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49 あまりに厚かましい
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「ジュリアナお姉様、あまりに厚かましいですわよ。イアソン様が何も言わずにバーグ家の仕事を手伝ってくださったり、貴方が奔放に遊び歩いているのを咎めなかったのは許したわけではないのです、ましてやイアソン様が三男だからバーグ家の地位にしがみ付こうとしているなんてことは一切ないんです」
「マリアンヌ、お黙りッ! あなたは私のいうことを聞いていればいいのよ! さあ、イアソンを私に返してちょうだい。あなたにはライオットがいるじゃない」
確かにジュリアナの言う通り、マリアンヌの婚約者はライオット・パドマ伯爵令息だ。でもそのライオットとジュリアナは学園でベタベタくっ付いている姿をたくさんの人に目撃されている。マリアンヌがライオットを嫌いになる一因の一つなのにそんなことをしれっといえるのは流石だと思う。
「私がライオットについて何も調べていないとお考えのようですね、もう一線を越えていらっしゃるのでしょう? 汚らわしいわ、そんな女性がイアソン様の婚約者なんて許されない話ですわ」
「え……どうしてそのことを」
普通なら絶対にそんなことはないと強く否定しなくちゃいけない所なのに、ジュリアナは認めてしまっている……貴族の娘としてはこれ以上ない失態だろう……でもそれを聞いてもイアソン様もシンシア様も取り乱すことがなかったので、お二人はご存じだったんだろうな。婚前交渉だけでもあり得ないのに、婚約者がいる身で婚約者以外の男性と同衾するなんて……しかも妹の婚約者とだなんて、醜聞過ぎて何も言えない。
「しかもロシュア様とも関係を持ってらっしゃいますよね? どうするおつもりなんですか? 伴侶は一人しか選べませんよ」
「そ、そんなの知らないわよ、私はイアソンと結婚するんだから!」
「それはできませんよ。私とイアソン様との婚約は王命ですもの。お姉様に……いえ、お父様にだって覆せるものではございませんわ」
冷静に小さく笑うマリアンヌ。ああそうだ、バーグ家での発言力でいえばマリアンヌは最下位だし、シンシア様だってそうだ……だからこの場で話題にして国王陛下のお墨付き、王命を貰う事にしたのか。マリアンヌが控え目に国王陛下を見上げると、うっすら笑っていらっしゃった。これは事前に申し出があり、打ち合わせ済みだったんだろうな……陛下もこんな茶番に付き合ってくれるなんてお心が優しい……いや、貴族の醜聞は早目に排除したいだけなのかもしれないけれど。
「イアソンとマリアンヌの婚約は私の指示だ。文句などあるまいな? バーグ伯爵よ。あまりに聞き分けがないようであればバーグ領を没収の上、バーグ家は取り潰しても良いのだが、どうか?」
「ひっ……ご、ご勘弁を……っ! ジュリアナッ黙りなさい!」
「だ、だってお父様、イアソンは私の婚約者なのよ! じゃあ私は誰と結婚すればいいのよ!」
誰と結婚すればいい、か。ジュリアナは相変らず自分のことしか考えていないようだった……。イアソン様にあれだけ迷惑をかけておいてまだ婚約関係を続けていられると思っていたことが怖いけれど。
「ならばそこにいるセネギー子爵の息子と婚約するがよいだろう」
名案とばかりに陛下が口にした……妃殿下は口元を扇で隠しながら笑っている。あぶれた者同士ちょうどいい?
