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後日・その他
4 ツンキノと4人の子供達
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賑やかな子供特有の高い声が聞こえなくなると、途端に寂しくなる。しかも4人もいたのだ。
それも、俺に似ている子供達。あんなに小さいのに、平気なのだろうか?俺よりしっかりしている気がする。
怪我とかしないだろうか?完全に俺より丈夫だよな?
ゼードラウンについてセアン達と仲良く出来るだろか?食うとか言ってたよな……。
しなくてもいい、必要のない心配がぽんぽんと浮かび上がり、消えていく。
卵から孵ったばかりとは言え、彼らは龍であり、龍帝だったのだから森のキノコが心配することなど何一つないのだが。
「心配か?子供達が」
人の心を読むように後ろから覗き込まれる。無性にイラッと来てその鼻先に拳の裏で思いっきり殴った。
「仕事する」
こう言う時は仕事に限る。子供達と遊んでいた間に書類は溜まっていたはずだ。
「ルド?」
思いっきり殴ったのに、ちっとも効いていないのか、普通の顔でゼルが付いてくる。腹立たしい!!!
お前も仕事しろっ!!
「ねえ」
「うん……」
メイド達は顔を見合わせた。
バリバリバリバリ!背後に描くならこの音しかない!ってくらい俺は猛烈にたまった書類を書き始める。
「ル、ルド?どうした……」
近寄ってくるゼルの鼻先に書類を押し付ける。
「これ以上はそっちの仕事だ」
「あ、うん」
続き続き!まだまだ書類は山積みだ。
「エドヴァルド様、お茶が入りました」
「ありがとう、置いておいてくれるかな?」
メイドが頼まなくても、お茶を入れてくれる。うん、気が利くなぁ~。お茶を頂いてほっと気分が解れる気がする。何でさっきまであんなにイライラしていたのか、よく分からないな?
溜まっていた書類も減って、今日はスッキリだ。
「俺にもくれるか?」
「はい、ただ今お持ちしますね」
斜め前にある執務机から、ゼルがメイドに声をかけた。
……仕事しよ。それがいい。きっと書類が片付けはスッキリするさ。俺はまたイライラと書類に向き合った。
「ねえ」
「ですよねぇ…?」
メイド達のヒソヒソ話は聞こえない。
「ルド、今日はもう仕事は終わりにしよう」
「もう少しやって行く。先に戻れ」
「今日のお前、変だぞ?」
失礼なやつだ!俺のどこが変だって言うんだ!俺はいつも通りのスーパーキノコだぞ。
「変じゃねーし!仕事しないなら邪魔邪魔!」
しっしっ!執務室からゼルを手先だけで追い払う。あースッキリした!あと少しやったら俺も戻ろう。そして飯をゼルと食べ……いや、今日はここに俺の分だけ持ってきて貰おう。
どうしても気になる書類があるしな!そうしよう。ベルを鳴らしてメイドにそう伝えた。
「絶対、そうでしょ」
「わかりにくいけど、そう!」
メイドのヒソヒソ話はやっぱり聞こえない。
夜も深くなりつつある。城もみな就寝に備える時間だ。夜勤の兵士と日勤の兵士が交代し、明かりが少しづつ落とされて行く。
そろそろ流石にやめないと、メイドに迷惑がかかる。きっと俺が戻らないから夜の支度が出来なくて、待っているに違いない。
戻って風呂に入らないと。今日から子供達はいないから、ゼルと2人だ。あのベッドは2人だと広すぎるが、それに龍の子を4人足すと狭かったな。全員に蹴られた気がする。
「今日から2人……」
いつもの日常に戻っただけなのに、ふとあの時の言葉を思い出す。
頑張ろうな?ルド
ががががんばらないし!な、何も頑張ることなんてないし?!?!普通だし?!いつも通りだし?!
何、意識してるの?!俺?!いや、意識なんてしてないし!普通だし!ていうか今更だし?!俺、何個卵産んだと思ってんの??数えてないし?!両手両足で足りるくらいだし?!いやいやいや?!
