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6 そういうのはレベルアップとは言わないわ

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 その後私達は数人の女生徒をクラウスさんを通して紹介してパートナー作りに協力したり

「マ、マリー!素敵なドレス!!どうしたの?買ったの!?」

「違うのよ。これはね……」

 裂けた所を別布で切り替えて刺繍を入れた若草色のドレスの事を話したり

「……それに比べて私のドレスは安物ね……」

「でも流行の形だわ。ねえ、少しレースとフリルを足してみない?きっと可愛いわ」

 イザベラのドレスを手直ししたりしてパーティ当日を迎えた。入口で待ち合わせ、という事でイザベラと仲良く並んでいくとクラウスさんとハリウスさんらしき人が立って待っていてくれた。

「初めてお目にかかります、マリー嬢、イザベラ嬢。ハリウス・セイルと申します」

「初めまして」

 私達は型通りの挨拶を交わし……クラウスさんはイザベラの手を取ったわ……あれ?私じゃないの??ハリウスさんが申し訳なさそうに私に声をかけて手を差し伸べてくれる。

「ごめんね、マリー嬢。今日のパートナーは私で良いかな?クラウスの奴、イザベラ嬢を気に入っちゃって」

「あら、そうだったんですか」

 イザベラも楽しそうにしているから何の問題もないわね。でも事前に言ってくれてもいいと思うわ?

「ふふ、君はレベルアップが好きなんだってね?パートナーも子爵から伯爵令息にレベルアップしたって事で」

「嫌ですわ、ハリウスさんったら。私は友人の事をそんな風に思う女だとお思いなのかしら?」

 なんだか失礼しちゃうわねえ!ちょっと嫌味を言ったらハリウスさんは少し笑ってから謝罪してくれた。

「申し訳ない事を言ったね、マリー嬢。ちょっと友人を女性に取られて意地悪になった哀れな男がいたと許して欲しい」

「許しますわ、私もレベルアップするいい女ですもの!」

 ハリウスさんは会話が楽しいいいひとで、とても楽しいパーティを過ごさせてもらった。そして私は知らなかったのだけれども、どうも私達はかなり目立っていたらしい。元々美人のイザベラが手を加えて華やかなドレス。話が合うようでいつも澄ましたイザベラがクラウスさんと微笑んで談笑している姿は男子たちの目に焼き付いたし、私はやはりドレス。最新の形と最高級の布地を使った軽やかなもので。新入生歓迎パーティ用としては高価すぎるとみる人が見ればわかるお品だったらしい。

「なんであんな子爵の娘が……!」

 そしてパートナーが伯爵令息だったのもいけなかったらしい。

「子爵の娘の癖にハリウス様と!!」

 これも知らなかったけれど、ハリウスさんはかなり人気のある男性だったらしくて一部の女子達から嫉妬が籠った視線を向けられていたみたいでした。

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