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3 私と婚約者との関係と言えば
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「さて、わたくしが学園でリーリエさんを虐めた証言も証拠も出てこなかったようですが、そろそろこの場から出て行って頂かなければ。リーリエさん、あなたこの夜会の招待状はお待ちですの?」
「えっ……だってサルトル様が……」
サルトルが、ねぇ。
サルトルを見ますと、わたくしを睨みつけていますが、別に恐ろしくもないですわ。
「この夜会は陛下もあらせられる為、身分制限がありましたわよね? 伯爵以下は招かれないものですが、男爵のリーリエ様は少し……あと、サルトル。あなたもね」
「うっ、うるさい! 私が連れて来たのだ! 公爵の私はこの場にいても問題ないだろう! 招待状だってある!」
はぁ、サルトルはまだ思い出せないのだろうか。こんな人が好きだったなんて私は何も見えていなかったのね。
「公爵だとしも招かれていない者を連れてきてはいけないのはルールですわ。それにサルトル、あなたは公爵ではなくてよ。いい加減思い出しなさい、自分が何者であるか」
「えっ……」
サルトルは動かなくなり、リーリエさんはそんなサルトルを心配そうにみます。
「サルトル。わたくしがマリア・ライナス公爵令嬢なの」
「え? いや、私が……ライナス公爵、あ、え? あ……」
「やっと思い出しまして? あなたはわたくしが望んだから、特別養子縁組をしただけのサルトル。サルトル・マイナ子爵令息でしょう? 次期公爵の婿予定と扱われ続けて自分の立場を忘れてしまったのね」
ため息をつくしかありません。サルトルにではなくて過去の自分にです。家族で行った夏の領地で出会ったサルトルに熱烈に恋をしたわたくしはそのままサルトルを連れて王都に戻ったのです。
そして婚約をし公爵家に相応しいように我が家で特別に教育を施し、婿として10年間暮らしたのです。
長く暮らし、周囲から公爵と扱われ勘違いしていたのね。愚かなサルトル。
「婚約破棄はなされました。わたくしも目が覚めましたわ。これからは相応にいきましょうか、お互いに」
「え? あ、いや……その養子、では」
「特別養子でした。私と結婚する事が条件の。そうですわよね? お父様」
「ああ、マリアの言う通りだ。残念だよサルトル君。君の10年を我が家で過ごさせてしまったのは申し訳なかったね。対価という訳ではないが、学園の費用は卒業まで全てうちで持とう」
「え? あ、あの、父上……?」
「よしたまえ、サルトル君。もう君とは親でも子でもないのだから。マリア、明日からすぐにでも新しい婚約者を探すぞ。まったく何度も言っておったのにサルトルが良いとわがままを言いおって!」
「申し訳ないですわ。お父様。本当にお父様の言う事は正しかったでした。心より反省しておりますわ」
お父様はそれでもわたくしを許してくださいました。元々身分が違うサルトルと結婚したいとわがままを言ったわたくしを許してくださったお父様。
わたくしには本当に甘いのです。その甘さに溺れる事なく、次はお父様のご期待に沿ってみせますわ!
「えっ……サルトル様、公爵様じゃなかったの?」
リーリエさんはふらりと青い顔をします。
「サルトルは子爵家の次男ですわよ」
「しかも、次男……財産も何もないじゃない!」
あらやだはしたない。そんな大きな声で言うものではありませんわ。
「マリアと婚約破棄して、私と結婚すれば、私が公爵家夫人のはずだったのに! なに?! なんなの?!」
なんなのでしょう? リーリエさん、そんな大声を上げるなんてはしたないですよ?
「えっ……だってサルトル様が……」
サルトルが、ねぇ。
サルトルを見ますと、わたくしを睨みつけていますが、別に恐ろしくもないですわ。
「この夜会は陛下もあらせられる為、身分制限がありましたわよね? 伯爵以下は招かれないものですが、男爵のリーリエ様は少し……あと、サルトル。あなたもね」
「うっ、うるさい! 私が連れて来たのだ! 公爵の私はこの場にいても問題ないだろう! 招待状だってある!」
はぁ、サルトルはまだ思い出せないのだろうか。こんな人が好きだったなんて私は何も見えていなかったのね。
「公爵だとしも招かれていない者を連れてきてはいけないのはルールですわ。それにサルトル、あなたは公爵ではなくてよ。いい加減思い出しなさい、自分が何者であるか」
「えっ……」
サルトルは動かなくなり、リーリエさんはそんなサルトルを心配そうにみます。
「サルトル。わたくしがマリア・ライナス公爵令嬢なの」
「え? いや、私が……ライナス公爵、あ、え? あ……」
「やっと思い出しまして? あなたはわたくしが望んだから、特別養子縁組をしただけのサルトル。サルトル・マイナ子爵令息でしょう? 次期公爵の婿予定と扱われ続けて自分の立場を忘れてしまったのね」
ため息をつくしかありません。サルトルにではなくて過去の自分にです。家族で行った夏の領地で出会ったサルトルに熱烈に恋をしたわたくしはそのままサルトルを連れて王都に戻ったのです。
そして婚約をし公爵家に相応しいように我が家で特別に教育を施し、婿として10年間暮らしたのです。
長く暮らし、周囲から公爵と扱われ勘違いしていたのね。愚かなサルトル。
「婚約破棄はなされました。わたくしも目が覚めましたわ。これからは相応にいきましょうか、お互いに」
「え? あ、いや……その養子、では」
「特別養子でした。私と結婚する事が条件の。そうですわよね? お父様」
「ああ、マリアの言う通りだ。残念だよサルトル君。君の10年を我が家で過ごさせてしまったのは申し訳なかったね。対価という訳ではないが、学園の費用は卒業まで全てうちで持とう」
「え? あ、あの、父上……?」
「よしたまえ、サルトル君。もう君とは親でも子でもないのだから。マリア、明日からすぐにでも新しい婚約者を探すぞ。まったく何度も言っておったのにサルトルが良いとわがままを言いおって!」
「申し訳ないですわ。お父様。本当にお父様の言う事は正しかったでした。心より反省しておりますわ」
お父様はそれでもわたくしを許してくださいました。元々身分が違うサルトルと結婚したいとわがままを言ったわたくしを許してくださったお父様。
わたくしには本当に甘いのです。その甘さに溺れる事なく、次はお父様のご期待に沿ってみせますわ!
「えっ……サルトル様、公爵様じゃなかったの?」
リーリエさんはふらりと青い顔をします。
「サルトルは子爵家の次男ですわよ」
「しかも、次男……財産も何もないじゃない!」
あらやだはしたない。そんな大きな声で言うものではありませんわ。
「マリアと婚約破棄して、私と結婚すれば、私が公爵家夫人のはずだったのに! なに?! なんなの?!」
なんなのでしょう? リーリエさん、そんな大声を上げるなんてはしたないですよ?
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