21 / 41
21 自分の為ですよ?
しおりを挟む
さて、私の初級ボーションですが、何故か知らないけれど無色透明のお水みたいになってしまった。でも飲めばなんか美味しい。うっすらと甘みがあってそれでいてすっきりしている。眠い時に飲めば眠気も取れるし、疲れた時に飲めば元気にもなるから、薬効成分はしっかりあるはず。
「……と、とりあえず。初級は置いておいて中級ポーションに取り掛かってみては?」
「あ、はい」
薬学科の教授に何故こうなるか聞いても分からなかった……。まあ美味しいし回復するならポーションとして問題ないでしょう!うん。中級は混ぜる薬草も増えるし、配合する物も増えるから手間もかかるし、材料費もかかる……。
「……アルバイトかしら……?」
私の実家は田舎の子爵家。一応貴族席は頂いていても都会の商家よりつつましい生活をしている貧乏貴族なので、実家を頼る事なんて出来ません。それに友人たちのご厚意に甘え続けてはこの先のレベルアップは辛いものがあります。そう、自分で何とかしなければいけないのです!
「一番使うのは薬草ですよね……そうだ!農家へ行こう!」
これです!現地に直接いけば材料は安く買えると言う物。しかもいわゆる商品にならない半端ものなどもたくさんあるはず。そうとなれば……。
「まずはマダムのお店に行って暫く来れない事を伝えなくては……それから農業科の教授に相談したらいいかしら?」
思ったら即行動。私はその日の学園終わりにマダムの店へ行き、事細かに伝えると
「マリーは勤勉ね……また冬……薬草が取れない時期には来てくれるわよね?あと、忙しい時期と……」
「勿論です!私はまだまだレベル不足ですからここで修業したいです!」
そう言うとマダムもにっこり笑って応援してくれた。次の日に農業科の教授の所へ行ってみると薬学科の教授もいて話が早かった。
「この子だよ!馬鹿みたいに初級ポーション作りまくって、レベルアップとか言いながら透明な奴を完成させた天才は!」
「いや、話を聞けばこの子は天才ではなく、呆れるほどの努力家だ。努力の天才であるという点であれば間違いないぞ。して私に何か用かね?」
天才?私は幸せを追い求める普通の生徒ですが、まあ目的は薬草農家を紹介してもらう事ですしね。お二人の教授に薬草農家でお手伝いをしたいと話すと二人とも飲んでいたお茶を吹き出してしまったので、とても汚いです。
「マ、マリーだったね。君は一体どこまで行きたいんだ……!?」
「行きたい場所などありませんが、私は幸せになる為にレベルアップしているだけなんです」
「幸せの為のレベルアップ……すると君は自分自身為にこれほど努力を積み重ねているのかい?」
努力……なんでしょうか?大したことないとおもうのですが、お二人の尺度で私は相当な努力家らしいです。
「あ、はあ……まあ自分の為ではありますね」
ポーションに関しては帰ってからの事もありますし、でも自領の為と考えれば自分の為になるでしょう。とにかくお二人の教授は良い農家さんを紹介してくれるとのことでしたので、とても助かります。
「あ、あの透明な初級ポーションですが、沸かしてあれでお茶を淹れると美味しいですよ」
と、10本くらい置いてくると「まじかぁ……」と頭を抱えていらっしゃったので、不思議でした。だってたくさんあるんですから、ガブガブ飲まないと部屋がポーションで埋め尽くされてしまいます。
「……と、とりあえず。初級は置いておいて中級ポーションに取り掛かってみては?」
「あ、はい」
薬学科の教授に何故こうなるか聞いても分からなかった……。まあ美味しいし回復するならポーションとして問題ないでしょう!うん。中級は混ぜる薬草も増えるし、配合する物も増えるから手間もかかるし、材料費もかかる……。
「……アルバイトかしら……?」
私の実家は田舎の子爵家。一応貴族席は頂いていても都会の商家よりつつましい生活をしている貧乏貴族なので、実家を頼る事なんて出来ません。それに友人たちのご厚意に甘え続けてはこの先のレベルアップは辛いものがあります。そう、自分で何とかしなければいけないのです!
「一番使うのは薬草ですよね……そうだ!農家へ行こう!」
これです!現地に直接いけば材料は安く買えると言う物。しかもいわゆる商品にならない半端ものなどもたくさんあるはず。そうとなれば……。
「まずはマダムのお店に行って暫く来れない事を伝えなくては……それから農業科の教授に相談したらいいかしら?」
思ったら即行動。私はその日の学園終わりにマダムの店へ行き、事細かに伝えると
「マリーは勤勉ね……また冬……薬草が取れない時期には来てくれるわよね?あと、忙しい時期と……」
「勿論です!私はまだまだレベル不足ですからここで修業したいです!」
そう言うとマダムもにっこり笑って応援してくれた。次の日に農業科の教授の所へ行ってみると薬学科の教授もいて話が早かった。
「この子だよ!馬鹿みたいに初級ポーション作りまくって、レベルアップとか言いながら透明な奴を完成させた天才は!」
「いや、話を聞けばこの子は天才ではなく、呆れるほどの努力家だ。努力の天才であるという点であれば間違いないぞ。して私に何か用かね?」
天才?私は幸せを追い求める普通の生徒ですが、まあ目的は薬草農家を紹介してもらう事ですしね。お二人の教授に薬草農家でお手伝いをしたいと話すと二人とも飲んでいたお茶を吹き出してしまったので、とても汚いです。
「マ、マリーだったね。君は一体どこまで行きたいんだ……!?」
「行きたい場所などありませんが、私は幸せになる為にレベルアップしているだけなんです」
「幸せの為のレベルアップ……すると君は自分自身為にこれほど努力を積み重ねているのかい?」
努力……なんでしょうか?大したことないとおもうのですが、お二人の尺度で私は相当な努力家らしいです。
「あ、はあ……まあ自分の為ではありますね」
ポーションに関しては帰ってからの事もありますし、でも自領の為と考えれば自分の為になるでしょう。とにかくお二人の教授は良い農家さんを紹介してくれるとのことでしたので、とても助かります。
「あ、あの透明な初級ポーションですが、沸かしてあれでお茶を淹れると美味しいですよ」
と、10本くらい置いてくると「まじかぁ……」と頭を抱えていらっしゃったので、不思議でした。だってたくさんあるんですから、ガブガブ飲まないと部屋がポーションで埋め尽くされてしまいます。
25
あなたにおすすめの小説
三歳で婚約破棄された貧乏伯爵家の三男坊そのショックで現世の記憶が蘇る
マメシバ
ファンタジー
貧乏伯爵家の三男坊のアラン令息
三歳で婚約破棄され
そのショックで前世の記憶が蘇る
前世でも貧乏だったのなんの問題なし
なによりも魔法の世界
ワクワクが止まらない三歳児の
波瀾万丈
幼女はリペア(修復魔法)で無双……しない
しろこねこ
ファンタジー
田舎の小さな村・セデル村に生まれた貧乏貴族のリナ5歳はある日魔法にめざめる。それは貧乏村にとって最強の魔法、リペア、修復の魔法だった。ちょっと説明がつかないでたらめチートな魔法でリナは覇王を目指……さない。だって平凡が1番だもん。騙され上手な父ヘンリーと脳筋な兄カイル、スーパー執事のゴフじいさんと乙女なおかんマール婆さんとの平和で凹凸な日々の話。
【完結】物置小屋の魔法使いの娘~父の再婚相手と義妹に家を追い出され、婚約者には捨てられた。でも、私は……
buchi
恋愛
大公爵家の父が再婚して新しくやって来たのは、義母と義妹。当たり前のようにダーナの部屋を取り上げ、義妹のマチルダのものに。そして社交界への出入りを禁止し、館の隣の物置小屋に移動するよう命じた。ダーナは亡くなった母の血を受け継いで魔法が使えた。これまでは使う必要がなかった。だけど、汚い小屋に閉じ込められた時は、使用人がいるので自粛していた魔法力を存分に使った。魔法力のことは、母と母と同じ国から嫁いできた王妃様だけが知る秘密だった。
みすぼらしい物置小屋はパラダイスに。だけど、ある晩、王太子殿下のフィルがダーナを心配になってやって来て……
【完結】小さな元大賢者の幸せ騎士団大作戦〜ひとりは寂しいからみんなで幸せ目指します〜
るあか
ファンタジー
僕はフィル・ガーネット5歳。田舎のガーネット領の領主の息子だ。
でも、ただの5歳児ではない。前世は別の世界で“大賢者”という称号を持つ大魔道士。そのまた前世は日本という島国で“独身貴族”の称号を持つ者だった。
どちらも決して不自由な生活ではなかったのだが、特に大賢者はその力が強すぎたために側に寄る者は誰もおらず、寂しく孤独死をした。
そんな僕はメイドのレベッカと近所の森を散歩中に“根無し草の鬼族のおじさん”を拾う。彼との出会いをきっかけに、ガーネット領にはなかった“騎士団”の結成を目指す事に。
家族や領民のみんなで幸せになる事を夢見て、元大賢者の5歳の僕の幸せ騎士団大作戦が幕を開ける。
転生してモブだったから安心してたら最恐王太子に溺愛されました。
琥珀
恋愛
ある日突然小説の世界に転生した事に気づいた主人公、スレイ。
ただのモブだと安心しきって人生を満喫しようとしたら…最恐の王太子が離してくれません!!
スレイの兄は重度のシスコンで、スレイに執着するルルドは兄の友人でもあり、王太子でもある。
ヒロインを取り合う筈の物語が何故かモブの私がヒロインポジに!?
氷の様に無表情で周囲に怖がられている王太子ルルドと親しくなってきた時、小説の物語の中である事件が起こる事を思い出す。ルルドの為に必死にフラグを折りに行く主人公スレイ。
このお話は目立ちたくないモブがヒロインになるまでの物語ーーーー。
一級魔法使いになれなかったので特級厨師になりました
しおしお
恋愛
魔法学院次席卒業のシャーリー・ドットは、
「一級魔法使いになれなかった」という理由だけで婚約破棄された。
――だが本当の理由は、ただの“うっかり”。
試験会場を間違え、隣の建物で行われていた
特級厨師試験に合格してしまったのだ。
気づけばシャーリーは、王宮からスカウトされるほどの
“超一流料理人”となり、国王の胃袋をがっちり掴む存在に。
一方、学院首席で一級魔法使いとなった
ナターシャ・キンスキーは、大活躍しているはずなのに――
「なんで料理で一番になってるのよ!?
あの女、魔法より料理の方が強くない!?」
すれ違い、逃げ回り、勘違いし続けるナターシャと、
天然すぎて誤解が絶えないシャーリー。
そんな二人が、魔王軍の襲撃、国家危機、王宮騒動を通じて、
少しずつ距離を縮めていく。
魔法で国を守る最強魔術師。
料理で国を救う特級厨師。
――これは、“敵でもライバルでもない二人”が、
ようやく互いを認め、本当の友情を築いていく物語。
すれ違いコメディ×料理魔法×ダブルヒロイン友情譚!
笑って、癒されて、最後は心が温かくなる王宮ラノベ、開幕です。
悪役令息の継母に転生したからには、息子を悪役になんてさせません!
水都(みなと)
ファンタジー
伯爵夫人であるロゼッタ・シルヴァリーは夫の死後、ここが前世で読んでいたラノベの世界だと気づく。
ロゼッタはラノベで悪役令息だったリゼルの継母だ。金と地位が目当てで結婚したロゼッタは、夫の連れ子であるリゼルに無関心だった。
しかし、前世ではリゼルは推しキャラ。リゼルが断罪されると思い出したロゼッタは、リゼルが悪役令息にならないよう母として奮闘していく。
★ファンタジー小説大賞エントリー中です。
※完結しました!
転生したらただの女の子、かと思ったら最強の魔物使いだったらしいです〜しゃべるうさぎと始める異世界魔物使いファンタジー〜
上村 俊貴
ファンタジー
【あらすじ】
普通に事務職で働いていた成人男性の如月真也(きさらぎしんや)は、ある朝目覚めたら異世界だった上に女になっていた。一緒に牢屋に閉じ込められていた謎のしゃべるうさぎと協力して脱出した真也改めマヤは、冒険者となって異世界を暮らしていくこととなる。帰る方法もわからないし特別帰りたいわけでもないマヤは、しゃべるうさぎ改めマッシュのさらわれた家族を救出すること当面の目標に、冒険を始めるのだった。
(しばらく本人も周りも気が付きませんが、実は最強の魔物使い(本人の戦闘力自体はほぼゼロ)だったことに気がついて、魔物たちと一緒に色々無双していきます)
【キャラクター】
マヤ
・主人公(元は如月真也という名前の男)
・銀髪翠眼の少女
・魔物使い
マッシュ
・しゃべるうさぎ
・もふもふ
・高位の魔物らしい
オリガ
・ダークエルフ
・黒髪金眼で褐色肌
・魔力と魔法がすごい
【作者から】
毎日投稿を目指してがんばります。
わかりやすく面白くを心がけるのでぼーっと読みたい人にはおすすめかも?
それでは気が向いた時にでもお付き合いください〜。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる