【完結】クリエイト・俺の部屋!巻き込まれ死の俺、便利なチートは役立たず

鏑木 うりこ

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栗原伊織、異世界転生する

18 叔父上という人

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「エルーシャ、戻ったよ」

「兄様!うわーー!お会いしたかったーーー!」

 初めてあった叔父上は、ちょっと可愛い方だった。綺麗な金髪と緑の瞳、そしてお母様そっくりな顔立ち。うん、兄弟だね、と誰が見ても思う容貌をしている。

「ははは、また会えるって言ってただろう?エルーシャは未だに泣き虫なのかい?」

「にぃさまぁーー!」

 ヴェルナルドお母様にしがみついて泣くエルーシャ叔父上に、俺たちはとりあえずことの成り行きを見守る事にした。お母様の実家の人たちは濃そうだ。

「君たちが兄様の子供達!可愛い!とても可愛い!兄様のいい所をいっぱい受け継いだね!偉い!最高!どうする?ウチの跡取りはアザレアでいいよね!」

「いえあの、え?」

 お母様に視線を投げて助けを求める。やれやれと言った感じで肩をすくめている。

「エルーシャはまだ子供みたいな事を言っているんですか?あなただって結婚したでしょう?あなたの奥方はどうしたの?」

「財産持って逃げられましたよ!」

「あらまあ」

「どうせ、私は頼り甲斐のない甘ったれですよおーーー!知ってるでしょ!私は本当はお嫁さんになる予定だったのに、兄上が!出て行っちゃうから~!」

 叔父上、大丈夫かな……?俺とアゼリアは本気で心配になった。

「そのクソ野郎は馬小屋で!」

 お父様の扱いよ。

 俺たちはとりあえずロンドダール侯爵家に身を置く事になった。まだ正式には決まってないけど、ファティアスにはどことからもなく沸いた結界が張られ、精霊達が溢れかえり、病気が治り、神殿は

「うちの子宜しく~~」

 と、適当な神託が下ったらしい。やり過ぎだ!


 次の日少し遅めにメイドに起こされると、お母様はもう仕事をしていたし、お父様は惰眠を貪っていた。この家のお父様の扱いも馬並みだし、まあ良いのかな?
 俺とアゼリアは一度も会ったことがないお爺様とお婆様に挨拶をしに行く。

「良く来た。おお、本当にヴェルナルドに良く似ておる」

「まあ、本当に!ヴェルナルドに神託が下った時には胸が潰れそうでしたが、このような素晴らしい孫を連れて来てくれたとなると、話は別ですねぇ!」

 こっちへ来なさいと言われた思いっきり頭をなでなでされた。忘れてはいけないがこの世界女性がいないから、お婆様もロマンスグレーの素敵なお爺ちゃまなんだぞ。

「アゼリアの方が精悍ね、イセリアは本当に可愛らしい!王に求婚されそうなほど可愛らしいわ」

「あ」

 思わず目を泳がせてしまったら、お爺様とお婆様の目が光って、すうっと辺りが少し薄ら寒くなる。

「ほう?」「へえ?」

「あ、あの!すぐにお母様が失礼させて頂きまして。紹介された王子様達も置き去りに」

「ほほう?」「へぇえ?」

 失言ではないのだ。事実を伝えておこうと思っただけなの。アゼリアがにこやかにしている。流石分かっているなぁ、我が弟は。

「あのボンクラ王のくせに我らが孫に近づこうなどと500年早いことを教えてやらねばならんのう」

「アゼリア、イセリア。近く老人会の顔見せに付き合ってくれるかい?お前たち見たいな若者に会いたい暇な年寄りに付き合ってくれ」

「もちろん構いませんとも」

「流石我が孫じゃ」

 どうやらこの国の重鎮達に引き合わせてくれるらしい。なんか芸をできるようにしておこうかな??

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