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魔のモノ
45 ピンチと人々
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「あっ!坊主!お前、駄目系の奴だ!その玉も駄目だ!満足して部下が昇天しちゃう!」
「あ、はぁ」
サーたんとレウリルさんの大喧嘩はまだ続いていて、色々な建物が破壊されている。騒音が煩く、夜の闇と死を司るダレンマリエル・リッチーさんが俺をしっしっと追い払う。
「ったく!子供はこれだから!笑っただけで弱い死者は払っちまうし、その玉、駄目だよー!死者を癒したら死んじゃうでしょ!」
死んでるから死者なのでは……?俺の玉は「蘇った死者」にも効くらしいが、効きかたが違うようで満足して、昇天してしまうらしい。
なので、死の軍団を率いるダレンマリエルさんに追い払われていたのだ。
「坊主はうちの側来ないでね!」
怒って行ってしまった。なんだかごめんなさい。
「お前、可愛いね!我の卵を産まないか?」
「は?」
「なぁに人間だから、卵が出る時ちょっと裂けて死ぬが、お前可愛いから回復させてやるよ!どうだ?我の卵を100個位産まないか??」
「えっ!い、嫌です!」
「そんな事言わずに、我の卵産もうぜ!お前に入れとけば絶対大きくなるし、子竜も真っ直ぐ育ちそうだ!卵から出ていきなり親を食らいに来るようなヤンチャ者にならなそうだ」
ひえ!今度は全身真っ黒な人に肩組みされて、嫌な提案を受けている。この人の雰囲気、どこかでみたような……あ!イージスだ。
金色の目の虹彩が縦に長くて爬虫類の目だ。
「黒コゲとかげ!ヨっちゃんに触るな!生臭くなるー!!」
「クソとかげは石っころの隙間に挟まってろよ!ヨシュアはまだもふもふするんだよ!」
「ごちゃごちゃうっせーよ!我の保卵機は渡さんぞ!」
「あわわ……」
もうこの際ジュリアスさんでも良いから助けに来てください!俺は物陰に隠れてプルプルするしか無かった。
出来ればレン、お前に助けに来て貰いたいよ……怪我してなきゃ良いな。
「「今ヨシュアに呼ばれた」ッス!」
「だと良いですね」
ピシャリ!レギルの言葉は短く終わった。
今、セーブル家の住人は全員マクドル・ソール公爵の家に引っ越している。ここは地下に帝国直通の転移門があるので、何かと便利だからだ。
「今、マロードの王宮には魔王がおり、その四方に4人の魔族の侯爵がおります」
レギルは集めた情報を基に、地図に書き込む。
「南がサリシュエル・ジェルロンド侯爵。種族はサキュバスで、女性型。彼女が根城にしている街は若い男性は全て徴用されているそうです。
東がリウレル・ガー侯爵。種族は獣魔人。人型と獣形、両方の姿を駆使します。力が強く肉体派が多いそうです。我が帝国に1番近く、1番被害を受けています。
北にダレンマリエル・リッチー侯爵。死を扱うアンデットの軍団を率いているそうです。
西がドランセルニウル・ロウゼット侯爵。竜でも邪竜と呼ばれる種族で、人型にも竜型にもなれるそうです。
そしてヨシュア様を拐ったのは南のサリシュエル・ジェルロンドその人だろうと推測されます」
「サキュバス……ヨ、ヨシュアは色々無事なんだろうか……?!」
ジュールは色々取り乱す。早く早く助け出さないと!サキュバスと言えば淫魔と言われるアレでソレでイヤンな奴だ!
