9 / 91
9 妹だと言うモフ神様
しおりを挟む
「はあ?もうあんたの聖女みたいなもんだから要らねえって?」
「加護も癒しの力も私から授けるから大丈夫よ、お姉ちゃん。でもありがとう、神殿貸してくれて」
「ま、まあ。あんたは妹だし?それくらい主神として余裕だし??」
「お姉ちゃん大好き!」
話が纏まるまで、魂になってその辺に転がっていた動物達と遊んでいた。みんな人間に殺されたのに、それでも人間を信じたくて、人間が好きなモフ達だった。
「俺が戻ったら絶対可愛がるから、俺の所に来なよ」
じゅーどちゃん、ありがとうね。
ニンゲン嫌いにならなくて、よかったぁ
ぷぎぷぎ!お前になら食われてやっても良いんだぜ!
良い子達過ぎる……。俺は全力で撫で回し、くりくりしてやった。キラキラ光る輪の中に入っていけたから良かったと思う。
「ふぅん、あんた見所あんじゃん?よっし、隠れ加護をやるよ」
「癒しの技は私の加護で行えます。お姉ちゃんの神殿では使えないので、きっと役に立つでしょう。もふもふ達をよろしくお願いしますね」
すーっと世界が元に戻る。はっと気がつくと、判定の水晶には全色が薄ーく浮かんでいる。
「これは珍しい!全属性使えます!が、この薄さ……魔法使いとは呼べませんね。しかし簡単な生活に役立つ物は使えます……あの方より適正があるとは、驚きですね。あの方は光りもしなかったですからねぇ。ふふ、私も少し細工をしましたがね……」
最後!最後なんか言った?!確かに過去で俺は諦めきれず何度かこっそり神殿を訪れて、判定の水晶に触れた。
こっそり来たのに毎回ダグラスがいて、ご丁寧に
「ですから、一度判明した結果は変わりません。あなたは魔法適正ゼロです」
と、ため息混じりに蔑まされたものだ。その度にダグラスには強い殺意が湧いた。でも前世の俺は魔力ゼロの判子を押され、魔法とは縁遠い生活を行なった。
本当は前世もちょっとは使えたのか?!
「にしてもおかしいですね?私があんなに真剣に祈ったのに、我が神は願いを叶えてくださらなかったとは……これも試練でしょうか。今日からより一層励むとしましょう」
ふふふ、と暗い笑いをしている。
「あの方の娘を断罪に持ち込んだ後、修道院ではなく、中央神殿での修行にすれば良かった……私とした事がなんたる不手際。しかし、このように愛らしい御子に会えるとは、今度は逃しません」
「……ジュード、我が家へ帰ろう。ここは空気が良くないからな」
こういう時のアデレードの強権は頼もしかった。俺を抱き上げ、ダグラスに背中を向けるアデレード。
「ふふふ、またいらしてください。歓迎しますよ……」
ダグラスの笑みが真っ黒く見えて、ぶるりと悪寒が走った。
「加護も癒しの力も私から授けるから大丈夫よ、お姉ちゃん。でもありがとう、神殿貸してくれて」
「ま、まあ。あんたは妹だし?それくらい主神として余裕だし??」
「お姉ちゃん大好き!」
話が纏まるまで、魂になってその辺に転がっていた動物達と遊んでいた。みんな人間に殺されたのに、それでも人間を信じたくて、人間が好きなモフ達だった。
「俺が戻ったら絶対可愛がるから、俺の所に来なよ」
じゅーどちゃん、ありがとうね。
ニンゲン嫌いにならなくて、よかったぁ
ぷぎぷぎ!お前になら食われてやっても良いんだぜ!
良い子達過ぎる……。俺は全力で撫で回し、くりくりしてやった。キラキラ光る輪の中に入っていけたから良かったと思う。
「ふぅん、あんた見所あんじゃん?よっし、隠れ加護をやるよ」
「癒しの技は私の加護で行えます。お姉ちゃんの神殿では使えないので、きっと役に立つでしょう。もふもふ達をよろしくお願いしますね」
すーっと世界が元に戻る。はっと気がつくと、判定の水晶には全色が薄ーく浮かんでいる。
「これは珍しい!全属性使えます!が、この薄さ……魔法使いとは呼べませんね。しかし簡単な生活に役立つ物は使えます……あの方より適正があるとは、驚きですね。あの方は光りもしなかったですからねぇ。ふふ、私も少し細工をしましたがね……」
最後!最後なんか言った?!確かに過去で俺は諦めきれず何度かこっそり神殿を訪れて、判定の水晶に触れた。
こっそり来たのに毎回ダグラスがいて、ご丁寧に
「ですから、一度判明した結果は変わりません。あなたは魔法適正ゼロです」
と、ため息混じりに蔑まされたものだ。その度にダグラスには強い殺意が湧いた。でも前世の俺は魔力ゼロの判子を押され、魔法とは縁遠い生活を行なった。
本当は前世もちょっとは使えたのか?!
「にしてもおかしいですね?私があんなに真剣に祈ったのに、我が神は願いを叶えてくださらなかったとは……これも試練でしょうか。今日からより一層励むとしましょう」
ふふふ、と暗い笑いをしている。
「あの方の娘を断罪に持ち込んだ後、修道院ではなく、中央神殿での修行にすれば良かった……私とした事がなんたる不手際。しかし、このように愛らしい御子に会えるとは、今度は逃しません」
「……ジュード、我が家へ帰ろう。ここは空気が良くないからな」
こういう時のアデレードの強権は頼もしかった。俺を抱き上げ、ダグラスに背中を向けるアデレード。
「ふふふ、またいらしてください。歓迎しますよ……」
ダグラスの笑みが真っ黒く見えて、ぶるりと悪寒が走った。
応援ありがとうございます!
10
お気に入りに追加
2,196
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる