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51 私の前に壁が3枚
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「お、おいっ! アウラリス! お前に話があるっ……ひっ!」
「……」
人波をかき分けて鮫島君が顔を出し……アロウ様、キリアスラル殿下、モンティラスティ王女殿下を見て短い悲鳴をあげた、何でそんな声出すんだろう……怖いことなんか何もないのに。ちょっと片腕にレンスンとヨキシャをぶら下げているけど、二人ともニコニコ笑って楽しそうだし。
そんな鮫島君をアロウ様は冷たく見下ろし、大きな背中の後ろ側に私を隠してくれる。さりげなく、しかもいつの間にか私の視界から鮫島君が消えている……アロウ様にまた気を使ってもらっちゃったな。申し訳なく思いつつも大切にされている心地よさに思わず顔が緩んでしまいそうだ。
「ほう、君が噂の聖女か。我らの義弟に何か用があるのかね?」
体は大きいはずなのに、やっぱりいつの間にか私の前に立つアロウ様のさらにその前にキリアスラル殿下が立っていた。滑らかに動きすぎて瞬きの間に移動している気がするよ、このお方。
「キリアス兄上。まだ義弟になってはいませんよ、アウラリスは。これから義弟になりますけどね……ふむ、やはり我らの義弟の方が私は好みだ。もう少し撫でまわしておこう」
モンティラスティ王女殿下もいつの間にか私の隣にいる……本当にしなやかに動く人達だ。王女殿下に運ばれてヨキシャとレンスンも私にぴったりくっつく。
「またあの人だ」
「ここここんどは守ってみせますっ! アロウ様もいてくださるし!」
ヨキシャは緊張感漂う顔で鮫島君をみるし、レンスンはガタガタ震えながら私の左側にくっついている。レンスンだって色々な魔法を使えるようになったんだから、かなり実力はついているはずなんだけど、苦手意識が強いんだろうな。私も苦手だし。
そんな私達を見て、キリアスラル殿下が前に出て下さった……我が国のことなのにとても申し訳ない。
「え……あ、あんた、いや、あなた? えーとなんだっけ……」
敬語の使い方も怪しく、言葉に詰まる鮫島君を誰か止めてくれればいいのに、彼を止めるべき人物は皆一歩出遅れている。ギョッと目を剥く王太子殿下、焦った顔でこちらに向かおうとするウィルモッド。いまいち理解していない顔のリズティーアとダレン。我が国所属の聖女が、隣国の王子に無礼を働いてしまうかもしれないのに!
もちろん、私も止めようとは思った。でも今までの鮫島君との快くない対峙のせいで少し億劫に感じたのもある。そして、目の前にある大きな手……物理的にアロウ様に止められてしまった。どうやらアロウ様も腹に据えかねていたらしく、キリアスラル殿下のお力を借りてやり込めたい気持ちであったようだった。
「用もないのに我らの可愛い義弟に声をかけないでくれたまえ。アウラリスは君との交流を望んでいない、わきまえるんだな」
「えっ! で、でもアウラリスが許してくれないと二人とも困るんだ。今までアウラリスに迷惑かけられてきたんだ、それくらいいいじゃないか」
少しキリアスラル殿下のことが怖いのだろう。見上げながらも青い顔で、それでも鮫島君は反論した。私がリズティーアとダレンに迷惑をかけた? 何の話だろう。
「……」
人波をかき分けて鮫島君が顔を出し……アロウ様、キリアスラル殿下、モンティラスティ王女殿下を見て短い悲鳴をあげた、何でそんな声出すんだろう……怖いことなんか何もないのに。ちょっと片腕にレンスンとヨキシャをぶら下げているけど、二人ともニコニコ笑って楽しそうだし。
そんな鮫島君をアロウ様は冷たく見下ろし、大きな背中の後ろ側に私を隠してくれる。さりげなく、しかもいつの間にか私の視界から鮫島君が消えている……アロウ様にまた気を使ってもらっちゃったな。申し訳なく思いつつも大切にされている心地よさに思わず顔が緩んでしまいそうだ。
「ほう、君が噂の聖女か。我らの義弟に何か用があるのかね?」
体は大きいはずなのに、やっぱりいつの間にか私の前に立つアロウ様のさらにその前にキリアスラル殿下が立っていた。滑らかに動きすぎて瞬きの間に移動している気がするよ、このお方。
「キリアス兄上。まだ義弟になってはいませんよ、アウラリスは。これから義弟になりますけどね……ふむ、やはり我らの義弟の方が私は好みだ。もう少し撫でまわしておこう」
モンティラスティ王女殿下もいつの間にか私の隣にいる……本当にしなやかに動く人達だ。王女殿下に運ばれてヨキシャとレンスンも私にぴったりくっつく。
「またあの人だ」
「ここここんどは守ってみせますっ! アロウ様もいてくださるし!」
ヨキシャは緊張感漂う顔で鮫島君をみるし、レンスンはガタガタ震えながら私の左側にくっついている。レンスンだって色々な魔法を使えるようになったんだから、かなり実力はついているはずなんだけど、苦手意識が強いんだろうな。私も苦手だし。
そんな私達を見て、キリアスラル殿下が前に出て下さった……我が国のことなのにとても申し訳ない。
「え……あ、あんた、いや、あなた? えーとなんだっけ……」
敬語の使い方も怪しく、言葉に詰まる鮫島君を誰か止めてくれればいいのに、彼を止めるべき人物は皆一歩出遅れている。ギョッと目を剥く王太子殿下、焦った顔でこちらに向かおうとするウィルモッド。いまいち理解していない顔のリズティーアとダレン。我が国所属の聖女が、隣国の王子に無礼を働いてしまうかもしれないのに!
もちろん、私も止めようとは思った。でも今までの鮫島君との快くない対峙のせいで少し億劫に感じたのもある。そして、目の前にある大きな手……物理的にアロウ様に止められてしまった。どうやらアロウ様も腹に据えかねていたらしく、キリアスラル殿下のお力を借りてやり込めたい気持ちであったようだった。
「用もないのに我らの可愛い義弟に声をかけないでくれたまえ。アウラリスは君との交流を望んでいない、わきまえるんだな」
「えっ! で、でもアウラリスが許してくれないと二人とも困るんだ。今までアウラリスに迷惑かけられてきたんだ、それくらいいいじゃないか」
少しキリアスラル殿下のことが怖いのだろう。見上げながらも青い顔で、それでも鮫島君は反論した。私がリズティーアとダレンに迷惑をかけた? 何の話だろう。
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