【完結】今度こそもふり倒す人生になれなかった平民の男の話〜俺の幸せどこ行った？

18 生徒会だという人達

　この学園は8歳から18歳まで詰め込まれる。帰れるのはサマーホリデーとウィンターホリデーのみ。
　勿論実家から追い払われてる人達はずっといる。

　つまり18歳が最高年齢になり、その辺りからキングとクイーンが決められるらしい。で、俺はクイーンの使いからプリンセスの打診を受けた。
　これ、実は断るという選択肢はないんだと……。

「良く来てくれました。ジュード・シェエ。これから一年間よろしくお願いしますね」

「よろしくお願いします。先輩……いえ、クイーン」

「はい、一緒に頑張りましょうね」

　生徒会副会長クイーンの下に姫が4人。16歳から2刻みで10歳の俺が一番下。10歳で選ばれるのは初めてらしい。いらん！

「この子がうさぎ姫？」

　な、なんだそれ！

「へえ、可愛いね。良くうさぎと遊んでるんだって？」

　上の姫達になんでその事がバレているんだ？！

「えっと、あの？」

「有名な話だけど、内緒にしておきたかったの？」

　有名ってなんだよ？！誰だよ！皆にばらしたの！

「いえ、あの……何でもないです……」

　うおおおおーー！もううさぎと遊ぶのやめ……られない！くそっ！もっと隠れて遊ばなければ！

　とりあえず、生徒会長キングと王子達とも顔合わせもした。

「ちっちゃい子がいる！あーうさちゃんか」

「おーうさぎちゃんね？」

　こっちにもバレてる！王子は3人で17歳、15歳、13歳となっていて、一学年に一人づつ王子か姫がいるらしい。まあ妥当な方法だけど、11歳がいない。

「うさちゃんはかーわいーなー！」

　俺、ペット扱いじゃないか！！でもこの生徒会入りは色々お得で非常に良かった。まず生徒会という立場から、アホ過ぎず、地位もそれなりな人選になっている。俺は違うけど、生徒会長キングは大公の息子とか。どうも現王家の相続争いに巻き込まれて、ここに押し込まれた、そんな感じだ。しかし、あと一年で戻るらしいけど大丈夫なのか？
　生徒会副会長クイーンもそんな感じ。大公を王に押した侯爵家の跡取り息子だったとか、キングとは幼馴染だとか。この二人が戻って一波乱も二波乱もありそうだけど、その時俺はまだまだこの学園にいるからどうなるかは分からないんだよね。少し見てみたい気もするけど。

　上級生とつながりが出来た事で、勉強も捗るし、人脈が広がって色々なアドバイスも貰える。

　男子校だから、全員男なんだけどな……。