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8 ワシ、学園に参上!
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「ほ……」
馬車の中から見る学園がワシが通っていた時より、きれいになっていたし、増設した部分も多く知らない建物もたくさんあった。
「大旦那様……いえ、カレリオ様つきましたよ」
「そうじゃ……ん、そうだな……カレリオはもっと可愛い感じかの?」
「カレリオ様は可愛いながら、少しきつい性格でしたのでそのくらいかと……」
「こりゃ、リドリー。いくら本当の事でも孫の事を悪く言うものではない。それでは今後やっていけんぞ」
「す、すみません!大旦那様!」
「カレリオじゃ!」
「はい……カレリオ様」
高位貴族専用の停車場で降り、顔をあげる。わし、頑張るぞい、カレリオ。そして少しワクワクしていた。何せゲームの舞台に踏み込むのだ、しかも悪役令息として!
「だが上手くやるぞ……内容もそこそこに思い出してきたしな……」
まず、登校するとカレリオは一番最初に殿下を捜し突撃する。殿下も寮暮らしで、神子と一緒に登校してくるのを邪魔するのだ。勿論ワシはそんなことはしない。それに今日は屋敷から来たし。
王太子の婚約者のカレリオは皆から挨拶される側の人間だ。自分から声をかけるのは数人でいい。
「おはようございます、バンドール侯爵令息」
「おはよう」
軽く挨拶を交わす……はて?どこの子息か、令嬢か?
「リドリーすまんが、その辺調べておいてくれ」
「わかりました、カレリオ様」
「か、カレリオ様がお返事を……!?」
ざわりと周囲が揺れた。あーカレリオはそういう偉そう系な態度だったか……いかんな、カレリオ。学園は人脈を育てねばならんのだ。王太子だけではだめなのだぞ。これはカレリオの為にも人脈作りもしておいた方が良いな。
「か、カレリオ様、おはようございます」
「風邪でお休みだったとか。もうお加減はすっかりよろしいのですか?」
カレリオめ、なかなか人気があるではないか。まあ、カレリオは可愛い、とても可愛い。悪役として目を吊り上げていても可愛いのだから、穏やかにしていればもっと可愛い。
「ええ、もう大丈夫です。心配してくれてありがとう」
少しだけ微笑めばもうカレリオの信者は2.3人は増えただろうな!凄いぞ、カレリオ流石ワシの孫じゃ!
「おはようございます、カレリオ様……あっ……」
令嬢の一人が口ごもった。なるほど、学園の入り口に一塊の団体さんが登場したのだ。ふむ、予想通りの取り巻きっぷりだ。
「セブスト様~」「はは、神子殿は」
王太子殿下のセブスト様と、神子のカズハ、そして王太子殿下の護衛、宰相の息子、辺境伯の息子とまあある意味煌びやかな面子がやってきたのだ。早くボロを出してくれればいいのだが、身体強化を使っているとはいえ、ジジイちょっと朝から膝が辛い、ゴキゴキ言うんだぞ。
「……おはようございます、王太子殿下」
目が合ったので、挨拶をした。
「……」
ぷいっと横を向き、無視された。まあいいが、とりあえず記録石は稼働している。ついでに言うと王太子以外の全員にも無視された。まあ記録しているから良い。
「殿下……俺、カレリオ様に睨まれた……怖いです!」
言いがかりもつけられた。そんなイベントあったかなあ?まあいい、無視されたなら仕方がない。こんな学園の道で立ち止まっているのもアホらしい。教室へ向かおう。
「よ、良いのですか!?カレリオ様!」
「あのような物言い、注意すべきでは!?」
んー……スチルで見た事があるような気がするカレリオの取り巻きがやってくる。勿論良いんだよ。
「良いんだ。私と殿下は婚約を解消する予定だからね。仕方がないだろう?人の心とは移ろうものだ。私では殿下の心をつなぎとめて置く事が出来なかった……役不足だったんだろうね」
「かっ!カレリオ様っそのようなこと!」
取り巻き達は慰めてくれたが、それでいいんだ。円満に婚約を解消して、我が家は静かに暮らしていこう。炭鉱絶対ダメ!
そんな様子を神子のカズハはじーッと見ていた。
馬車の中から見る学園がワシが通っていた時より、きれいになっていたし、増設した部分も多く知らない建物もたくさんあった。
「大旦那様……いえ、カレリオ様つきましたよ」
「そうじゃ……ん、そうだな……カレリオはもっと可愛い感じかの?」
「カレリオ様は可愛いながら、少しきつい性格でしたのでそのくらいかと……」
「こりゃ、リドリー。いくら本当の事でも孫の事を悪く言うものではない。それでは今後やっていけんぞ」
「す、すみません!大旦那様!」
「カレリオじゃ!」
「はい……カレリオ様」
高位貴族専用の停車場で降り、顔をあげる。わし、頑張るぞい、カレリオ。そして少しワクワクしていた。何せゲームの舞台に踏み込むのだ、しかも悪役令息として!
「だが上手くやるぞ……内容もそこそこに思い出してきたしな……」
まず、登校するとカレリオは一番最初に殿下を捜し突撃する。殿下も寮暮らしで、神子と一緒に登校してくるのを邪魔するのだ。勿論ワシはそんなことはしない。それに今日は屋敷から来たし。
王太子の婚約者のカレリオは皆から挨拶される側の人間だ。自分から声をかけるのは数人でいい。
「おはようございます、バンドール侯爵令息」
「おはよう」
軽く挨拶を交わす……はて?どこの子息か、令嬢か?
「リドリーすまんが、その辺調べておいてくれ」
「わかりました、カレリオ様」
「か、カレリオ様がお返事を……!?」
ざわりと周囲が揺れた。あーカレリオはそういう偉そう系な態度だったか……いかんな、カレリオ。学園は人脈を育てねばならんのだ。王太子だけではだめなのだぞ。これはカレリオの為にも人脈作りもしておいた方が良いな。
「か、カレリオ様、おはようございます」
「風邪でお休みだったとか。もうお加減はすっかりよろしいのですか?」
カレリオめ、なかなか人気があるではないか。まあ、カレリオは可愛い、とても可愛い。悪役として目を吊り上げていても可愛いのだから、穏やかにしていればもっと可愛い。
「ええ、もう大丈夫です。心配してくれてありがとう」
少しだけ微笑めばもうカレリオの信者は2.3人は増えただろうな!凄いぞ、カレリオ流石ワシの孫じゃ!
「おはようございます、カレリオ様……あっ……」
令嬢の一人が口ごもった。なるほど、学園の入り口に一塊の団体さんが登場したのだ。ふむ、予想通りの取り巻きっぷりだ。
「セブスト様~」「はは、神子殿は」
王太子殿下のセブスト様と、神子のカズハ、そして王太子殿下の護衛、宰相の息子、辺境伯の息子とまあある意味煌びやかな面子がやってきたのだ。早くボロを出してくれればいいのだが、身体強化を使っているとはいえ、ジジイちょっと朝から膝が辛い、ゴキゴキ言うんだぞ。
「……おはようございます、王太子殿下」
目が合ったので、挨拶をした。
「……」
ぷいっと横を向き、無視された。まあいいが、とりあえず記録石は稼働している。ついでに言うと王太子以外の全員にも無視された。まあ記録しているから良い。
「殿下……俺、カレリオ様に睨まれた……怖いです!」
言いがかりもつけられた。そんなイベントあったかなあ?まあいい、無視されたなら仕方がない。こんな学園の道で立ち止まっているのもアホらしい。教室へ向かおう。
「よ、良いのですか!?カレリオ様!」
「あのような物言い、注意すべきでは!?」
んー……スチルで見た事があるような気がするカレリオの取り巻きがやってくる。勿論良いんだよ。
「良いんだ。私と殿下は婚約を解消する予定だからね。仕方がないだろう?人の心とは移ろうものだ。私では殿下の心をつなぎとめて置く事が出来なかった……役不足だったんだろうね」
「かっ!カレリオ様っそのようなこと!」
取り巻き達は慰めてくれたが、それでいいんだ。円満に婚約を解消して、我が家は静かに暮らしていこう。炭鉱絶対ダメ!
そんな様子を神子のカズハはじーッと見ていた。
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