赤くなったり青くなったりするジュールの肩をポンとジュリアスは叩く。
「俺は……例えヨシュアが傷物になっていても、愛する自信がある!」
「ジュリアス殿!ヨ、ヨシュアを!ヨシュアをよろしくお願「落ち着いてくださませ、旦那様」」
笑顔だが笑っていないマリーにピシャリと言われ、ジュールは黙った。
「ヨシュアは無事です。あの子は賢い子供です。母親のわたくしが言うのですから、無事に決まっております。下らない事は後にして、どう助けるかのお話を致しましょう」
「そうよ、マリーの言う通りよ。良い?レンは不意をつかれた、そして魔族だと知らなかったから大怪我をしたわ。でもこちらには聖女が2人もいるのよ、魔族の天敵のね!」
デイジーはキラリと目を光らせた。
「そう!それなのですよ、デイジー様!ルルカ嬢もこちらの本を見てください。神聖魔法が載っています。退魔の魔法らしいのですが、私では良く分からなくて。お2人なら……」
奪うようにデイジーとルルカは本に見入る。
「古い神聖語ですね……読めます」
「力の配分が難しそう」
ぶつぶつと2人で解読をしている。
「材料が必要ね……うう…凄いレア素材っぽいです」
「何がいるんです?帝国にあるものなら良いのですが……」
「ええと……フェニックスの尾羽」
「ピィ?」
「スレイプニルのたてがみ」
「うん?」
「フェンリルの爪」
「ほお?」
「エルダードラゴンの鱗」
「ほい」
「グリフォンの風切羽」
「痛いから一枚で良い?」
「あと、猫の髭」
「ヨシュアのためならーーー」
「あるわね?」「ありましたね!」
「全ての材料と聖女の祈りで「神聖水」を作ります。場所は清らかな水が溢れ出す湧き水や井戸が良いと書かれています」
「庭の池で良いんじゃね?緑の魚の池はすげーきれいな水だろ」
ふむ レギルは頭の中で計算を始める。100万ギルの翡翠鮎のいる池の湧き水が神聖水……。
「この退魔の泉のある場所は魔を寄せ付けないので、王宮に作るのは良いかもしれません」
「決定ですね」
「祈りは10日間、交代でつとめます。帝国全土から、祈り手を集める予定ですが、聖女はいないはずなのでデイジー様とルルカ嬢が中心となります。」
「任せてよ!弟の為なら頑張れるわ!」
「私も孫の為なら!まだ抱っこもしてないのよ!魔族なんかに孫は渡せないわ!」
「わたくしも微力ながら祈らせて頂きますわ」
「そうね!そうしましょう」
「我らもやるぞ」
「そうだな、ジュール。お前たちは体力勝負だぞ」
シュレイに言われて男性陣はきょとんとする。
「え、私達は聖女ではないよ?」
「我ら神獣はお前たちから体力を搾り取って神聖力に変換する。覚悟しろよ、アナベル」
「なぁに死なない程度だ。日に5.6度倒れる事になろうが、大丈夫だぞ?カレル」
「ヨシュアのためならどんどんやって欲しい!」
「レン」
イージスが黒猫を呼んだ。
「お前は特殊な繋がりがジュリアスとの間にある。あいつの力を引き出せ。あの男が鍵になる」
「ど、どうやって……?」
「それは私には分からない。でも何かあるはずだ」
レンはこくんと頷き、まだ痛む体でジュリアスの元に向かった。
「あ、はぁ」
サーたんとレウリルさんの大喧嘩はまだ続いていて、色々な建物が破壊されている。騒音が煩く、夜の闇と死を司るダレンマリエル・リッチーさんが俺をしっしっと追い払う。
「ったく!子供はこれだから!笑っただけで弱い死者は払っちまうし、その玉、駄目だよー!死者を癒したら死んじゃうでしょ!」
死んでるから死者なのでは……?俺の玉は「蘇った死者」にも効くらしいが、効きかたが違うようで満足して、昇天してしまうらしい。
なので、死の軍団を率いるダレンマリエルさんに追い払われていたのだ。
「坊主はうちの側来ないでね!」
怒って行ってしまった。なんだかごめんなさい。
「お前、可愛いね!我の卵を産まないか?」
「は?」
「なぁに人間だから、卵が出る時ちょっと裂けて死ぬが、お前可愛いから回復させてやるよ!どうだ?我の卵を100個位産まないか??」
「えっ!い、嫌です!」
「そんな事言わずに、我の卵産もうぜ!お前に入れとけば絶対大きくなるし、子竜も真っ直ぐ育ちそうだ!卵から出ていきなり親を食らいに来るようなヤンチャ者にならなそうだ」
ひえ!今度は全身真っ黒な人に肩組みされて、嫌な提案を受けている。この人の雰囲気、どこかでみたような……あ!イージスだ。
金色の目の虹彩が縦に長くて爬虫類の目だ。
「黒コゲとかげ!ヨっちゃんに触るな!生臭くなるー!!」
「クソとかげは石っころの隙間に挟まってろよ!ヨシュアはまだもふもふするんだよ!」
「ごちゃごちゃうっせーよ!我の保卵機は渡さんぞ!」
「あわわ……」
もうこの際ジュリアスさんでも良いから助けに来てください!俺は物陰に隠れてプルプルするしか無かった。
出来ればレン、お前に助けに来て貰いたいよ……怪我してなきゃ良いな。
「「今ヨシュアに呼ばれた」ッス!」
「だと良いですね」
ピシャリ!レギルの言葉は短く終わった。
今、セーブル家の住人は全員マクドル・ソール公爵の家に引っ越している。ここは地下に帝国直通の転移門があるので、何かと便利だからだ。
「今、マロードの王宮には魔王がおり、その四方に4人の魔族の侯爵がおります」
レギルは集めた情報を基に、地図に書き込む。
「南がサリシュエル・ジェルロンド侯爵。種族はサキュバスで、女性型。彼女が根城にしている街は若い男性は全て徴用されているそうです。
東がリウレル・ガー侯爵。種族は獣魔人。人型と獣形、両方の姿を駆使します。力が強く肉体派が多いそうです。我が帝国に1番近く、1番被害を受けています。
北にダレンマリエル・リッチー侯爵。死を扱うアンデットの軍団を率いているそうです。
西がドランセルニウル・ロウゼット侯爵。竜でも邪竜と呼ばれる種族で、人型にも竜型にもなれるそうです。
そしてヨシュア様を拐ったのは南のサリシュエル・ジェルロンドその人だろうと推測されます」
「サキュバス……ヨ、ヨシュアは色々無事なんだろうか……?!」
ジュールは色々取り乱す。早く早く助け出さないと!サキュバスと言えば淫魔と言われるアレでソレでイヤンな奴だ!
赤くなったり青くなったりするジュールの肩をポンとジュリアスは叩く。
「俺は……例えヨシュアが傷物になっていても、愛する自信がある!」
「ジュリアス殿!ヨ、ヨシュアを!ヨシュアをよろしくお願「落ち着いてくださませ、旦那様」」
笑顔だが笑っていないマリーにピシャリと言われ、ジュールは黙った。
「ヨシュアは無事です。あの子は賢い子供です。母親のわたくしが言うのですから、無事に決まっております。下らない事は後にして、どう助けるかのお話を致しましょう」
「そうよ、マリーの言う通りよ。良い?レンは不意をつかれた、そして魔族だと知らなかったから大怪我をしたわ。でもこちらには聖女が2人もいるのよ、魔族の天敵のね!」
デイジーはキラリと目を光らせた。
「そう!それなのですよ、デイジー様!ルルカ嬢もこちらの本を見てください。神聖魔法が載っています。退魔の魔法らしいのですが、私では良く分からなくて。お2人なら……」
奪うようにデイジーとルルカは本に見入る。
「古い神聖語ですね……読めます」
「力の配分が難しそう」
ぶつぶつと2人で解読をしている。
「材料が必要ね……うう…凄いレア素材っぽいです」
「何がいるんです?帝国にあるものなら良いのですが……」
「ええと……フェニックスの尾羽」
「ピィ?」
「スレイプニルのたてがみ」
「うん?」
「フェンリルの爪」
「ほお?」
「エルダードラゴンの鱗」
「ほい」
「グリフォンの風切羽」
「痛いから一枚で良い?」
「あと、猫の髭」
「ヨシュアのためならーーー」
「あるわね?」「ありましたね!」
「全ての材料と聖女の祈りで「神聖水」を作ります。場所は清らかな水が溢れ出す湧き水や井戸が良いと書かれています」
「庭の池で良いんじゃね?緑の魚の池はすげーきれいな水だろ」
ふむ レギルは頭の中で計算を始める。100万ギルの翡翠鮎のいる池の湧き水が神聖水……。
「この退魔の泉のある場所は魔を寄せ付けないので、王宮に作るのは良いかもしれません」
「決定ですね」
「祈りは10日間、交代でつとめます。帝国全土から、祈り手を集める予定ですが、聖女はいないはずなのでデイジー様とルルカ嬢が中心となります。」
「任せてよ!弟の為なら頑張れるわ!」
「私も孫の為なら!まだ抱っこもしてないのよ!魔族なんかに孫は渡せないわ!」
「わたくしも微力ながら祈らせて頂きますわ」
「そうね!そうしましょう」
「我らもやるぞ」
「そうだな、ジュール。お前たちは体力勝負だぞ」
シュレイに言われて男性陣はきょとんとする。
「え、私達は聖女ではないよ?」
「我ら神獣はお前たちから体力を搾り取って神聖力に変換する。覚悟しろよ、アナベル」
「なぁに死なない程度だ。日に5.6度倒れる事になろうが、大丈夫だぞ?カレル」
「ヨシュアのためならどんどんやって欲しい!」
「レン」
イージスが黒猫を呼んだ。
「お前は特殊な繋がりがジュリアスとの間にある。あいつの力を引き出せ。あの男が鍵になる」
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