31 / 58
31 反撃ののろしは友人から
しおりを挟む
もやもやとする時間が過ぎる中でも私は学園へ通い、勉強をした。
「ちょっとセラフィーナ! 話があるわ、放課後校舎裏に来なさい」
「嫌です。授業が終わったらすぐ帰ることにしているので無理ですね」
「何ですって! 私のいうことが聞けないの!?」
「聞く義理も意味もありません」
「セラフィーナのくせに生意気よ!」
何度もジュリアナに詰め寄られた。でも先生にいわれた通りいつでも人目の多い所に身を置くようにしていた。
「ちょっとジュリアナさん? セラフィーナがあなたに従う理由なんてないでしょ。今まではお世話になっていた家だからとほんのちょーっとだけ言う事を聞いて上げていたのが分からないの?」
「あ、あんた誰よ!」
「私はイセリア・クラッツェン。家門に疎そうなあなたでも分かりやすくいってあげれば、クラッツェン新聞社は私の家で興した事業よ? 以後お見知りおきを」
「そ、そのクラッツェンが私に何の用よ! 私はセラフィーナと話してるんだけど!」
ジュリアナが高圧的に言ってもイセリア様は鼻で笑った。
「セラフィーナは私のお友達なの。分かりません? 授業中席も隣だし、話も合うわ。そんなお友達に声を荒げる人が近づいてきたら注意の一つもするものでしょう?」
「なっ……生意気……っ」
「あーら? 年上でもあり爵位も上なのに、マナーもなっていない方に言われたくありませんわ」
ジュリアナが私の教室にまでやって来た時は、クラスメイトと……イセリアが表立ってくれた。
「ねえ、皆さんもそう思うでしょう? なんとこちらのジュリアナ・バーグさんは三年生なのよ、怖いわぁ。一年生に戻って勉強をし直した方がよくなくて?」
クラス中に通るいい声でまるで歌劇の主役のように大袈裟に手を振ってイセリアが訴えると、皆の視線はジュリアナに集まった。
「ふふ、本当ね」
「ああ、あれはみっともないな」
「確かに、あれで夜会に出るとなるとバーグ家も大変だな」
「ああはなりたくないわね」
男女問わず、くすくすと好意的ではない笑いがジュリアナに向けられる。流石にここまで露骨だとジュリアナでさえ自分が不利だと気が付いたようだ。
「お、覚えてなさいよ! セラフィーナっ」
「覚えている訳ないじゃない、おほほほ!」
私の代わりにイセリアが笑ってジュリアナを追い返した。マナー的に良い事ではないけれど、クラスの皆の応援も得ている、こういう風に振る舞うのが正解なんだ。今まで大人しくジュリアナに従っていれば丸く収まってやり過ごせると思っていたけれどそうではないと学ばせて貰った気持になった。しかも……スッキリする!
「セラフィーナも今度から言ってあげるといいわよ」
「わかったわ、私もやってみます」
「その意気よ!」
何故か拍手を貰ってしまった……恥ずかしいけれど、これは試してみたい。そして廊下でジュリアナに遭遇した時は、ロザリア様が良く声をかけてくれた。
「セラフィーナ! あなた、私の宿題……」
「あら、ジュリアナさん? まさかとは思うけれど、自らの宿題をセラフィーナさんに押し付けようとしているのではなくって?」
「うっ……ロ、ロザリア……っ」
「宿題は自分で解かねば自分の力にならなくてよ? それに学年が一つ下のセラフィーナさんにというのもおかしな話ね……ああ、セラフィーナさんは優秀だから学年が一つ上のものでも理解して答えを導けるのでしたっけ。出来の悪い従姉を持つとセラフィーナさんも大変ね? 私なら恥ずかしくてそんなこと頼めなどしないけれど……」
「わ、私は……出来が悪い訳じゃ……」
「じゃあ自分でおやりなさいな。誰かに頼るのではなくてね?」
「うっ……」
何度も華麗に撃退してくれた。
「ロザリア様……ありがとうございます」
「いいのよ、これからああいう輩に絡まれた時の対処法を学んでいくと良いわ。これから必要でしょうから」
「……はい、分かりました」
「セラフィーナさんは真面目ですもの。すぐに上手になるわ」
「ありがとうございます」
そういえば、前世では私さえ我慢すれば何とかやり過ごせる、そう思って生きてきた。でもそれは違う、今は違うんだ。やられっぱなしの人生は乗り越えてやるんだ。
「ちょっとセラフィーナ! 話があるわ、放課後校舎裏に来なさい」
「嫌です。授業が終わったらすぐ帰ることにしているので無理ですね」
「何ですって! 私のいうことが聞けないの!?」
「聞く義理も意味もありません」
