令嬢は至極真面目にレベルアップで解決無双!貧乏も婚約破棄もレベルに全てお任せです!

鏑木 うりこ

文字の大きさ
6 / 41

6 そういうのはレベルアップとは言わないわ

しおりを挟む
 その後私達は数人の女生徒をクラウスさんを通して紹介してパートナー作りに協力したり

「マ、マリー!素敵なドレス!!どうしたの?買ったの!?」

「違うのよ。これはね……」

 裂けた所を別布で切り替えて刺繍を入れた若草色のドレスの事を話したり

「……それに比べて私のドレスは安物ね……」

「でも流行の形だわ。ねえ、少しレースとフリルを足してみない?きっと可愛いわ」

 イザベラのドレスを手直ししたりしてパーティ当日を迎えた。入口で待ち合わせ、という事でイザベラと仲良く並んでいくとクラウスさんとハリウスさんらしき人が立って待っていてくれた。

「初めてお目にかかります、マリー嬢、イザベラ嬢。ハリウス・セイルと申します」

「初めまして」

 私達は型通りの挨拶を交わし……クラウスさんはイザベラの手を取ったわ……あれ?私じゃないの??ハリウスさんが申し訳なさそうに私に声をかけて手を差し伸べてくれる。

「ごめんね、マリー嬢。今日のパートナーは私で良いかな?クラウスの奴、イザベラ嬢を気に入っちゃって」

「あら、そうだったんですか」

 イザベラも楽しそうにしているから何の問題もないわね。でも事前に言ってくれてもいいと思うわ?

「ふふ、君はレベルアップが好きなんだってね?パートナーも子爵から伯爵令息にレベルアップしたって事で」

「嫌ですわ、ハリウスさんったら。私は友人の事をそんな風に思う女だとお思いなのかしら?」

 なんだか失礼しちゃうわねえ!ちょっと嫌味を言ったらハリウスさんは少し笑ってから謝罪してくれた。

「申し訳ない事を言ったね、マリー嬢。ちょっと友人を女性に取られて意地悪になった哀れな男がいたと許して欲しい」

「許しますわ、私もレベルアップするいい女ですもの!」

 ハリウスさんは会話が楽しいいいひとで、とても楽しいパーティを過ごさせてもらった。そして私は知らなかったのだけれども、どうも私達はかなり目立っていたらしい。元々美人のイザベラが手を加えて華やかなドレス。話が合うようでいつも澄ましたイザベラがクラウスさんと微笑んで談笑している姿は男子たちの目に焼き付いたし、私はやはりドレス。最新の形と最高級の布地を使った軽やかなもので。新入生歓迎パーティ用としては高価すぎるとみる人が見ればわかるお品だったらしい。

「なんであんな子爵の娘が……!」

 そしてパートナーが伯爵令息だったのもいけなかったらしい。

「子爵の娘の癖にハリウス様と!!」

 これも知らなかったけれど、ハリウスさんはかなり人気のある男性だったらしくて一部の女子達から嫉妬が籠った視線を向けられていたみたいでした。

しおりを挟む
感想 6

あなたにおすすめの小説

三歳で婚約破棄された貧乏伯爵家の三男坊そのショックで現世の記憶が蘇る

マメシバ
ファンタジー
貧乏伯爵家の三男坊のアラン令息 三歳で婚約破棄され そのショックで前世の記憶が蘇る 前世でも貧乏だったのなんの問題なし なによりも魔法の世界 ワクワクが止まらない三歳児の 波瀾万丈

幼女はリペア(修復魔法)で無双……しない

しろこねこ
ファンタジー
田舎の小さな村・セデル村に生まれた貧乏貴族のリナ5歳はある日魔法にめざめる。それは貧乏村にとって最強の魔法、リペア、修復の魔法だった。ちょっと説明がつかないでたらめチートな魔法でリナは覇王を目指……さない。だって平凡が1番だもん。騙され上手な父ヘンリーと脳筋な兄カイル、スーパー執事のゴフじいさんと乙女なおかんマール婆さんとの平和で凹凸な日々の話。

【完結】物置小屋の魔法使いの娘~父の再婚相手と義妹に家を追い出され、婚約者には捨てられた。でも、私は……

buchi
恋愛
大公爵家の父が再婚して新しくやって来たのは、義母と義妹。当たり前のようにダーナの部屋を取り上げ、義妹のマチルダのものに。そして社交界への出入りを禁止し、館の隣の物置小屋に移動するよう命じた。ダーナは亡くなった母の血を受け継いで魔法が使えた。これまでは使う必要がなかった。だけど、汚い小屋に閉じ込められた時は、使用人がいるので自粛していた魔法力を存分に使った。魔法力のことは、母と母と同じ国から嫁いできた王妃様だけが知る秘密だった。 みすぼらしい物置小屋はパラダイスに。だけど、ある晩、王太子殿下のフィルがダーナを心配になってやって来て……

【完結】小さな元大賢者の幸せ騎士団大作戦〜ひとりは寂しいからみんなで幸せ目指します〜

るあか
ファンタジー
 僕はフィル・ガーネット5歳。田舎のガーネット領の領主の息子だ。  でも、ただの5歳児ではない。前世は別の世界で“大賢者”という称号を持つ大魔道士。そのまた前世は日本という島国で“独身貴族”の称号を持つ者だった。  どちらも決して不自由な生活ではなかったのだが、特に大賢者はその力が強すぎたために側に寄る者は誰もおらず、寂しく孤独死をした。  そんな僕はメイドのレベッカと近所の森を散歩中に“根無し草の鬼族のおじさん”を拾う。彼との出会いをきっかけに、ガーネット領にはなかった“騎士団”の結成を目指す事に。  家族や領民のみんなで幸せになる事を夢見て、元大賢者の5歳の僕の幸せ騎士団大作戦が幕を開ける。

転生してモブだったから安心してたら最恐王太子に溺愛されました。

琥珀
恋愛
ある日突然小説の世界に転生した事に気づいた主人公、スレイ。 ただのモブだと安心しきって人生を満喫しようとしたら…最恐の王太子が離してくれません!! スレイの兄は重度のシスコンで、スレイに執着するルルドは兄の友人でもあり、王太子でもある。 ヒロインを取り合う筈の物語が何故かモブの私がヒロインポジに!? 氷の様に無表情で周囲に怖がられている王太子ルルドと親しくなってきた時、小説の物語の中である事件が起こる事を思い出す。ルルドの為に必死にフラグを折りに行く主人公スレイ。 このお話は目立ちたくないモブがヒロインになるまでの物語ーーーー。

一級魔法使いになれなかったので特級厨師になりました

しおしお
恋愛
魔法学院次席卒業のシャーリー・ドットは、 「一級魔法使いになれなかった」という理由だけで婚約破棄された。 ――だが本当の理由は、ただの“うっかり”。 試験会場を間違え、隣の建物で行われていた 特級厨師試験に合格してしまったのだ。 気づけばシャーリーは、王宮からスカウトされるほどの “超一流料理人”となり、国王の胃袋をがっちり掴む存在に。 一方、学院首席で一級魔法使いとなった ナターシャ・キンスキーは、大活躍しているはずなのに―― 「なんで料理で一番になってるのよ!?  あの女、魔法より料理の方が強くない!?」 すれ違い、逃げ回り、勘違いし続けるナターシャと、 天然すぎて誤解が絶えないシャーリー。 そんな二人が、魔王軍の襲撃、国家危機、王宮騒動を通じて、 少しずつ距離を縮めていく。 魔法で国を守る最強魔術師。 料理で国を救う特級厨師。 ――これは、“敵でもライバルでもない二人”が、 ようやく互いを認め、本当の友情を築いていく物語。 すれ違いコメディ×料理魔法×ダブルヒロイン友情譚! 笑って、癒されて、最後は心が温かくなる王宮ラノベ、開幕です。

悪役令息の継母に転生したからには、息子を悪役になんてさせません!

水都(みなと)
ファンタジー
伯爵夫人であるロゼッタ・シルヴァリーは夫の死後、ここが前世で読んでいたラノベの世界だと気づく。 ロゼッタはラノベで悪役令息だったリゼルの継母だ。金と地位が目当てで結婚したロゼッタは、夫の連れ子であるリゼルに無関心だった。 しかし、前世ではリゼルは推しキャラ。リゼルが断罪されると思い出したロゼッタは、リゼルが悪役令息にならないよう母として奮闘していく。 ★ファンタジー小説大賞エントリー中です。 ※完結しました!

転生したらただの女の子、かと思ったら最強の魔物使いだったらしいです〜しゃべるうさぎと始める異世界魔物使いファンタジー〜

上村 俊貴
ファンタジー
【あらすじ】  普通に事務職で働いていた成人男性の如月真也(きさらぎしんや)は、ある朝目覚めたら異世界だった上に女になっていた。一緒に牢屋に閉じ込められていた謎のしゃべるうさぎと協力して脱出した真也改めマヤは、冒険者となって異世界を暮らしていくこととなる。帰る方法もわからないし特別帰りたいわけでもないマヤは、しゃべるうさぎ改めマッシュのさらわれた家族を救出すること当面の目標に、冒険を始めるのだった。 (しばらく本人も周りも気が付きませんが、実は最強の魔物使い(本人の戦闘力自体はほぼゼロ)だったことに気がついて、魔物たちと一緒に色々無双していきます) 【キャラクター】 マヤ ・主人公(元は如月真也という名前の男) ・銀髪翠眼の少女 ・魔物使い マッシュ ・しゃべるうさぎ ・もふもふ ・高位の魔物らしい オリガ ・ダークエルフ ・黒髪金眼で褐色肌 ・魔力と魔法がすごい 【作者から】 毎日投稿を目指してがんばります。 わかりやすく面白くを心がけるのでぼーっと読みたい人にはおすすめかも? それでは気が向いた時にでもお付き合いください〜。

処理中です...