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19 うさぎ姫とか呼ばれたくない俺
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「うさぎ姫ー」
「死ね」
俺たちは今3年生だ。8歳で1年生なので、10歳で3年生。妥当だ。入った当時はスキップも考えていたが、しっかり実力が出来ていないのに、学園から出るのは危険だと判断した。
あと、もっと大人にならないと力づくで組み伏せられるとどうしようもないし。剣術の授業はしっかり受けているが、どうも上達しない。
剣の才能は無いみたいだ。それでも自衛の為に真面目に取り組む。才能が無ければ人の2倍訓練すれば良い。
「もー!姫なんだから、王子様に助けて貰えば良いじゃん」
「断る」
同じ3年生で良く絡んで来るこいつ。名前はパウエル。苗字はない、となっているので深くは詮索しない。
「えー」
「パウエル、お前。俺が裏山に行くタイミングの情報、先輩に売っただろう」
「あ!バレた?」
なんだか最近やけに先輩達に言われると思ったらこいつの仕業だった!信じられん。
「今日のデザート俺に寄越せ」
「ううぅ!しょうがない、姫の頼みなら喜んで」
「あと姫って呼ぶな」
「姫は姫じゃない~!」
何度も言うがここは男子校。女子は居ない。王子はまだしも姫はないだろうと思うけれど、副会長はどう見てもクイーンって感じだし、どうも会長と……非常に仲がよろしいらしい。いろんな意味で。王子も姫と仲がいい人が結構いて、俺はペット枠なので助かっているが年齢が上がるとどうなるか分からん。早く大きくなりたいような、大きくなりたくないような不思議な気持ちだ。
「ふん!クイーンから選ばれたからって、調子に乗って!」
同じ3年生からそんなことを言われたりもする。大体顔立ちが可愛い子が多くいかにも姫です、といった子が多い。
「重い~持てないよぉ~」
剣術の授業でプルプルしている。そこまで重くないぞ練習用の剣は、って思うけど本人が重いというなら重いんだろう。姫の任期は1年なので来年はなりたい子が指名されると良いな。俺は姫じゃなくていい、むしろ姫にはなりたくない。今年中に勉強を習ったり、人脈を広げたりできればいい。
俺の広げたい人脈は、偉い人じゃなくて魔法を使える人だったり、動物の病気に詳しい人だったりだから。もっと俺が大きくなってから作るであろうもふもふの国で役立つ能力を鍛えたいんだ。王宮務めはもうしたくないしな。他人を蹴落とすのもイヤだし、腹芸はもうやりたくない。
俺はもふもふと幸せに暮らすんだ。もふもふ!もふもふ!
「姫ぇ姫らしからぬ顔してる。ふわふわした動物の事考えてるだろ?」
「悪いか!俺はもふもふが大好きなんだ!」
パウエルが呆れ顔で見ているが、俺はもうもふもふしか愛せないんだ!
「死ね」
俺たちは今3年生だ。8歳で1年生なので、10歳で3年生。妥当だ。入った当時はスキップも考えていたが、しっかり実力が出来ていないのに、学園から出るのは危険だと判断した。
あと、もっと大人にならないと力づくで組み伏せられるとどうしようもないし。剣術の授業はしっかり受けているが、どうも上達しない。
剣の才能は無いみたいだ。それでも自衛の為に真面目に取り組む。才能が無ければ人の2倍訓練すれば良い。
「もー!姫なんだから、王子様に助けて貰えば良いじゃん」
「断る」
同じ3年生で良く絡んで来るこいつ。名前はパウエル。苗字はない、となっているので深くは詮索しない。
「えー」
「パウエル、お前。俺が裏山に行くタイミングの情報、先輩に売っただろう」
「あ!バレた?」
なんだか最近やけに先輩達に言われると思ったらこいつの仕業だった!信じられん。
「今日のデザート俺に寄越せ」
「ううぅ!しょうがない、姫の頼みなら喜んで」
「あと姫って呼ぶな」
「姫は姫じゃない~!」
何度も言うがここは男子校。女子は居ない。王子はまだしも姫はないだろうと思うけれど、副会長はどう見てもクイーンって感じだし、どうも会長と……非常に仲がよろしいらしい。いろんな意味で。王子も姫と仲がいい人が結構いて、俺はペット枠なので助かっているが年齢が上がるとどうなるか分からん。早く大きくなりたいような、大きくなりたくないような不思議な気持ちだ。
「ふん!クイーンから選ばれたからって、調子に乗って!」
同じ3年生からそんなことを言われたりもする。大体顔立ちが可愛い子が多くいかにも姫です、といった子が多い。
「重い~持てないよぉ~」
剣術の授業でプルプルしている。そこまで重くないぞ練習用の剣は、って思うけど本人が重いというなら重いんだろう。姫の任期は1年なので来年はなりたい子が指名されると良いな。俺は姫じゃなくていい、むしろ姫にはなりたくない。今年中に勉強を習ったり、人脈を広げたりできればいい。
俺の広げたい人脈は、偉い人じゃなくて魔法を使える人だったり、動物の病気に詳しい人だったりだから。もっと俺が大きくなってから作るであろうもふもふの国で役立つ能力を鍛えたいんだ。王宮務めはもうしたくないしな。他人を蹴落とすのもイヤだし、腹芸はもうやりたくない。
俺はもふもふと幸せに暮らすんだ。もふもふ!もふもふ!
「姫ぇ姫らしからぬ顔してる。ふわふわした動物の事考えてるだろ?」
「悪いか!俺はもふもふが大好きなんだ!」
パウエルが呆れ顔で見ているが、俺はもうもふもふしか愛せないんだ!
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