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50 やっぱりちょっと怖い
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「モンティよ、それならば私個人所有のブルーダイヤの鉱山もアウラリスに上げねばならんな! あのクラリティブルーはアウラリスの瞳の色にそっくりだ。これほど似合う人物はいない、確信した!」
「流石キリアス兄上。人を見る目がお有りになる。完全に同意見ですよ、私は」
「であろう! うわっはっはっは、兄上の悔しがる顔が目に浮かぶぞ!」
「ああ、兄上の公務が終わらぬのがいけないのだしね! おお、取り急ぎ私のネックレスをかけてみてくれないか? アウラリス……あっ似合うー! 完全に可愛い! ぎゅってしたいっ」
「いかんぞ、モンティ。お前の腕力でアウラリスを抱きしめたらただでは済まんからな。なでなでだけにしておきなさい」
「そうだなぁ~そのサラサラの水色の髪に触れるだけでもありがたいなぁ~撫でてもいいかな? アウラリス」
「ど、どうぞ……」
「これは可愛いっ可愛いぞー!」
「姉上も兄上もお止め下さいっ! アウリーは私のものですっ」
「弟がケチだ」
「だが仕方ないかぁ」
そして三人は豪快に笑い合う。こ、これはフィーラ王家流のようだ! 私は理解した。
「ふぇ~アロウ様のお兄様もお姉様も背が高いんですねぇ」
間の抜けたレンスンの声にキリアスラル殿下とモンティラスティ王女殿下が物凄い良い笑顔を向ける。
「うむ! そうだぞ。小粒の守護者よ! 我が王家は総じて皆背が高く恰幅が良くなりがちだ。無論、そうでない者もおるが大体はこうである!」
「うわぁ……っ! アロウ様も凄いけど、キリアスラル殿下、かっこいいですね!」
「ふふふ! そうであろう、そうであろう」
ヨキシャもキラキラと尊敬の眼差しでキリアスラル殿下を見上げている。そんな様子をアロウ様は見て笑顔になっている。
「どうかなさったんですか?」
その笑顔に少しの寂しさを感じて、周囲に水を差さぬよう、小声で尋ねてみる。一瞬だけいうのを躊躇ったようだが、アロウ様は答えてくれた。
「私達フィーラの一族はほぼ皆大きい。そして、それは威圧感に繋がる……初対面の人達には恐ろしいとその目に映りがちでね……避けられるんだ……それなのに、今、それがない。アウリーとヨキシャ、レンスンのお陰だよ、ありがとう」
「ヨキシャもレンスンも……最初からアロウ様に遠慮がなかったですもんね」
確かに自分より大きな人間に恐怖心を覚えるのは仕方がないことだろう。なのにあの二人は普通に接している。
「それはアウリーのお陰だね。君が微塵も恐怖を見せないから、あの二人は警戒する必要がないって自然と悟ったんだよ」
うーん、そうなんだろうか? だってアロウ様が恐ろしかったことなんて一度もないから、警戒のしようがないんだけれど。
「その自然が稀有なんだ、私達には。ありがとうアウリー……私達フィーラの一族に出会ってくれて、とても嬉しいよ」
「お、お礼を言われるようなことは何もしていませんよ!」
「それが稀有なんだよ」
「そ、そうなんですか……?」
私にはよく分からないけれど、きっと何か色々な諍いがあったんだろう……。今は深く聞く所ではないから、機会があれば聞いてみよう。そうしたらアロウ様のことをもっと良く知ることができるかもしれない。楽しみだな。
「にしても鉱山二つもらっちゃったね、よかったねぇ。アウリー」
「え? あれは冗談ではないのですか?」
フィーラ流の冗談だと思ってたよ?
「まさか! あの兄上と姉上が公衆の面前でそんな冗談は言わないよ……しかし、それだとシュバル兄上はどうするんだろう? 兄の面子にかけてキリアス兄上やモンティ姉上より良い物を贈ろうとするはずだから」
「そ、そんなまさか」
だって、さっき私にくれるって言った鉱山もとても有名な鉱山で資産価値がものすごく高い……我がディーズ家の資産を遥かに上回る産出量の鉱山なのに、あれ以上って???
「うーん……もしかしたら、運河とか」
「ひえ」
「アンバーローズの畑とか」
「ひえええ」
「怖いなぁ、考えただけでシュバル兄上の本気が怖いなぁ」
アロウ様の目が本気だ……ど、どんな恐ろしいことが起こってしまうんだろうか?! 私はフィーラ一族がちょっと怖くなってしまった。
「流石キリアス兄上。人を見る目がお有りになる。完全に同意見ですよ、私は」
「であろう! うわっはっはっは、兄上の悔しがる顔が目に浮かぶぞ!」
「ああ、兄上の公務が終わらぬのがいけないのだしね! おお、取り急ぎ私のネックレスをかけてみてくれないか? アウラリス……あっ似合うー! 完全に可愛い! ぎゅってしたいっ」
「いかんぞ、モンティ。お前の腕力でアウラリスを抱きしめたらただでは済まんからな。なでなでだけにしておきなさい」
「そうだなぁ~そのサラサラの水色の髪に触れるだけでもありがたいなぁ~撫でてもいいかな? アウラリス」
「ど、どうぞ……」
「これは可愛いっ可愛いぞー!」
「姉上も兄上もお止め下さいっ! アウリーは私のものですっ」
「弟がケチだ」
「だが仕方ないかぁ」
そして三人は豪快に笑い合う。こ、これはフィーラ王家流のようだ! 私は理解した。
「ふぇ~アロウ様のお兄様もお姉様も背が高いんですねぇ」
間の抜けたレンスンの声にキリアスラル殿下とモンティラスティ王女殿下が物凄い良い笑顔を向ける。
「うむ! そうだぞ。小粒の守護者よ! 我が王家は総じて皆背が高く恰幅が良くなりがちだ。無論、そうでない者もおるが大体はこうである!」
「うわぁ……っ! アロウ様も凄いけど、キリアスラル殿下、かっこいいですね!」
「ふふふ! そうであろう、そうであろう」
ヨキシャもキラキラと尊敬の眼差しでキリアスラル殿下を見上げている。そんな様子をアロウ様は見て笑顔になっている。
「どうかなさったんですか?」
その笑顔に少しの寂しさを感じて、周囲に水を差さぬよう、小声で尋ねてみる。一瞬だけいうのを躊躇ったようだが、アロウ様は答えてくれた。
「私達フィーラの一族はほぼ皆大きい。そして、それは威圧感に繋がる……初対面の人達には恐ろしいとその目に映りがちでね……避けられるんだ……それなのに、今、それがない。アウリーとヨキシャ、レンスンのお陰だよ、ありがとう」
「ヨキシャもレンスンも……最初からアロウ様に遠慮がなかったですもんね」
確かに自分より大きな人間に恐怖心を覚えるのは仕方がないことだろう。なのにあの二人は普通に接している。
「それはアウリーのお陰だね。君が微塵も恐怖を見せないから、あの二人は警戒する必要がないって自然と悟ったんだよ」
うーん、そうなんだろうか? だってアロウ様が恐ろしかったことなんて一度もないから、警戒のしようがないんだけれど。
「その自然が稀有なんだ、私達には。ありがとうアウリー……私達フィーラの一族に出会ってくれて、とても嬉しいよ」
「お、お礼を言われるようなことは何もしていませんよ!」
「それが稀有なんだよ」
「そ、そうなんですか……?」
私にはよく分からないけれど、きっと何か色々な諍いがあったんだろう……。今は深く聞く所ではないから、機会があれば聞いてみよう。そうしたらアロウ様のことをもっと良く知ることができるかもしれない。楽しみだな。
「にしても鉱山二つもらっちゃったね、よかったねぇ。アウリー」
「え? あれは冗談ではないのですか?」
フィーラ流の冗談だと思ってたよ?
「まさか! あの兄上と姉上が公衆の面前でそんな冗談は言わないよ……しかし、それだとシュバル兄上はどうするんだろう? 兄の面子にかけてキリアス兄上やモンティ姉上より良い物を贈ろうとするはずだから」
「そ、そんなまさか」
だって、さっき私にくれるって言った鉱山もとても有名な鉱山で資産価値がものすごく高い……我がディーズ家の資産を遥かに上回る産出量の鉱山なのに、あれ以上って???
「うーん……もしかしたら、運河とか」
「ひえ」
「アンバーローズの畑とか」
「ひえええ」
「怖いなぁ、考えただけでシュバル兄上の本気が怖いなぁ」
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