「セラフィーナのくせに生意気よ!」
何度もジュリアナに詰め寄られた。でも先生にいわれた通りいつでも人目の多い所に身を置くようにしていた。
「ちょっとジュリアナさん? セラフィーナがあなたに従う理由なんてないでしょ。今まではお世話になっていた家だからとほんのちょーっとだけ言う事を聞いて上げていたのが分からないの?」
「あ、あんた誰よ!」
「私はイセリア・クラッツェン。家門に疎そうなあなたでも分かりやすくいってあげれば、クラッツェン新聞社は私の家で興した事業よ? 以後お見知りおきを」
「そ、そのクラッツェンが私に何の用よ! 私はセラフィーナと話してるんだけど!」
ジュリアナが高圧的に言ってもイセリア様は鼻で笑った。
「セラフィーナは私のお友達なの。分かりません? 授業中席も隣だし、話も合うわ。そんなお友達に声を荒げる人が近づいてきたら注意の一つもするものでしょう?」
「なっ……生意気……っ」
「あーら? 年上でもあり爵位も上なのに、マナーもなっていない方に言われたくありませんわ」
ジュリアナが私の教室にまでやって来た時は、クラスメイトと……イセリアが表立ってくれた。
「ねえ、皆さんもそう思うでしょう? なんとこちらのジュリアナ・バーグさんは三年生なのよ、怖いわぁ。一年生に戻って勉強をし直した方がよくなくて?」
クラス中に通るいい声でまるで歌劇の主役のように大袈裟に手を振ってイセリアが訴えると、皆の視線はジュリアナに集まった。
「ふふ、本当ね」
「ああ、あれはみっともないな」
「確かに、あれで夜会に出るとなるとバーグ家も大変だな」
「ああはなりたくないわね」
男女問わず、くすくすと好意的ではない笑いがジュリアナに向けられる。流石にここまで露骨だとジュリアナでさえ自分が不利だと気が付いたようだ。
「お、覚えてなさいよ! セラフィーナっ」
「覚えている訳ないじゃない、おほほほ!」
私の代わりにイセリアが笑ってジュリアナを追い返した。マナー的に良い事ではないけれど、クラスの皆の応援も得ている、こういう風に振る舞うのが正解なんだ。今まで大人しくジュリアナに従っていれば丸く収まってやり過ごせると思っていたけれどそうではないと学ばせて貰った気持になった。しかも……スッキリする!
「セラフィーナも今度から言ってあげるといいわよ」
「わかったわ、私もやってみます」
「その意気よ!」
何故か拍手を貰ってしまった……恥ずかしいけれど、これは試してみたい。そして廊下でジュリアナに遭遇した時は、ロザリア様が良く声をかけてくれた。
「セラフィーナ! あなた、私の宿題……」
「あら、ジュリアナさん? まさかとは思うけれど、自らの宿題をセラフィーナさんに押し付けようとしているのではなくって?」
「うっ……ロ、ロザリア……っ」
「宿題は自分で解かねば自分の力にならなくてよ? それに学年が一つ下のセラフィーナさんにというのもおかしな話ね……ああ、セラフィーナさんは優秀だから学年が一つ上のものでも理解して答えを導けるのでしたっけ。出来の悪い従姉を持つとセラフィーナさんも大変ね? 私なら恥ずかしくてそんなこと頼めなどしないけれど……」
「わ、私は……出来が悪い訳じゃ……」
「じゃあ自分でおやりなさいな。誰かに頼るのではなくてね?」
「うっ……」
何度も華麗に撃退してくれた。
「ロザリア様……ありがとうございます」
「いいのよ、これからああいう輩に絡まれた時の対処法を学んでいくと良いわ。これから必要でしょうから」
「……はい、分かりました」
「セラフィーナさんは真面目ですもの。すぐに上手になるわ」
「ありがとうございます」
そういえば、前世では私さえ我慢すれば何とかやり過ごせる、そう思って生きてきた。でもそれは違う、今は違うんだ。やられっぱなしの人生は乗り越えてやるんだ。
160
あなたにおすすめの小説
はじめまして、私の知らない婚約者様
有木珠乃@『ヒロ弟』コミカライズ配信中
ファンタジー
ミルドレッド・カーマイン公爵令嬢は突然、学園の食堂で話しかけられる。
見覚えのない男性。傍らには豊満な体型の女性がいる。
けれどその女性から発せられた男性の名前には、聞き覚えがあった。
ミルドレッドの婚約者であるブルーノ王子であることを。
けれどミルドレッドの反応は薄い。なぜなら彼女は……。
この世界を乙女ゲームだと知った人々による、悪役令嬢とヒロイン、魔女の入れ替え話です。
悪役令嬢を救いたかったはずなのに、どうしてこんなことに?
