【完結】良い子な邪神に転生した俺は強すぎて封印不可?頑張って封印されます!

鏑木 うりこ

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67 春が来るよ

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「春~~~~」

「ぎゅー!」
 
 ルベルトに雪解けがやってきた。日差しが暖かくなって木の芽も膨らんできている。やっぱり暖かくなると嬉しいな!と思ったら

「川は増水しています!子供は絶対近づかないように!」

「屋根から雪が落ちますからね!通行には気を付けて!」

「雪崩の季節です!山へ行く人は十分に注意してください!」

「お腹を空かせた獣も多数出ます!」

 注意喚起の方が多かった……あれぇ?それでも地熱を利用したマンドラ畑ではかなりの子達が頭にお花をつけてニコニコしているし、わにゃん達もどうも恋の季節になりつつあるようで、ラブラブしている。

「花が咲いたら結婚しようと思ってます!」

 レイシャル様とレニーちゃんもニコニコと教えてくれた。なんだか楽しい空気がふわふわと流れ始める。

「……羊の毛は寒い方がふわっふわでした……」
 
 羊の所に行っていた皆はがっかりして帰ってたけれど、羊毛布団を仕上げる部署を設立してきたみたいだった。

「今は貴族を中心に売っています。そのうちに普通の羊の毛から毛布を作ったり布団を作ったりして行きたいと思っています」

「ふわ……ふわわ……!」

 虹色羊の特製ふわふわ毛布を貰ってしまって、しばらくそこから出られなくなってしまった。これ凄いこれ凄いよ!

「あの羊たちの事も結構分かってきましたし、働き手を増やせば冬の産業になりそうです」

「夏は刈れないんですよね~。夏は普通の羊と変わらないんですよ。寒くなるとあのふわっふわの毛を生やすんです」

「そうなんだ!」

 レポートをまとめてレニーちゃんの所に提出もしていたようだから、来年の冬にはこのふわっふわの布団がもう少し増えるんだって!楽しみだなぁ。ルベルトはたまに冒険者がけんかをしたり、商人たちが言い争いをしたりと小さなもめ事はあったが、とても平和にそして豊かになっていった。

「ほんの少し前まで、冬なんて食べる物がなくて飢え死にする子供が普通だったのにのう……」

 おばあちゃんが鉢植えのマンドラにしみじみと話しかけている。元気出して?これあげるから。マンドラは小さな玉ねぎをおばあちゃんに手渡す。

「あらありがとう、こんなに甘いものが食べられるなんて夢のようだよ」

 葉っぱをなでなでされてマンドラも嬉しそうだ。そんな光景がいたるところで見られるようになっている。

「はー……順調で俺を恨んだり憎んだりする人がいないみたいで助かるなあ~」

「引っ越してきて良かったですね。追い出された時はどうなるかと思いましたが」

「うん」

 ぽかぽかと春の日差しを浴びてセラフィスさんと中庭でお話している。たくさんの人に助けられて俺はこうして存在している。
 色んな人に迷惑かけたけど、すぐに封印されなくて良かったのかも知れない。楽しい思い出が増えるのはとても嬉しい事だから。

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