「……くそっ」
風に当たろうと窓によると、ピカピカに磨かれたガラスに顔が映る。
「…っ!ああ!もうっ!」
それも、俺に似ている子供達。あんなに小さいのに、平気なのだろうか?俺よりしっかりしている気がする。
怪我とかしないだろうか?完全に俺より丈夫だよな?
ゼードラウンについてセアン達と仲良く出来るだろか?食うとか言ってたよな……。
しなくてもいい、必要のない心配がぽんぽんと浮かび上がり、消えていく。
卵から孵ったばかりとは言え、彼らは龍であり、龍帝だったのだから森のキノコが心配することなど何一つないのだが。
「心配か?子供達が」
人の心を読むように後ろから覗き込まれる。無性にイラッと来てその鼻先に拳の裏で思いっきり殴った。
「仕事する」
こう言う時は仕事に限る。子供達と遊んでいた間に書類は溜まっていたはずだ。
「ルド?」
思いっきり殴ったのに、ちっとも効いていないのか、普通の顔でゼルが付いてくる。腹立たしい!!!
お前も仕事しろっ!!
「ねえ」
「うん……」
メイド達は顔を見合わせた。
バリバリバリバリ!背後に描くならこの音しかない!ってくらい俺は猛烈にたまった書類を書き始める。
「ル、ルド?どうした……」
近寄ってくるゼルの鼻先に書類を押し付ける。
「これ以上はそっちの仕事だ」
「あ、うん」
続き続き!まだまだ書類は山積みだ。
「エドヴァルド様、お茶が入りました」
「ありがとう、置いておいてくれるかな?」
メイドが頼まなくても、お茶を入れてくれる。うん、気が利くなぁ~。お茶を頂いてほっと気分が解れる気がする。何でさっきまであんなにイライラしていたのか、よく分からないな?
溜まっていた書類も減って、今日はスッキリだ。
「俺にもくれるか?」
「はい、ただ今お持ちしますね」
斜め前にある執務机から、ゼルがメイドに声をかけた。
……仕事しよ。それがいい。きっと書類が片付けはスッキリするさ。俺はまたイライラと書類に向き合った。
「ねえ」
「ですよねぇ…?」
メイド達のヒソヒソ話は聞こえない。
「ルド、今日はもう仕事は終わりにしよう」
「もう少しやって行く。先に戻れ」
「今日のお前、変だぞ?」
失礼なやつだ!俺のどこが変だって言うんだ!俺はいつも通りのスーパーキノコだぞ。
「変じゃねーし!仕事しないなら邪魔邪魔!」
しっしっ!執務室からゼルを手先だけで追い払う。あースッキリした!あと少しやったら俺も戻ろう。そして飯をゼルと食べ……いや、今日はここに俺の分だけ持ってきて貰おう。
どうしても気になる書類があるしな!そうしよう。ベルを鳴らしてメイドにそう伝えた。
「絶対、そうでしょ」
「わかりにくいけど、そう!」
メイドのヒソヒソ話はやっぱり聞こえない。
夜も深くなりつつある。城もみな就寝に備える時間だ。夜勤の兵士と日勤の兵士が交代し、明かりが少しづつ落とされて行く。
そろそろ流石にやめないと、メイドに迷惑がかかる。きっと俺が戻らないから夜の支度が出来なくて、待っているに違いない。
戻って風呂に入らないと。今日から子供達はいないから、ゼルと2人だ。あのベッドは2人だと広すぎるが、それに龍の子を4人足すと狭かったな。全員に蹴られた気がする。
「今日から2人……」
いつもの日常に戻っただけなのに、ふとあの時の言葉を思い出す。
頑張ろうな?ルド
ががががんばらないし!な、何も頑張ることなんてないし?!?!普通だし?!いつも通りだし?!
何、意識してるの?!俺?!いや、意識なんてしてないし!普通だし!ていうか今更だし?!俺、何個卵産んだと思ってんの??数えてないし?!両手両足で足りるくらいだし?!いやいやいや?!
「……くそっ」
風に当たろうと窓によると、ピカピカに磨かれたガラスに顔が映る。
「…っ!ああ!もうっ!」
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