※他サイトにも掲載しています。
もうすぐ帰って来る勇者様と私の結婚式が3日後ですが、プロポーズされていないといくら言っても誰も信じてくれません
まつめ
恋愛
3日後に村をあげての盛大な結婚式がある。それはもうすぐやって来る勇者様と自分の結婚式。けれど勇者様は王都の聖女様と結婚すると決まっている。私は聖女様の代わりに癒し手として勇者様を治療してきた、だから見事魔王を打ち破って帰って来た時、村人達は私が本物の聖女だと勘違い。私がいくら否定しても誰も聞いてはくれない。王様との謁見を終えてもうすぐ勇者様が村に帰って来る。私は一度も好きだと言われてないし、ましてや結婚しようとプロポーズも受けていない。村人達はお祭り騒ぎで結婚式の準備は加速していく。どうしようと困っているのに、心の奥底で「もしかしたら……」と大好きな勇者様が自分を選んでくれる未来を淡く期待して流されてしまう私なのだった。どうしよう……でもひょっとして私と結婚してくれる?
もう一度あなたと?
キムラましゅろう
恋愛
アデリオール王国魔法省で魔法書士として
働くわたしに、ある日王命が下った。
かつて魅了に囚われ、婚約破棄を言い渡してきた相手、
ワルター=ブライスと再び婚約を結ぶようにと。
「え?もう一度あなたと?」
国王は王太子に巻き込まれる形で魅了に掛けられた者達への
救済措置のつもりだろうけど、はっきり言って迷惑だ。
だって魅了に掛けられなくても、
あの人はわたしになんて興味はなかったもの。
しかもわたしは聞いてしまった。
とりあえずは王命に従って、頃合いを見て再び婚約解消をすればいいと、彼が仲間と話している所を……。
OK、そう言う事ならこちらにも考えがある。
どうせ再びフラれるとわかっているなら、この状況、利用させてもらいましょう。
完全ご都合主義、ノーリアリティ展開で進行します。
生暖かい目で見ていただけると幸いです。
小説家になろうさんの方でも投稿しています。
好きでした、さようなら
豆狸
恋愛
「……すまない」
初夜の床で、彼は言いました。
「君ではない。私が欲しかった辺境伯令嬢のアンリエット殿は君ではなかったんだ」
悲しげに俯く姿を見て、私の心は二度目の死を迎えたのです。
なろう様でも公開中です。
婚約破棄寸前だった令嬢が殺されかけて眠り姫となり意識を取り戻したら世界が変わっていた話
ひよこ麺
恋愛
シルビア・ベアトリス侯爵令嬢は何もかも完璧なご令嬢だった。婚約者であるリベリオンとの関係を除いては。
リベリオンは公爵家の嫡男で完璧だけれどとても冷たい人だった。それでも彼の幼馴染みで病弱な男爵令嬢のリリアにはとても優しくしていた。
婚約者のシルビアには笑顔ひとつ向けてくれないのに。
どんなに尽くしても努力しても完璧な立ち振る舞いをしても振り返らないリベリオンに疲れてしまったシルビア。その日も舞踏会でエスコートだけしてリリアと居なくなってしまったリベリオンを見ているのが悲しくなりテラスでひとり夜風に当たっていたところ、いきなり何者かに後ろから押されて転落してしまう。
死は免れたが、テラスから転落した際に頭を強く打ったシルビアはそのまま意識を失い、昏睡状態となってしまう。それから3年の月日が流れ、目覚めたシルビアを取り巻く世界は変っていて……
※正常な人があまりいない話です。
悪役令嬢は高らかに笑う。
アズやっこ
恋愛
エドワード第一王子の婚約者に選ばれたのは公爵令嬢の私、シャーロット。
エドワード王子を慕う公爵令嬢からは靴を隠されたり色々地味な嫌がらせをされ、エドワード王子からは男爵令嬢に、なぜ嫌がらせをした!と言われる。
たまたま決まっただけで望んで婚約者になったわけでもないのに。
男爵令嬢に教えてもらった。
この世界は乙女ゲームの世界みたい。
なら、私が乙女ゲームの世界を作ってあげるわ。
❈ 作者独自の世界観です。
❈ ゆるい設定です。(話し方など)
初夜に前世を思い出した悪役令嬢は復讐方法を探します。
豆狸
恋愛
「すまない、間違えたんだ」
「はあ?」
初夜の床で新妻の名前を元カノ、しかも新妻の異母妹、しかも新妻と婚約破棄をする原因となった略奪者の名前と間違えた?
脳に蛆でも湧いてんじゃないですかぁ?
なろう様でも公開中です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる