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そういうことね(エマ視点2)
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ここはどこ? ずいぶんきらびやかなところね。
「オーウェン様ここは?」
「ここか? エマは初めてか? 王宮だよ」
「王宮?」
初めてに決まってるわよ。王宮になんか来たことないわ。
「お待たせしたわね」
扉が開き、見るからに身分の高そうな女性が入ってきた。
「これはこれは王国の輝ける月……」
「結構よ、そんな挨拶。あなたがエマ?」
オーウェン様の挨拶を遮り、私に話しかけてきた。
「はい。エマでございます」
「あなた、フェノバール公爵家の乳母に決まったのかしら?」
「はい」
「では、あなたにお願いがあるの。なんとしてもリュカとジェット、そしてミディアを守って」
この人はまさか王妃様か?
目でオーウェン様に合図を送ると頷いた。
「以前、あの子たちが襲われたと聞いた時、生きた心地がしなかったわ。影はつけていても不安なのよ。乳母なら大きな顔をして側で警護もできるでしょう。お願いエマ、あの子たちを守って」
そう言うことか。確かに乳母だがどちらかというと護衛か。
あの家族に危害を加えようとしている奴らを調べ、あの家族に近づく前に始末しろってことね。
「承知しました。必ずお守りいたします」
「ありがとう。では、よろしくね」
王妃様は手をひらひらと振りながら消えていった。
「そういうことなの?」
「そういうことだ。王妃はミディアローズ様を王妃にしたいんだよ」
「えっ? 息子を国王にじゃなく?」
「ああ、あくまでミディアローズ様ありきなんだよ。リカルドの国王はおまけみたいなもんらしい」
なんだそれ、あの可愛いフェノバール夫人が王妃? 現王妃はそこまで彼女をかっているのか?
「ミディアローズ様を王妃にして、この国を改革させて、リュカ様にバトンを繋ぎたいらしい。リカルドには国王として総指揮をさせたいみたいだな。まぁ、現国王の勇足でリカルドは臍を曲げているから、リカルドが国王になってもいいと思うように持っていくのが私たちに与えられた任務みたいなもんだ」
そうなの? ボスは何も言ってなかったわ。
「あのふたりが国のトップになればこの国は変わる。フェノバール領がいい例だ」
「あなたはボスのあとをついで宰相になるつもり?」
「リカルドが国王になるならなってもいいな」
なるほど。
私に白羽の矢が立ったのには色んな思惑があったのね。
さて、どうなるかしらね。
あのふたり次第ね。
私はボスからそんな任務は受けてないし、王妃からも守れと言われただけ。しばらくは様子見ね。私が自発的に動きたくなるかどうかかしらね。
それにしてもこの男、本当に宰相になるつもりなのかしら?
いつもながらどこまで本当かわからない。
くえない男だわね。
さぁ、荷物をまとめてフェノバール領に行こう。
なんだか楽しくなってきたわ。
「オーウェン様ここは?」
「ここか? エマは初めてか? 王宮だよ」
「王宮?」
初めてに決まってるわよ。王宮になんか来たことないわ。
「お待たせしたわね」
扉が開き、見るからに身分の高そうな女性が入ってきた。
「これはこれは王国の輝ける月……」
「結構よ、そんな挨拶。あなたがエマ?」
オーウェン様の挨拶を遮り、私に話しかけてきた。
「はい。エマでございます」
「あなた、フェノバール公爵家の乳母に決まったのかしら?」
「はい」
「では、あなたにお願いがあるの。なんとしてもリュカとジェット、そしてミディアを守って」
この人はまさか王妃様か?
目でオーウェン様に合図を送ると頷いた。
「以前、あの子たちが襲われたと聞いた時、生きた心地がしなかったわ。影はつけていても不安なのよ。乳母なら大きな顔をして側で警護もできるでしょう。お願いエマ、あの子たちを守って」
そう言うことか。確かに乳母だがどちらかというと護衛か。
あの家族に危害を加えようとしている奴らを調べ、あの家族に近づく前に始末しろってことね。
「承知しました。必ずお守りいたします」
「ありがとう。では、よろしくね」
王妃様は手をひらひらと振りながら消えていった。
「そういうことなの?」
「そういうことだ。王妃はミディアローズ様を王妃にしたいんだよ」
「えっ? 息子を国王にじゃなく?」
「ああ、あくまでミディアローズ様ありきなんだよ。リカルドの国王はおまけみたいなもんらしい」
なんだそれ、あの可愛いフェノバール夫人が王妃? 現王妃はそこまで彼女をかっているのか?
「ミディアローズ様を王妃にして、この国を改革させて、リュカ様にバトンを繋ぎたいらしい。リカルドには国王として総指揮をさせたいみたいだな。まぁ、現国王の勇足でリカルドは臍を曲げているから、リカルドが国王になってもいいと思うように持っていくのが私たちに与えられた任務みたいなもんだ」
そうなの? ボスは何も言ってなかったわ。
「あのふたりが国のトップになればこの国は変わる。フェノバール領がいい例だ」
「あなたはボスのあとをついで宰相になるつもり?」
「リカルドが国王になるならなってもいいな」
なるほど。
私に白羽の矢が立ったのには色んな思惑があったのね。
さて、どうなるかしらね。
あのふたり次第ね。
私はボスからそんな任務は受けてないし、王妃からも守れと言われただけ。しばらくは様子見ね。私が自発的に動きたくなるかどうかかしらね。
それにしてもこの男、本当に宰相になるつもりなのかしら?
いつもながらどこまで本当かわからない。
くえない男だわね。
さぁ、荷物をまとめてフェノバール領に行こう。
なんだか楽しくなってきたわ。
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