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48 図々しすぎてびっくり
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「静まれ」
国王陛下の静かな一喝が場に響いた。威厳あるその声はギャンギャン騒ぐジュリアナの口をも閉ざさせる。
「あい分かった。現バーグ伯爵は病気故、本来の職務を果たすことができぬ。その為にバーグ家は当主としてマリアンヌ・バーグを指名する。そしてその補佐も兼ねイアソン・サナセットと婚約をし、然るべきのちに結婚、バーグ家を継ぐ。それでよいな」
「ありがとうございます、国王陛下」
イアソン様が代表として礼を述べ、マリアンヌ、シンシア夫人、執事のジョゼフが深々と頭を下げた。
「なっ……」
「黙れっ!」
抗議の声を上げようとしたバーグ伯爵は衛兵に槍を突き付けられ、口を閉ざす。ジュリアナも同様だ。
「次はこちらで突くぞ」
「ひいっ!」
煌めく切っ先を向けられて青い顔をしている……無礼も過ぎれば殺されたって文句はいえないだろう。二人とも国王陛下の前だってこと、本当に忘れているんだろうか。
「これで……バーグ家は次代に繋がります……」
涙ながらにそう漏らすシンシア様と執事のジョセフ。確かにジュリアナが跡継ぎとなると絶対何かしてはいけないことをしそうだし、現バーグ伯爵ももう貴族の世界でやっていけないと思う。病気として引退してバーグ領の片隅に押し込まれたほうがバーグ家の為になる……シンシア様はとても現実的で冷静な判断をした。
「バ、バーグ伯爵が……失脚……? わ、我が家に融資の話は……?」
「うるさいっそれどころではないっ! シンシアッ私を裏切るか!」
「ジョゼ領を手に入れたら我が家にも見返りを下さるとの話でした故、セラフィーナとの婚約を破棄したのですぞ! 約束を破られては困ります!」
「それどころではないと言っているだろうッ! 黙れ、セネギー子爵ッ」
「なんということだ……それならば婚約破棄などせず、そのままであればジョゼ領はセネギー家の物になったというのに……なんという、なんという!」
「ジョゼ領は私の物だと言っているだろうッ! 貴様になど渡すはずがないッ」
小声で話しているつもりなんだろうけれど、バーグ伯爵とセネギー子爵の言い争いの声が部屋の中に響く。ああ、そんな汚らしい密約も交わしていたなんて信じられない。ちらりとイアソン様を見ると、目が合い首を横に振られた。どうしようもない、手も付けられない愚か者だからねと諦めている……きっと後日でもイアソン様はそんな汚らしい密約の証拠となる文面も提出してくださるに違いない。
「イ、イアソン様……こ、婚約者はこの私ですわよ? 示談金はこの際なかったことにいたしましょ。何もマリアンヌと婚約しなくても私と結婚すればいいじゃないですか!」
ここまでしているのに、ジュリアナはまだイアソン様にしがみ付こうとしている……図々しすぎてびっくりした。
国王陛下の静かな一喝が場に響いた。威厳あるその声はギャンギャン騒ぐジュリアナの口をも閉ざさせる。
「あい分かった。現バーグ伯爵は病気故、本来の職務を果たすことができぬ。その為にバーグ家は当主としてマリアンヌ・バーグを指名する。そしてその補佐も兼ねイアソン・サナセットと婚約をし、然るべきのちに結婚、バーグ家を継ぐ。それでよいな」
「ありがとうございます、国王陛下」
イアソン様が代表として礼を述べ、マリアンヌ、シンシア夫人、執事のジョゼフが深々と頭を下げた。
「なっ……」
「黙れっ!」
抗議の声を上げようとしたバーグ伯爵は衛兵に槍を突き付けられ、口を閉ざす。ジュリアナも同様だ。
「次はこちらで突くぞ」
「ひいっ!」
煌めく切っ先を向けられて青い顔をしている……無礼も過ぎれば殺されたって文句はいえないだろう。二人とも国王陛下の前だってこと、本当に忘れているんだろうか。
「これで……バーグ家は次代に繋がります……」
涙ながらにそう漏らすシンシア様と執事のジョセフ。確かにジュリアナが跡継ぎとなると絶対何かしてはいけないことをしそうだし、現バーグ伯爵ももう貴族の世界でやっていけないと思う。病気として引退してバーグ領の片隅に押し込まれたほうがバーグ家の為になる……シンシア様はとても現実的で冷静な判断をした。
「バ、バーグ伯爵が……失脚……? わ、我が家に融資の話は……?」
「うるさいっそれどころではないっ! シンシアッ私を裏切るか!」
「ジョゼ領を手に入れたら我が家にも見返りを下さるとの話でした故、セラフィーナとの婚約を破棄したのですぞ! 約束を破られては困ります!」
「それどころではないと言っているだろうッ! 黙れ、セネギー子爵ッ」
「なんということだ……それならば婚約破棄などせず、そのままであればジョゼ領はセネギー家の物になったというのに……なんという、なんという!」
「ジョゼ領は私の物だと言っているだろうッ! 貴様になど渡すはずがないッ」
小声で話しているつもりなんだろうけれど、バーグ伯爵とセネギー子爵の言い争いの声が部屋の中に響く。ああ、そんな汚らしい密約も交わしていたなんて信じられない。ちらりとイアソン様を見ると、目が合い首を横に振られた。どうしようもない、手も付けられない愚か者だからねと諦めている……きっと後日でもイアソン様はそんな汚らしい密約の証拠となる文面も提出してくださるに違いない。
「イ、イアソン様……こ、婚約者はこの私ですわよ? 示談金はこの際なかったことにいたしましょ。何もマリアンヌと婚約しなくても私と結婚すればいいじゃないですか!」
ここまでしているのに、ジュリアナはまだイアソン様にしがみ付こうとしている……図々しすぎてびっくりした。
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