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9 無意識の誘惑とフェロモンのダブルパンチということなんだ。

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「吸血鬼は種族特性上、人間を存在だけで誘惑します、無意識に。ルドガーさまはそれを根性で抑え込んでいます」
「う、うん。なんとかするまで大変だったよ」

 老若男女問わず、吸ってくれと追いかけ回されたっけ。死んでもいい、むしろ殺してーとか怖いのもいっぱいあった。でも頑張れば抑え込めるってわかったんだよね。

「で、その根性も腹ペコでは完全に力を発揮出来ないんです、何せ真祖エセルバードさまより、死んではならないと命令が下っていますから、自死は叶いません。餓死に繋がることはできないんです」
「……なるほど」

 こうちゃんの言うことはもっともだ。私は死ぬこともままならない。

「それに加えてエセルバードさまが行った改造が活性化してます。実際私達も気が付きましたよ、強い誘惑フェロモンが出てます」
「ふぇ?」
「すんごいエッチな匂いがするにゃん!ルドガーさま。私達は対象から意図的に外されてるみたいだから、お花みたいな良い匂いだなぁってしか思わないけど、他の人はムラムラしちゃうにゃん!」

 へ?エッチでムラムラしちゃうって何?!

「本当はお気づきなんでしょう?肉体的刺激を受けにくくなった吸血鬼の体で人間のようにエッチをして気持ちよくなるためにされたこと……淫魔の核を埋め込まれてますよ?だからあんなに乱れるんです。それが誘い込んでるんですよー。新領主との契約もすぐ決まったでしょう?まあ、そういうことです」
「うわぁーー!」

 気が付きたくなかった!気が付きたくなかった!エセルの馬鹿ー!

「だ、だってそんなの!し、知らないし」
「お腹に淫紋出てますにゃん」
「こないだまでなかったよー?!」

 自分でちょっと覗いてみると、な、なんかある?!いつの間に!!

「ぽんぽこりんのお腹の肉で隠れてましたにゃん」
「嘘だろー?!」
「でもあるにゃん」
「嘘ぉ」

 じゃ、じゃあレオンのあの状態は……?恐る恐る振り返ると何かをぶつぶつと呟きながら、ゆっくり着いて来ているが……。

「フルおっきですにゃ。大っきいですね!でも大丈夫、エセルさまよりちっちゃいですにゃん。それに淫魔のアソコは絶対無敵!どんな物でもぱっくんちょですにゃ!」
「や、やめて……」

 にゃんこちゃん笑顔でなんてことをいうの??

「殴って気絶でもさせるか、魅了の目で命令すれば止まりますよ?でも吸血鬼の力をお使いになるのは嫌でしょう?そうなるともう素直にエッチするしかないですね!頑張って下さい」
「こ、こうちゃんまでなにを」
「仕方がないですよね、エセルバードさまの悪趣味ですもの。ルドガー様が啼いて悦びながら、嫌がるのを見たくて見たくてしょうがなかったらしいです」

 今日ほどエセルのことが憎らしい日がないんですけど?!



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