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13 ワシ、宰相の息子とバチる
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「湿布臭いカレリオ様……ププっ!」
「リドリー、それは減給だ」
「ひえ!」
ワシがボロを出さぬようになるべくカレリオの姿で寮で過ごしておるのに!
「夕飯はどうしたしますか?」
「ランチがまだ腹に残っておる……食えぬ……」
「ですよねー!はい、胃薬です。お湯をもらって来ますね」
「助かるぞい……」
姿変えで見た目は孫だが中身は70代のダグラスなんだからなーー。
「所で、目が霞むんだが眼鏡はあるかのう……」
「ご用意しておきますね」
「カレリオ様が神子に呼び止められ、激しくなじられた後、気を失ったらしい。真っ青な護衛が、大切に抱えて寮に戻られた。夕食も口にすることすら出来ず、護衛は薬を用意している」
よく分からない噂が寮内で広がってしまっていた。まあ、ワシに不都合がないし、否定も面倒だから放っておこう。薬は胸焼けの薬なんじゃが、まあ良いじゃろ。
まだまだ神子とは殿下の失言を集めねばならないからな。
「い、痛い……」
「頑張って!朝からボロボロってどういう事ですか!土日まであともう少しですよ!」
「ベッドが体に合わんのじゃ……朝起きると腰が痛いんじゃ……」
「新しいベッドを発注しておきますね」
「頼んだ……」
朝から青い顔でリドリーに支えられて学園に向かう。なんで5日も連続で授業があるのだ?2日行って1日休んで2日くらいにしてくれんかのう……。
よろよろ……いやわかっている、はっきり言ってよぼよぼと学園に向かうと門の前に仁王立ちしている、煌びやかな三年生が一人。
「ねこ☆てん」攻略対象者の一人、サディーア・ゼフ公爵令息、現宰相の息子が、眼鏡をギラリと光らせていた。
「カレリオ、何故昨日生徒会に来なかった。お前が来ないから仕事が滞った。良いのか?殿下にこれ以上嫌われても?婚約を破棄されてしまうぞ?」
上から目線で吐き捨てるように言われた。はっきり言うが何故お前にそんな事を言われなければならんのだ!青二才が!
実際、カレリオは生徒会メンバーではない。ゲームのカレリオは殿下のそばに居たくて無理矢理生徒会へ出入りしていた。
しかしこの世界のカレリオはやはり生徒会に出入りはしていたが、このサディーアに良いように使われていたのだ。
「殿下の仕事を陰ながら手伝えばよろしいでしょう。いつか殿下もカレリオに感謝して下さいますよ」
と。手引きする者がいなければ生徒会に入り込むことなんてできる訳がないんだから。
「……行動を改めたまでです。生徒会の役員でもない私が出入りしていては生徒に示しがつかないでしょう?」
神子カズハなどひとめを憚らず出入りしてるけどな?色々な生徒から苦情があがっとるじゃろ?揉み消しているようじゃがの?
ワシの正し過ぎる意見に少し怯んだようだが、サディーアは意気揚々と伝家の宝刀を振り翳す。
「良いのか?セブスト殿下に嫌われても?」
ああ、もうその刀はワシには何の力も発揮せんぞ?
「もう遅い事は私が一番分かっておりますから」
あー腰がいてぇ。リドリー!掴まらせて!大体の何で皆立ち話すんだよ、座らせろよ、しかし座っても腰が痛いのは痛いな……くそめ!
ぎゅっとリドリーの袖を掴んだ。リドリーは気を利かせて腰を支えてくれる。いいぞ!プラス査定だ!
「え?い、良いのかカレリオ。殿下に婚約破棄……」
「通してくださいますか」
うおおおおーー腰ぃーー!保て!ワシの腰ぃーー!あー膝もぉーー!うおーー!
「ゼフ公爵令息、お通し願います。これ以上カレリオ様に無茶を押し付けられませぬよう」
「……ありがとう、リドリー」
支えられ、サディーアの横を通り過ぎる。流石にそれ以上追求はされなかったが
「無理だ……救護室に頼む……!」
「そうしましょう」
腰が痛すぎて、脂汗が出てきたぞ……。今日は授業は諦めよう!
「酷い……カレリオ様の青ざめた顔……」
「あんなになるまで、ゼフ公爵令息は何を仰ったのか……」
「殿下と懇意にしておられる方だから……」
ひそひそ、ひそひそ。周りから非難の目を向けられサディーアは足早にその場を去るしかなかった。
「な、なんなのだ。あのカレリオは!いつも殿下の為といえばかなり無理をして仕事をしたのに!」
「リドリー、それは減給だ」
「ひえ!」
ワシがボロを出さぬようになるべくカレリオの姿で寮で過ごしておるのに!
