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帝国風キノコ
39 デジャヴ
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「使者殿、お待たせ致しましたかな?」
「いえ」
短い返事。別室で待っては?という計らいもこの使者は要らぬと断ったそうだ。
「難しい案件ゆえにすぐにはお答えでしませぬ」
「ここで待たせて貰う」
凄い迫力でその一点張りだと言う。ぶっちゃけ俺にはこの目の前の使者がどれくらい強いか分からない。
戦いの実力があれば、震えがくる!とか凄い圧力が!とか分かるのかもしれないが、こちら戦闘力ほぼゼロのキノコだ。相手の戦闘力などキノコスカウターには出ないんだぜ!
「使者殿、確認したいのですが、あの書面は本気なのですかな?」
「正式な書面に冗談を記載するほど、帝国は難儀な国ではありません」
「なるほど」
本気か、馬鹿だねー。
「書面に記された人物ですが、我が国がこれぞ、と用意した人物で構わないのでしょうか?」
偽物を掴ませたらどうなる訳?だってあんなふわっとした噂を元に書いてるんだよ、こっちも分からない可能性あるだろ?
神龍帝国の使者という人物は、俺を窺い見ている。そりゃそうだ。こっちも穴がないか、じっと観察しているんだからな。
あればそこに漬け込んで、有利な条件をもぎ取って行く。俺だって出来れば訳わからん帝国などに行きたくない。
俺が行きたいのは森だ!シャラの件も納得できたし、できれば秋に胞子を飛ばす一般キノコ生活に戻りたい。
あー秋が待ち遠しいなー。涼しい風、気持ち良い雨。じめっとした大地と枯れ葉達!もう最高だーー!っと、危ない危ない、今は大切なやり取り中だった。
「……なるほど、良いだろう。その条件で」
「使者殿?」
キノコでも分かる使者の変わり身。あれ?この人なんか偉そうじゃない??
すっと間合いを詰められ腕を掴まれる。避けようもないのだが、近すぎる!外交はつかず離れずが基本でしょ!直接触って来ないで下さい!
「男か」
何言ってんだ……こいつ!怒らせちゃならんと思って下手に出てれば!いくら何でも失礼すぎる!ここはこっちが怒っても良い所だ!
「使者殿、お離しください。いくら帝国の方とはいえ、あまりにも」
「宝で聖女で姫が男か。まあいい、この顔なら抱けるだろう。行くぞ」
「?!何を仰っているのか」
意味分かんねーーー!誰かに助けを求めたくても、俺を案内してきた人しか居ない。ノー!
しかし、この使者は俺が言う前に例の噂の人物が、俺だと気がついたのか?だとしたら何を理由にあのくだらない噂の真相を知ったんだ?
それより何か不穏な事を言ってなかった??あえて最初の不穏発言を無視する。
「行く……とは、」
「帝国だ」
掴まれた腕をぐいっと引かれて、スポッと抱き込まれる。え、やだ。何で抱き締められてるの!
使者殿はググッと力を入れて背中を丸めたかと思うと、バンと翼を生やした。
「えーーー!」
「掴まっておれ、飛ぶぞ」
「えーーーー!」
またか!また拉致パターンか!
「キノコは飛びませーーん!」
7年前より高速飛行で俺はすぐに目を回した。
「うーん……」
俺はベッドの上で目を覚ました。拉致2回目ともなると、心づもりが出来ているものでも……ないです!嫌だー!
……どうせ来なければならなかったんだから、まあ……子供達がごねる前に来てしまって良かったのかも、しれない。
「待遇は、悪くない……はずだ」
少なくても寝心地の良いベッドだし、服はきれいだ。……やっぱり女性物だけど。部屋もきれいだが、やはり閉じ込めておくための部屋なのだろう。窓には鉄格子がはまっているし、家具は少なく、花瓶などはひとつもない。
「うーーん?」
その時、扉がノックされた。
「いえ」
短い返事。別室で待っては?という計らいもこの使者は要らぬと断ったそうだ。
「難しい案件ゆえにすぐにはお答えでしませぬ」
「ここで待たせて貰う」
凄い迫力でその一点張りだと言う。ぶっちゃけ俺にはこの目の前の使者がどれくらい強いか分からない。
戦いの実力があれば、震えがくる!とか凄い圧力が!とか分かるのかもしれないが、こちら戦闘力ほぼゼロのキノコだ。相手の戦闘力などキノコスカウターには出ないんだぜ!
「使者殿、確認したいのですが、あの書面は本気なのですかな?」
「正式な書面に冗談を記載するほど、帝国は難儀な国ではありません」
「なるほど」
本気か、馬鹿だねー。
「書面に記された人物ですが、我が国がこれぞ、と用意した人物で構わないのでしょうか?」
偽物を掴ませたらどうなる訳?だってあんなふわっとした噂を元に書いてるんだよ、こっちも分からない可能性あるだろ?
神龍帝国の使者という人物は、俺を窺い見ている。そりゃそうだ。こっちも穴がないか、じっと観察しているんだからな。
あればそこに漬け込んで、有利な条件をもぎ取って行く。俺だって出来れば訳わからん帝国などに行きたくない。
俺が行きたいのは森だ!シャラの件も納得できたし、できれば秋に胞子を飛ばす一般キノコ生活に戻りたい。
あー秋が待ち遠しいなー。涼しい風、気持ち良い雨。じめっとした大地と枯れ葉達!もう最高だーー!っと、危ない危ない、今は大切なやり取り中だった。
「……なるほど、良いだろう。その条件で」
「使者殿?」
キノコでも分かる使者の変わり身。あれ?この人なんか偉そうじゃない??
すっと間合いを詰められ腕を掴まれる。避けようもないのだが、近すぎる!外交はつかず離れずが基本でしょ!直接触って来ないで下さい!
「男か」
何言ってんだ……こいつ!怒らせちゃならんと思って下手に出てれば!いくら何でも失礼すぎる!ここはこっちが怒っても良い所だ!
「使者殿、お離しください。いくら帝国の方とはいえ、あまりにも」
「宝で聖女で姫が男か。まあいい、この顔なら抱けるだろう。行くぞ」
「?!何を仰っているのか」
意味分かんねーーー!誰かに助けを求めたくても、俺を案内してきた人しか居ない。ノー!
しかし、この使者は俺が言う前に例の噂の人物が、俺だと気がついたのか?だとしたら何を理由にあのくだらない噂の真相を知ったんだ?
それより何か不穏な事を言ってなかった??あえて最初の不穏発言を無視する。
「行く……とは、」
「帝国だ」
掴まれた腕をぐいっと引かれて、スポッと抱き込まれる。え、やだ。何で抱き締められてるの!
使者殿はググッと力を入れて背中を丸めたかと思うと、バンと翼を生やした。
「えーーー!」
「掴まっておれ、飛ぶぞ」
「えーーーー!」
またか!また拉致パターンか!
「キノコは飛びませーーん!」
7年前より高速飛行で俺はすぐに目を回した。
「うーん……」
俺はベッドの上で目を覚ました。拉致2回目ともなると、心づもりが出来ているものでも……ないです!嫌だー!
……どうせ来なければならなかったんだから、まあ……子供達がごねる前に来てしまって良かったのかも、しれない。
「待遇は、悪くない……はずだ」
少なくても寝心地の良いベッドだし、服はきれいだ。……やっぱり女性物だけど。部屋もきれいだが、やはり閉じ込めておくための部屋なのだろう。窓には鉄格子がはまっているし、家具は少なく、花瓶などはひとつもない。
「うーーん?」
その時、扉がノックされた。
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