「ご、ご冗談をおやめください! 国王陛下! このような無知でとんでもないアバズレ女を我が家に入れることなど到底容認できません! このような者と婚約をするのであれば平民の娘の方がマシです!」
真っ青な顔でセネギー子爵が抗議する。あらあら……随分と嫌われているのね、ジュリアナは。
「はあ!? 私が平民より劣っているっていいたいの!?」
「当たり前だろう! 国王陛下の前でギャーギャー喚き散らし、食って掛かるなど言語道断! 淑女どころか女の品格もないようなヤツはいらんっ!」
「な、な、なにそれっ! 私はバーグ家の娘よ、れっきとした貴族なんだからッ」
「夫人が匙を投げるような出来損ないではないか!」
「きいいいいいっ」
あまりに醜い言い争いが続くけれど、王妃殿下は扇で隠した下でとても面白そうに笑っている。もしかしてこういうのが見たくてこの場にいらしたのかしら? ちょっと趣味が悪いかなって思うけれど、それくらいジュリアナとセネギー子爵、バーグ伯爵の姿は滑稽だった。
「マリアンヌ、お黙りッ! あなたは私のいうことを聞いていればいいのよ! さあ、イアソンを私に返してちょうだい。あなたにはライオットがいるじゃない」
確かにジュリアナの言う通り、マリアンヌの婚約者はライオット・パドマ伯爵令息だ。でもそのライオットとジュリアナは学園でベタベタくっ付いている姿をたくさんの人に目撃されている。マリアンヌがライオットを嫌いになる一因の一つなのにそんなことをしれっといえるのは流石だと思う。
「私がライオットについて何も調べていないとお考えのようですね、もう一線を越えていらっしゃるのでしょう? 汚らわしいわ、そんな女性がイアソン様の婚約者なんて許されない話ですわ」
「え……どうしてそのことを」
普通なら絶対にそんなことはないと強く否定しなくちゃいけない所なのに、ジュリアナは認めてしまっている……貴族の娘としてはこれ以上ない失態だろう……でもそれを聞いてもイアソン様もシンシア様も取り乱すことがなかったので、お二人はご存じだったんだろうな。婚前交渉だけでもあり得ないのに、婚約者がいる身で婚約者以外の男性と同衾するなんて……しかも妹の婚約者とだなんて、醜聞過ぎて何も言えない。
「しかもロシュア様とも関係を持ってらっしゃいますよね? どうするおつもりなんですか? 伴侶は一人しか選べませんよ」
「そ、そんなの知らないわよ、私はイアソンと結婚するんだから!」
「それはできませんよ。私とイアソン様との婚約は王命ですもの。お姉様に……いえ、お父様にだって覆せるものではございませんわ」
冷静に小さく笑うマリアンヌ。ああそうだ、バーグ家での発言力でいえばマリアンヌは最下位だし、シンシア様だってそうだ……だからこの場で話題にして国王陛下のお墨付き、王命を貰う事にしたのか。マリアンヌが控え目に国王陛下を見上げると、うっすら笑っていらっしゃった。これは事前に申し出があり、打ち合わせ済みだったんだろうな……陛下もこんな茶番に付き合ってくれるなんてお心が優しい……いや、貴族の醜聞は早目に排除したいだけなのかもしれないけれど。
「イアソンとマリアンヌの婚約は私の指示だ。文句などあるまいな? バーグ伯爵よ。あまりに聞き分けがないようであればバーグ領を没収の上、バーグ家は取り潰しても良いのだが、どうか?」
「ひっ……ご、ご勘弁を……っ! ジュリアナッ黙りなさい!」
「だ、だってお父様、イアソンは私の婚約者なのよ! じゃあ私は誰と結婚すればいいのよ!」
誰と結婚すればいい、か。ジュリアナは相変らず自分のことしか考えていないようだった……。イアソン様にあれだけ迷惑をかけておいてまだ婚約関係を続けていられると思っていたことが怖いけれど。
「ならばそこにいるセネギー子爵の息子と婚約するがよいだろう」
名案とばかりに陛下が口にした……妃殿下は口元を扇で隠しながら笑っている。あぶれた者同士ちょうどいい?
「ご、ご冗談をおやめください! 国王陛下! このような無知でとんでもないアバズレ女を我が家に入れることなど到底容認できません! このような者と婚約をするのであれば平民の娘の方がマシです!」
真っ青な顔でセネギー子爵が抗議する。あらあら……随分と嫌われているのね、ジュリアナは。
「はあ!? 私が平民より劣っているっていいたいの!?」
「当たり前だろう! 国王陛下の前でギャーギャー喚き散らし、食って掛かるなど言語道断! 淑女どころか女の品格もないようなヤツはいらんっ!」
「な、な、なにそれっ! 私はバーグ家の娘よ、れっきとした貴族なんだからッ」
「夫人が匙を投げるような出来損ないではないか!」
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