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69 御用心!
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俺の国、ルーセンは神に愛されし国と呼ばれるようになって行った。ルーセンから家族を迎えれば必ず幸せになれるという迷信のような、神様の意図のようなものがあったりするからなんだが。
ついでにルーセンは戦争はさておき、作物が良く採れるようになった。
「前いた神ね、ミミズにして大地に落としたから仕事してるみたい。ま、世界が豊かになる頃には反省してるでしょ」
どうやら、鳥に食べられても魚の餌にされても子供につままれてもミミズに生まれ変わるらしく、ずーっとミミズのままらしい。
俺をつまんで捨てた神は色々な人に摘まれまくる人……ミミズ生を送ることになったようだ。世界が豊かになるのはいつ日かまだ見当もつかないけれど、ミミズ神は土を耕し続けるようだ。この広い世界全部なんてちょっとだけ可哀想かなと思ったけれど、自業自得なのかもしれない。
ルーセンはあちこちの国から請われ、その血を広めて行くだろう。その度に神の加護は薄まって行くけれど、それでもそれを求める人は減らないと思う。
帝国民も扱いを取り間違えさえしなければ優秀な人間ばかり。ただやっぱり運命とも言える大切なたった一人が手に入らず、大事件を起こしてしまう人が後を絶たないから注意が必要だった。
そういう暴走廃人達を捕まえる為の専用機関を組織する必要もあったし、俺達には全然普通だけど、帝国民が飲むとめちゃくちゃ不味くて苦い煎じ茶も運命を忘れたいと強く願う人達にとってはそこそこな効き目があるようだった。
「混血が進めばそれも和らいで行くでしょうが、今しばらくは無理ですね」
それでもなぜ暴走するのかが判明して、世界は落ち着いて行ったと思う。
「何故こんなにシャトのことが好きで好きで堪らないか分からなくて悩んだこともあったよ。どうみても周りの人とは違ったからね。その過程で、ヘンドリクセン兄弟……今はウィルズ夫人達か、彼らも私と同じだと分かってこれは私一人の問題ではないなと感じたものさ」
「なるほど」
優秀だけど、運命の人のことになるとおかしくなるヘンドリクセン兄弟をホランは我がことのようにみていたらしい。
「シャトがルーセンに帰っている間は、ついでにヘンドリクセン兄弟が様子を伝えてくれてたんだ。今日はどんな服を着てたとか、誰と会ったとか、どこへ出かけて誰と何を喋ったとか、トイレに何回入ったとか」
「お、おい……」
話の雰囲気がヤバくなって来た。えっとまず、俺がルーセンに居た時に、ヘンドリクセン兄弟が様子を教えたぁだと? てことはその時あの兄弟はルーセン国へ来ていた? 何しに……ま、まさか宰相さんをストーカーするついでに俺のことも覗いてたの!?
「髪の毛が何本抜けたとか……」
「イヤーー! なんでそんなことまで把握してんの、それ数えてたの?! 」
「うん、皆やってるよ? 」
ホランの言う皆が怖すぎる!!誰だよ、皆って!お前達クラスの変態が実はいっぱいいるのか? 頼むから表に出てくんなよ?!
「お、落ち着いて、落ち着いて……。だ、大丈夫、大丈夫。俺はホランの側にいるからね?! 」
「もちろんだよ」
こいつを、こいつらを野放しにしないことこそがこの世界の平和に繋がるんだと確信した。俺らの尽力もあり、この世界は丸く笑顔が増えて行くことだろう。後の世に俺達の世代は英雄だとか神の使徒だとか崇められるかも知れないけれど、まあその頃に俺達は生きてはいないし好きに呼んで欲しいと思う。
「シャト、ずっと長生きしてね。シャトがいなくなったら、私はどうなっちゃうか分からないよ」
「長生きって……お爺ちゃんになっちゃうよ」
「白髪になったシャトも可愛いだろうなあ……一体どんな声で啼くんだろうか」
「ひい」
「いやぁ、楽しみだなあ~」
俺はそんな遠い未来より、近い未来の事を心配しなくちゃいけないみたいだ。さ、宰相さんに相談だぁ~~!俺は青くなったり赤くなったりしながらここでそれなりに楽しく生きて行くだろう。
さて、その肩に付いている糸くず。捨てる時には御用心。意外とやる糸くずかもしれないよ?世界を救っちゃうくらいにさ!
おしまい
ついでにルーセンは戦争はさておき、作物が良く採れるようになった。
「前いた神ね、ミミズにして大地に落としたから仕事してるみたい。ま、世界が豊かになる頃には反省してるでしょ」
どうやら、鳥に食べられても魚の餌にされても子供につままれてもミミズに生まれ変わるらしく、ずーっとミミズのままらしい。
俺をつまんで捨てた神は色々な人に摘まれまくる人……ミミズ生を送ることになったようだ。世界が豊かになるのはいつ日かまだ見当もつかないけれど、ミミズ神は土を耕し続けるようだ。この広い世界全部なんてちょっとだけ可哀想かなと思ったけれど、自業自得なのかもしれない。
ルーセンはあちこちの国から請われ、その血を広めて行くだろう。その度に神の加護は薄まって行くけれど、それでもそれを求める人は減らないと思う。
帝国民も扱いを取り間違えさえしなければ優秀な人間ばかり。ただやっぱり運命とも言える大切なたった一人が手に入らず、大事件を起こしてしまう人が後を絶たないから注意が必要だった。
そういう暴走廃人達を捕まえる為の専用機関を組織する必要もあったし、俺達には全然普通だけど、帝国民が飲むとめちゃくちゃ不味くて苦い煎じ茶も運命を忘れたいと強く願う人達にとってはそこそこな効き目があるようだった。
「混血が進めばそれも和らいで行くでしょうが、今しばらくは無理ですね」
それでもなぜ暴走するのかが判明して、世界は落ち着いて行ったと思う。
「何故こんなにシャトのことが好きで好きで堪らないか分からなくて悩んだこともあったよ。どうみても周りの人とは違ったからね。その過程で、ヘンドリクセン兄弟……今はウィルズ夫人達か、彼らも私と同じだと分かってこれは私一人の問題ではないなと感じたものさ」
「なるほど」
優秀だけど、運命の人のことになるとおかしくなるヘンドリクセン兄弟をホランは我がことのようにみていたらしい。
「シャトがルーセンに帰っている間は、ついでにヘンドリクセン兄弟が様子を伝えてくれてたんだ。今日はどんな服を着てたとか、誰と会ったとか、どこへ出かけて誰と何を喋ったとか、トイレに何回入ったとか」
「お、おい……」
話の雰囲気がヤバくなって来た。えっとまず、俺がルーセンに居た時に、ヘンドリクセン兄弟が様子を教えたぁだと? てことはその時あの兄弟はルーセン国へ来ていた? 何しに……ま、まさか宰相さんをストーカーするついでに俺のことも覗いてたの!?
「髪の毛が何本抜けたとか……」
「イヤーー! なんでそんなことまで把握してんの、それ数えてたの?! 」
「うん、皆やってるよ? 」
ホランの言う皆が怖すぎる!!誰だよ、皆って!お前達クラスの変態が実はいっぱいいるのか? 頼むから表に出てくんなよ?!
「お、落ち着いて、落ち着いて……。だ、大丈夫、大丈夫。俺はホランの側にいるからね?! 」
「もちろんだよ」
こいつを、こいつらを野放しにしないことこそがこの世界の平和に繋がるんだと確信した。俺らの尽力もあり、この世界は丸く笑顔が増えて行くことだろう。後の世に俺達の世代は英雄だとか神の使徒だとか崇められるかも知れないけれど、まあその頃に俺達は生きてはいないし好きに呼んで欲しいと思う。
「シャト、ずっと長生きしてね。シャトがいなくなったら、私はどうなっちゃうか分からないよ」
「長生きって……お爺ちゃんになっちゃうよ」
「白髪になったシャトも可愛いだろうなあ……一体どんな声で啼くんだろうか」
「ひい」
「いやぁ、楽しみだなあ~」
俺はそんな遠い未来より、近い未来の事を心配しなくちゃいけないみたいだ。さ、宰相さんに相談だぁ~~!俺は青くなったり赤くなったりしながらここでそれなりに楽しく生きて行くだろう。
さて、その肩に付いている糸くず。捨てる時には御用心。意外とやる糸くずかもしれないよ?世界を救っちゃうくらいにさ!
おしまい
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