執着されてるのか!
「まあ、ホルランド君のシャトルリア大好きは今に始まったことじゃないし、長年の思いも拗らせちゃったしって考えると可愛いじゃない? 」
「可愛いで毎日大変な目に合ってる俺の身になってくれよ! 」
「あの猛攻に耐えられるようにいろいろ強化しておいたじゃーん!これからも頑張って!あと次がつかえてるから早くね! 」
次ってなんだー!と神様に聞く前に目が覚めるんだと分かった。きっとホランがまた俺の体のどっかを弄って喜んでるんだ。あいつほんと飽きないな。
最後の最後に、神様にくっ付いて背中をよじ登ったりあの綺麗な金髪を引っ張ったりしていた子供の魂たちがこっちを向いて手を振って……とんでもないことを言っていたのは聞かなかった事にしたい。
「またねー、累ママ~次はボクね~」
おい、5.6人いたよな!?
応援ありがとうございます!
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