「夕飯はどうしたしますか?」
「ランチがまだ腹に残っておる……食えぬ……」
「ですよねー!はい、胃薬です。お湯をもらって来ますね」
「助かるぞい……」
姿変えで見た目は孫だが中身は70代のダグラスなんだからなーー。
「所で、目が霞むんだが眼鏡はあるかのう……」
「ご用意しておきますね」
「カレリオ様が神子に呼び止められ、激しくなじられた後、気を失ったらしい。真っ青な護衛が、大切に抱えて寮に戻られた。夕食も口にすることすら出来ず、護衛は薬を用意している」
よく分からない噂が寮内で広がってしまっていた。まあ、ワシに不都合がないし、否定も面倒だから放っておこう。薬は胸焼けの薬なんじゃが、まあ良いじゃろ。
まだまだ神子とは殿下の失言を集めねばならないからな。
「い、痛い……」
「頑張って!朝からボロボロってどういう事ですか!土日まであともう少しですよ!」
「ベッドが体に合わんのじゃ……朝起きると腰が痛いんじゃ……」
「新しいベッドを発注しておきますね」
「頼んだ……」
朝から青い顔でリドリーに支えられて学園に向かう。なんで5日も連続で授業があるのだ?2日行って1日休んで2日くらいにしてくれんかのう……。
よろよろ……いやわかっている、はっきり言ってよぼよぼと学園に向かうと門の前に仁王立ちしている、煌びやかな三年生が一人。
「ねこ☆てん」攻略対象者の一人、サディーア・ゼフ公爵令息、現宰相の息子が、眼鏡をギラリと光らせていた。
「カレリオ、何故昨日生徒会に来なかった。お前が来ないから仕事が滞った。良いのか?殿下にこれ以上嫌われても?婚約を破棄されてしまうぞ?」
上から目線で吐き捨てるように言われた。はっきり言うが何故お前にそんな事を言われなければならんのだ!青二才が!
実際、カレリオは生徒会メンバーではない。ゲームのカレリオは殿下のそばに居たくて無理矢理生徒会へ出入りしていた。
しかしこの世界のカレリオはやはり生徒会に出入りはしていたが、このサディーアに良いように使われていたのだ。
「殿下の仕事を陰ながら手伝えばよろしいでしょう。いつか殿下もカレリオに感謝して下さいますよ」
と。手引きする者がいなければ生徒会に入り込むことなんてできる訳がないんだから。
「……行動を改めたまでです。生徒会の役員でもない私が出入りしていては生徒に示しがつかないでしょう?」
神子カズハなどひとめを憚らず出入りしてるけどな?色々な生徒から苦情があがっとるじゃろ?揉み消しているようじゃがの?
ワシの正し過ぎる意見に少し怯んだようだが、サディーアは意気揚々と伝家の宝刀を振り翳す。
「良いのか?セブスト殿下に嫌われても?」
ああ、もうその刀はワシには何の力も発揮せんぞ?
「もう遅い事は私が一番分かっておりますから」
あー腰がいてぇ。リドリー!掴まらせて!大体の何で皆立ち話すんだよ、座らせろよ、しかし座っても腰が痛いのは痛いな……くそめ!
ぎゅっとリドリーの袖を掴んだ。リドリーは気を利かせて腰を支えてくれる。いいぞ!プラス査定だ!
「え?い、良いのかカレリオ。殿下に婚約破棄……」
「通してくださいますか」
うおおおおーー腰ぃーー!保て!ワシの腰ぃーー!あー膝もぉーー!うおーー!
「ゼフ公爵令息、お通し願います。これ以上カレリオ様に無茶を押し付けられませぬよう」
「……ありがとう、リドリー」
支えられ、サディーアの横を通り過ぎる。流石にそれ以上追求はされなかったが
「無理だ……救護室に頼む……!」
「そうしましょう」
腰が痛すぎて、脂汗が出てきたぞ……。今日は授業は諦めよう!
「酷い……カレリオ様の青ざめた顔……」
「あんなになるまで、ゼフ公爵令息は何を仰ったのか……」
「殿下と懇意にしておられる方だから……」
ひそひそ、ひそひそ。周りから非難の目を向けられサディーアは足早にその場を去るしかなかった。
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