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26 王太子がうざいですわ
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「……一言、申し上げて宜しいでしょうか」
「何だい?マリー」
「近寄らないでください、視界に入らないでください。実力を行使しますよ」
「はっはっは、いくら可愛いマリーとはいえ、理由もなく王太子である私を殴るのは良くないね。もし私が怪我をしたら責任を取って婚約して貰おうかなぁ?」
呼び出された次の日から、猛攻が始まってしまいました。
「マリー!」
「おはようございます、王太子殿下。良い朝ですが、私は殿下から名前で呼ばれるほど親しい間からではなかったとおもっておりますが?」
「ふふ、つれない人だ。私と君は秘密を共有する仲ではないか?」
「違います」
「マリー嬢、既成事実っていい言葉だね?」
私はすっと気配を消してその場を離れた。
「マリー嬢が消えた!」「なんて完璧な気配遮断!流石だ!!」
殿下にはもうすでに二人ほど側近がいて、騎士団長の息子と金融大臣の息子らしい。三人とも私を見失ってくれたから助かるけれど……困ったことになったわ。私は平和で普通の学園生活の中でたくさんの知識をみにつけるはずなのに。
「マリーさん、貴女……殿下にまとわりついて恥と言う物を知らないのかしら?」
「お言葉ですが、サリナ・ブロング侯爵令嬢、私が王太子殿下にまとわりつ「あーーーーっ!マリー嬢が高位貴族の令嬢に詰め寄られておりますー!殿下!これは虐め、虐めですよ!!」「な、なんだってー大丈夫か、マリー!ブロング侯爵令嬢これはどういうつもりだー」あ、あの……」
するとサリナ様も顔を青くしてこういうしかない。
「わ、わたくしは虐めてなど……わたくしはマリーさんがこの学園に相応しくない、行動をしていると耳にして……」
「何という嘆かわしい事か!学園は縮図!それなのに、侯爵令嬢たる者がこのような破廉恥な行い。嘆かわしい嘆かわしい!」
「殿下!申し訳ございません。私ども側近の不徳の致す所!どのような処罰もお受けいたします!まずは罰金と、むち打ち刑でご容赦を……」
「む、鞭うち……!?」
サリナ様は自分も鞭で打たれるのではないかと、ブルブル震え始めます。そんな訳ないでしょうに……。
「わ、わたくしは……コリアンナ様に、お、教えていただいただけで……あの、その、し、失礼致します!」
サリナ様は逃げ出しました。ええ、逃げて正解ですけれど、この王太子殿下とその側近の演技はいかがなものかと思いますわ。
「お気が済みましたらお帰りください」
「マリー。何かあったらすぐ私に言うんだよ。君のことをいつでも見つめている!」
監視ですか、やめてください。
「では、騒がせたね。またね、マリー!」
爽やかに手を挙げて帰ってゆく王太子殿下。本当にやめて欲しい、一年生のクラスにまでやって来て騒ぎを起こして帰って行くのは本当にやめて欲しい……。でも殿下の猛攻はこんなものではなかったし
「……いる……」
「……(にこっ……)……」
どこからか視線を感じたり気配のする方に顔を向ければ、王太子配下の「影」っぽい人達がいるのです。微笑まれたり、ごめんね?と語りそうな目を向けられたり……。
「マリー!大丈夫か!さっき君の机に不審者が現れて、君の教科書を裂こうとしていた!なあにすぐに捕まえて学園長に報告しておいたから問題ないよ」
「え……あ、ありがとう……ございます?」
私の教科書はもうボロボロだったけれど、殿下が新しい物に替えてくれたらしい……。それすらまた裂こうとしていた人がいたようで。本当に酷い……殿下の付きまといが!!
「何だい?マリー」
「近寄らないでください、視界に入らないでください。実力を行使しますよ」
「はっはっは、いくら可愛いマリーとはいえ、理由もなく王太子である私を殴るのは良くないね。もし私が怪我をしたら責任を取って婚約して貰おうかなぁ?」
呼び出された次の日から、猛攻が始まってしまいました。
「マリー!」
「おはようございます、王太子殿下。良い朝ですが、私は殿下から名前で呼ばれるほど親しい間からではなかったとおもっておりますが?」
「ふふ、つれない人だ。私と君は秘密を共有する仲ではないか?」
「違います」
「マリー嬢、既成事実っていい言葉だね?」
私はすっと気配を消してその場を離れた。
「マリー嬢が消えた!」「なんて完璧な気配遮断!流石だ!!」
殿下にはもうすでに二人ほど側近がいて、騎士団長の息子と金融大臣の息子らしい。三人とも私を見失ってくれたから助かるけれど……困ったことになったわ。私は平和で普通の学園生活の中でたくさんの知識をみにつけるはずなのに。
「マリーさん、貴女……殿下にまとわりついて恥と言う物を知らないのかしら?」
「お言葉ですが、サリナ・ブロング侯爵令嬢、私が王太子殿下にまとわりつ「あーーーーっ!マリー嬢が高位貴族の令嬢に詰め寄られておりますー!殿下!これは虐め、虐めですよ!!」「な、なんだってー大丈夫か、マリー!ブロング侯爵令嬢これはどういうつもりだー」あ、あの……」
するとサリナ様も顔を青くしてこういうしかない。
「わ、わたくしは虐めてなど……わたくしはマリーさんがこの学園に相応しくない、行動をしていると耳にして……」
「何という嘆かわしい事か!学園は縮図!それなのに、侯爵令嬢たる者がこのような破廉恥な行い。嘆かわしい嘆かわしい!」
「殿下!申し訳ございません。私ども側近の不徳の致す所!どのような処罰もお受けいたします!まずは罰金と、むち打ち刑でご容赦を……」
「む、鞭うち……!?」
サリナ様は自分も鞭で打たれるのではないかと、ブルブル震え始めます。そんな訳ないでしょうに……。
「わ、わたくしは……コリアンナ様に、お、教えていただいただけで……あの、その、し、失礼致します!」
サリナ様は逃げ出しました。ええ、逃げて正解ですけれど、この王太子殿下とその側近の演技はいかがなものかと思いますわ。
「お気が済みましたらお帰りください」
「マリー。何かあったらすぐ私に言うんだよ。君のことをいつでも見つめている!」
監視ですか、やめてください。
「では、騒がせたね。またね、マリー!」
爽やかに手を挙げて帰ってゆく王太子殿下。本当にやめて欲しい、一年生のクラスにまでやって来て騒ぎを起こして帰って行くのは本当にやめて欲しい……。でも殿下の猛攻はこんなものではなかったし
「……いる……」
「……(にこっ……)……」
どこからか視線を感じたり気配のする方に顔を向ければ、王太子配下の「影」っぽい人達がいるのです。微笑まれたり、ごめんね?と語りそうな目を向けられたり……。
「マリー!大丈夫か!さっき君の机に不審者が現れて、君の教科書を裂こうとしていた!なあにすぐに捕まえて学園長に報告しておいたから問題ないよ」
「え……あ、ありがとう……ございます?」
私の教科書はもうボロボロだったけれど、殿下が新しい物に替えてくれたらしい……。それすらまた裂こうとしていた人がいたようで。本当に酷い……殿下の付きまといが!!
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