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43 もふもふ蛇と俺
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ひとまずあいつは闇底に落ちた。今はケチャだ!無理しやがって!
ケチャ?この蛇の事??
そうだ!もっと回復してやってくれ!
俺は蛇に何度も何度も回復魔法をかける。蛇の体は元には戻らないが、少し落ち着いたようだ。
ありがとう、ジュード。君の優しさで少し痛みがひいたよ。
無茶しやがって!魂を癒着させられてたんだぞ!無理矢理切ればこうなる事は分かってたろ!
蛇はしゅん、と頭を俺の手の上に乗せる。
だって、久しぶりに光が見えたんだもん……お前やライオンが抜け出た一瞬の穴から見えた光。眩しかったんだもん……。
片手には頭をもう片手はシルキーもふもふを撫で回すことを忘れずに俺は蛇の話を聞いた。
もう何年、何十年、もしかしたら何百年もあの闇の中にいるかもしれない。あの中は暗くて臭くて気持ち悪いよ。
俺の魂をくっつけた気持ち悪い人間。俺の他にも何匹も何匹も絡め取られてる皆、助けてほしくて声を上げるけど、誰も答えてくれないし、誰も聞いてくれないんだ。
ずっと、ずっと誰も聞いてくれない俺たちの叫びをやっと聞いてくれる人が現れたんだ。そして俺たちに光をくれたんだ。
ああ、痛いけど、あったかい。ジュードはあったかいよ。
すりすりと頬擦りされて照れてしまう。ごめんよ、もふもふがないから一瞬見捨てようとして。
こんな立派なもふ羽があるなら、一言言ってくれても良かったんだよ??
ありがとう、ジュード。ずっと撫でて欲しいけど、やっぱり無理したせいか、痛いや。ミディアル様の所に行って休ませて貰うよ
ミディアル様?……ああ!妹もふ神様か!
蛇は一瞬のきょとんとしたが、ぶ、ふふ!ふふふ!もふ神様!もふ神様!可愛い!と笑ってくれた。なんかおかしいか?!
いや、おかしくない!素晴らしいよ、ジュード。ありがとう、そしてごめんね。
蛇はそのシルキータッチの羽でふわりと浮かびあがった。
ごめん、頼むね、ノワール。上で待ってる。
もう無茶すんじゃないぞ!魂が治るまで反省してろ!ケチャ!
おや?猫と蛇は旧知なのか。羨ましいな!蛇は途中まで俺たちを見ていたが、上を目指して飛び始める。物凄い勢いでひゅん!と雲を突っ切って行ってしまった。
ケチャって名前?そしてお前はノワール?
猫はフンッと鼻を鳴らしてそっぽを向いた。当たりのようだ。
あー!それにしても気持ちの良い羽根だったなー!また触りたいなー!
どうせ俺は普通の黒猫だよ!
なんだ?なんだ??ノワール!拗ねてるのかぁ?!お前もなかなかのしっとりさんだぞ!俺は好きだ!
ジュードは毛がありゃなんでも好きだろ!
バレた?ゴワゴワのちくちくの毛も趣きがあるし。ふわふわでくるくる巻いたのもまた良い。汚くて汚れて臭い子も洗って手入れして丁寧にブラシをかけてやって本来の姿に戻った時の感動なんて、ブルブル震えそうだぞ?!
あーはいはい
うわっ!適当に流された!ちくしょう!ノワール!ブラシかけてやるからこっち来い!
馬鹿か?俺は今、魂しかないのにどうやってブラシなんてするんだよ!
俺を舐めんなよ?ノワール!俺の魂から作った魂ブラシならできるんだよおーー!
お前?!どこまでぇーー!
ノワールを分捕まえて、ブラシを入れるとしばらく暴れていたが、大人しくなった。ふふ!俺、完全勝利!
大人しいノワールに気分良くブラシをかけていて気づかなかったが、闇のいろが少し薄くなっていた。
ケチャ?この蛇の事??
そうだ!もっと回復してやってくれ!
俺は蛇に何度も何度も回復魔法をかける。蛇の体は元には戻らないが、少し落ち着いたようだ。
ありがとう、ジュード。君の優しさで少し痛みがひいたよ。
無茶しやがって!魂を癒着させられてたんだぞ!無理矢理切ればこうなる事は分かってたろ!
蛇はしゅん、と頭を俺の手の上に乗せる。
だって、久しぶりに光が見えたんだもん……お前やライオンが抜け出た一瞬の穴から見えた光。眩しかったんだもん……。
片手には頭をもう片手はシルキーもふもふを撫で回すことを忘れずに俺は蛇の話を聞いた。
もう何年、何十年、もしかしたら何百年もあの闇の中にいるかもしれない。あの中は暗くて臭くて気持ち悪いよ。
俺の魂をくっつけた気持ち悪い人間。俺の他にも何匹も何匹も絡め取られてる皆、助けてほしくて声を上げるけど、誰も答えてくれないし、誰も聞いてくれないんだ。
ずっと、ずっと誰も聞いてくれない俺たちの叫びをやっと聞いてくれる人が現れたんだ。そして俺たちに光をくれたんだ。
ああ、痛いけど、あったかい。ジュードはあったかいよ。
すりすりと頬擦りされて照れてしまう。ごめんよ、もふもふがないから一瞬見捨てようとして。
こんな立派なもふ羽があるなら、一言言ってくれても良かったんだよ??
ありがとう、ジュード。ずっと撫でて欲しいけど、やっぱり無理したせいか、痛いや。ミディアル様の所に行って休ませて貰うよ
ミディアル様?……ああ!妹もふ神様か!
蛇は一瞬のきょとんとしたが、ぶ、ふふ!ふふふ!もふ神様!もふ神様!可愛い!と笑ってくれた。なんかおかしいか?!
いや、おかしくない!素晴らしいよ、ジュード。ありがとう、そしてごめんね。
蛇はそのシルキータッチの羽でふわりと浮かびあがった。
ごめん、頼むね、ノワール。上で待ってる。
もう無茶すんじゃないぞ!魂が治るまで反省してろ!ケチャ!
おや?猫と蛇は旧知なのか。羨ましいな!蛇は途中まで俺たちを見ていたが、上を目指して飛び始める。物凄い勢いでひゅん!と雲を突っ切って行ってしまった。
ケチャって名前?そしてお前はノワール?
猫はフンッと鼻を鳴らしてそっぽを向いた。当たりのようだ。
あー!それにしても気持ちの良い羽根だったなー!また触りたいなー!
どうせ俺は普通の黒猫だよ!
なんだ?なんだ??ノワール!拗ねてるのかぁ?!お前もなかなかのしっとりさんだぞ!俺は好きだ!
ジュードは毛がありゃなんでも好きだろ!
バレた?ゴワゴワのちくちくの毛も趣きがあるし。ふわふわでくるくる巻いたのもまた良い。汚くて汚れて臭い子も洗って手入れして丁寧にブラシをかけてやって本来の姿に戻った時の感動なんて、ブルブル震えそうだぞ?!
あーはいはい
うわっ!適当に流された!ちくしょう!ノワール!ブラシかけてやるからこっち来い!
馬鹿か?俺は今、魂しかないのにどうやってブラシなんてするんだよ!
俺を舐めんなよ?ノワール!俺の魂から作った魂ブラシならできるんだよおーー!
お前?!どこまでぇーー!
ノワールを分捕まえて、ブラシを入れるとしばらく暴れていたが、大人しくなった。ふふ!俺、完全勝利!
大人しいノワールに気分良くブラシをかけていて気づかなかったが、闇のいろが少し薄くなっていた。
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