137 / 161
番外編
リリの婚約?(リリ視点)
しおりを挟む
*ヴィーナの結婚式の少し前になります。
私とヴィーナが出会ってから7年になる。
トラノアナから戻って来たばかりの私に父母からヴィーナの友達になり、側にいて警護しろと命令を受けた。
私はこの国の暗部を取り仕切るドラール家の娘で3歳から5年間トラノアナで鍛えられ、生き残ったので呼び戻された。
ちなみに元々5人兄弟だったらしいが、生き残ったのはエリアス兄様と私の2人だけで対外的にドラール家はふたり兄妹ということになっている。
任務で近づいたけど、ヴィーナはめっちゃ良い子だった。
ともに転生者で前世の記憶があり、子供なのに大人の私達はあっという間に親友になった。
私はドラールの家より、フェノバール家にいる時間が長い。
それは任務もあるけど単純に楽しいからだ。
ドラール家は殺伐としているのよね。父も母も仕事が忙しい。私達は家族、親子という感じではなく上司と部下のようだった。
そして、フェノバール家の3男のシャルも転生者で前世で大臣だった私の下働きをしていた官僚だとわかった。
偶然なのか必然なのかわからないが、シャルは前世同様仕事は抜群にできたので、私達はママの何気ない提案を具現化したり、自ら企画したり、フェノバール領はもちろん、国の仕事も手伝うことも増えた。
護衛? まぁ、それなりにやってるわよ。フェノバール領は悪意のある人は入れないような結界が張り巡らされているので中にいると護衛などいらないくらい安全だから別に護衛などいらないのだ。
ヴィーナとは一緒にお茶したり、スイーツを食べたり、おしゃべりしたりしている。
今日もふたりでお茶している。
「リリはシャル兄様といつ結婚するの?」
ヴィーナは可愛い顔をしてコテンと小首をかしげる。
「結婚か~、ピンとこないのよ。前世では私の部下みたいな感じだったしね」
「前世のシャル兄様ってどんな人だった?」
「そうね、ハゲでデブで脂ぎってたわね」
「中身は?中身」
「真面目で仕事は出来たわね。田村に任せておけばなんとかなるって感じだったわ。だから突然死したあと、しばらく大変だったのよ」
そうそう、田村は仕事をかなり持っていたので本当に大変だった。
「シャル兄様、中身は今と同じなのね。優しいし、しっかりしてる」
「そうね」
「早く結婚すればいいのに。そうだ! 同じ日に合同で結婚しない?」
「しない!」
私が速攻で拒否するとヴィーナは悲しそうな顔をした。
シャルに恋愛感情はない。ただシャルと結婚すればフェノバール家の一員になれるし、色々な仕事ができて楽しい。もう、ドラール家に戻って諜報活動するのは嫌だ。
でも、打算で結婚するのは不誠実だよね。
「私、フェノバール家の一員になってフェノバール商会の仕事したいの。そのためにはシャルと結婚するのがいちばん手っ取り早いんだけど、恋愛感情はないのよ。貴族なら普通だけど、ママやヴィーナを見ていると恋愛結婚にも憧れるのよね」
私はため息をついた。
「リリは前世は恋愛結婚だったの?」
「前世? 前世は恋愛結婚じゃなかったわ。財界で力があった後援会長の息子と仕事がやりやすくなるように結婚したわ」
「愛は?」
「ないわ。でも嫌いじゃなかったし、私は仕事で家のことを疎かにしていたけど彼がちゃんとやってくれていたし、感謝してたわ」
恋愛感情はなかったが家族として愛していた。
ヴィーナは私の顔を見た。
「実は私も前世は政略結婚だったの。でも結婚したら凄く良い人であたりだと思ったわ。今も正直な話、リュカ様に恋愛感情があるのかどうかわからない。でも一緒にいたいと思うの」
ラブラブだと思っていたから驚いた。
「あら、いつもながら楽しそうな女子トークね。私も混ぜてもらおかな?」
ママが現れた。
ママは私達のお茶会に時々参加してくれる。私達よりずっと年上なんだけど、年下みたいに思えるくらい可愛い。
「私も政略結婚だったわよ。最初はリカルド様は嫌な人だったの。今みたいじゃなかったし、サラッとしていたわね。20歳までは白い結婚だったのよ」
白い結婚?
あのフェノバール公爵が?
信じられないわ。
50を超えた今でも隙あらば盛ろうとしてるくらいの人が???
「リリ、私もリリがお嫁に来てくれるとうれしいわ。シャルがだめならジェットはどう? ヴィーナもリリがうちのリリになった方がうれしいわよね」
ママはヴィーナを見て微笑む。可愛い奴め。
「はい。私もリリがずっとうちにいてくれると嬉しいわ。リリどちらにする?」
どちらって? あんた達母娘は若干頭がお花畑か?
「ジェット様は浮世離れしているし、清廉潔白な方なので下世話な私では無理でしょう」
「じゃあ決まり。シャルでいいわね」
「嬉しい。結婚式は合同で……」
「それはない!」
それから少しして私とシャルの婚約が決まった。
この家ではシャルに発言権はないのだろうか?
私とヴィーナが出会ってから7年になる。
トラノアナから戻って来たばかりの私に父母からヴィーナの友達になり、側にいて警護しろと命令を受けた。
私はこの国の暗部を取り仕切るドラール家の娘で3歳から5年間トラノアナで鍛えられ、生き残ったので呼び戻された。
ちなみに元々5人兄弟だったらしいが、生き残ったのはエリアス兄様と私の2人だけで対外的にドラール家はふたり兄妹ということになっている。
任務で近づいたけど、ヴィーナはめっちゃ良い子だった。
ともに転生者で前世の記憶があり、子供なのに大人の私達はあっという間に親友になった。
私はドラールの家より、フェノバール家にいる時間が長い。
それは任務もあるけど単純に楽しいからだ。
ドラール家は殺伐としているのよね。父も母も仕事が忙しい。私達は家族、親子という感じではなく上司と部下のようだった。
そして、フェノバール家の3男のシャルも転生者で前世で大臣だった私の下働きをしていた官僚だとわかった。
偶然なのか必然なのかわからないが、シャルは前世同様仕事は抜群にできたので、私達はママの何気ない提案を具現化したり、自ら企画したり、フェノバール領はもちろん、国の仕事も手伝うことも増えた。
護衛? まぁ、それなりにやってるわよ。フェノバール領は悪意のある人は入れないような結界が張り巡らされているので中にいると護衛などいらないくらい安全だから別に護衛などいらないのだ。
ヴィーナとは一緒にお茶したり、スイーツを食べたり、おしゃべりしたりしている。
今日もふたりでお茶している。
「リリはシャル兄様といつ結婚するの?」
ヴィーナは可愛い顔をしてコテンと小首をかしげる。
「結婚か~、ピンとこないのよ。前世では私の部下みたいな感じだったしね」
「前世のシャル兄様ってどんな人だった?」
「そうね、ハゲでデブで脂ぎってたわね」
「中身は?中身」
「真面目で仕事は出来たわね。田村に任せておけばなんとかなるって感じだったわ。だから突然死したあと、しばらく大変だったのよ」
そうそう、田村は仕事をかなり持っていたので本当に大変だった。
「シャル兄様、中身は今と同じなのね。優しいし、しっかりしてる」
「そうね」
「早く結婚すればいいのに。そうだ! 同じ日に合同で結婚しない?」
「しない!」
私が速攻で拒否するとヴィーナは悲しそうな顔をした。
シャルに恋愛感情はない。ただシャルと結婚すればフェノバール家の一員になれるし、色々な仕事ができて楽しい。もう、ドラール家に戻って諜報活動するのは嫌だ。
でも、打算で結婚するのは不誠実だよね。
「私、フェノバール家の一員になってフェノバール商会の仕事したいの。そのためにはシャルと結婚するのがいちばん手っ取り早いんだけど、恋愛感情はないのよ。貴族なら普通だけど、ママやヴィーナを見ていると恋愛結婚にも憧れるのよね」
私はため息をついた。
「リリは前世は恋愛結婚だったの?」
「前世? 前世は恋愛結婚じゃなかったわ。財界で力があった後援会長の息子と仕事がやりやすくなるように結婚したわ」
「愛は?」
「ないわ。でも嫌いじゃなかったし、私は仕事で家のことを疎かにしていたけど彼がちゃんとやってくれていたし、感謝してたわ」
恋愛感情はなかったが家族として愛していた。
ヴィーナは私の顔を見た。
「実は私も前世は政略結婚だったの。でも結婚したら凄く良い人であたりだと思ったわ。今も正直な話、リュカ様に恋愛感情があるのかどうかわからない。でも一緒にいたいと思うの」
ラブラブだと思っていたから驚いた。
「あら、いつもながら楽しそうな女子トークね。私も混ぜてもらおかな?」
ママが現れた。
ママは私達のお茶会に時々参加してくれる。私達よりずっと年上なんだけど、年下みたいに思えるくらい可愛い。
「私も政略結婚だったわよ。最初はリカルド様は嫌な人だったの。今みたいじゃなかったし、サラッとしていたわね。20歳までは白い結婚だったのよ」
白い結婚?
あのフェノバール公爵が?
信じられないわ。
50を超えた今でも隙あらば盛ろうとしてるくらいの人が???
「リリ、私もリリがお嫁に来てくれるとうれしいわ。シャルがだめならジェットはどう? ヴィーナもリリがうちのリリになった方がうれしいわよね」
ママはヴィーナを見て微笑む。可愛い奴め。
「はい。私もリリがずっとうちにいてくれると嬉しいわ。リリどちらにする?」
どちらって? あんた達母娘は若干頭がお花畑か?
「ジェット様は浮世離れしているし、清廉潔白な方なので下世話な私では無理でしょう」
「じゃあ決まり。シャルでいいわね」
「嬉しい。結婚式は合同で……」
「それはない!」
それから少しして私とシャルの婚約が決まった。
この家ではシャルに発言権はないのだろうか?
23
あなたにおすすめの小説
初夜に暴言を吐いた夫は後悔し続ける──10年後の償い【完結保証】
星森 永羽
恋愛
王命により、辺境伯ロキアのもとへ嫁いだのは、金髪翠眼の美しき公爵令嬢スフィア。
だが、初夜に彼が告げたのは、愛も権限も与えないという冷酷な宣言だった。噂に踊らされ、彼女を「穢れた花嫁」と罵ったロキア。
しかし、わずか一日でスフィアは姿を消し、教会から届いたのは婚姻無効と慰謝料請求の書状──。
王と公爵の怒りを買ったロキアは、爵位も領地も名誉も奪われ、ただの補佐官として生きることに。
そして十年後、運命のいたずらか、彼は被災地で再びスフィアと出会う。
地位も捨て、娘を抱えて生きる彼女の姿に、ロキアの胸に去来するのは、悔恨と赦しを乞う想い──。
⚠️本作はAIの生成した文章を一部に使用しています。
もう無理して私に笑いかけなくてもいいですよ?
冬馬亮
恋愛
公爵令嬢のエリーゼは、遅れて出席した夜会で、婚約者のオズワルドがエリーゼへの不満を口にするのを偶然耳にする。
オズワルドを愛していたエリーゼはひどくショックを受けるが、悩んだ末に婚約解消を決意する。
だが、喜んで受け入れると思っていたオズワルドが、なぜか婚約解消を拒否。関係の再構築を提案する。
その後、プレゼント攻撃や突撃訪問の日々が始まるが、オズワルドは別の令嬢をそばに置くようになり・・・
「彼女は友人の妹で、なんとも思ってない。オレが好きなのはエリーゼだ」
「私みたいな女に無理して笑いかけるのも限界だって夜会で愚痴をこぼしてたじゃないですか。よかったですね、これでもう、無理して私に笑いかけなくてよくなりましたよ」
五年後、元夫の後悔が遅すぎる。~娘が「パパ」と呼びそうで困ってます~
放浪人
恋愛
「君との婚姻は無効だ。実家へ帰るがいい」
大聖堂の冷たい石畳の上で、辺境伯ロルフから突然「婚姻は最初から無かった」と宣告された子爵家次女のエリシア。実家にも見放され、身重の体で王都の旧市街へ追放された彼女は、絶望のどん底で愛娘クララを出産する。
生き抜くために針と糸を握ったエリシアは、持ち前の技術で不思議な力を持つ「祝布(しゅくふ)」を織り上げる職人として立ち上がる。施しではなく「仕事」として正当な対価を払い、決して土足で踏み込んでこない救恤院の監督官リュシアンの温かい優しさに触れエリシアは少しずつ人間らしい心と笑顔を取り戻していった。
しかし五年後。辺境を襲った疫病を救うための緊急要請を通じ、エリシアは冷酷だった元夫ロルフと再会してしまう。しかも隣にいる娘の青い瞳は彼と瓜二つだった。
「すまない。私は父としての責任を果たす」
かつての合理主義の塊だった元夫は、自らの過ちを深く悔い、家の権益を捨ててでも母子を守る「強固な盾」になろうとする。娘のクララもまた、危機から救ってくれた彼を「パパ」と呼び始めてしまい……。
だが、どんなに後悔されても、どんなに身を挺して守られても、一度完全に壊された関係が元に戻ることは絶対にない。エリシアが真の伴侶として選ぶのは、凍えた心を溶かし、温かい日常を共に歩んでくれたリュシアンただ一人だった。
これは、全てを奪われた一人の女性が母として力強く成長し誰にも脅かされることのない「本物の家族」と「静かで確かな幸福」を自分の手で選び取るまでの物語。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
三十年後に届いた白い手紙
RyuChoukan
ファンタジー
三十年前、帝国は一人の少年を裏切り者として処刑した。
彼は最後まで、何も語らなかった。
その罪の真相を知る者は、ただ一人の女性だけだった。
戴冠舞踏会の夜。
公爵令嬢は、一通の白い手紙を手に、皇帝の前に立つ。
それは復讐でも、告発でもない。
三十年間、辺境の郵便局で待ち続けられていた、
「渡されなかった約束」のための手紙だった。
沈黙のまま命を捨てた男と、
三十年、ただ待ち続けた女。
そして、すべてを知った上で扉を開く、次の世代。
これは、
遅れて届いた手紙が、
人生と運命を静かに書き換えていく物語。
真実の愛を見つけた王太子殿下、婚約破棄の前に10年分の王家運営費1.5億枚を精算して頂けます?
ぱすた屋さん
恋愛
「エルゼ、婚約を破棄する! 私は真実の愛を見つけたのだ!」
建国記念祭の夜会、王太子アルフォンスに断罪された公爵令嬢エルゼ。
だが彼女は泣き崩れるどころか、事務的に一枚の書類を取り出した。
「承知いたしました。では、我が家が立て替えた10年分の王家運営費――金貨1億5800万枚の精算をお願いします」
宝石代、夜会費、そして城の維持費。
すべてを公爵家の「融資」で賄っていた王家に、返済能力などあるはずもない。
「支払えない? では担保として、王都の魔力供給と水道、食料搬入路の使用を差し止めます。あ、殿下が今履いている靴も我が家の備品ですので、今すぐ脱いでくださいね?」
暗闇に沈む王城で、靴下姿で這いつくばる元婚約者。
下着同然の姿で震える「自称・聖女」。
「ゴミの分別は、淑女の嗜みですわ」
沈みゆく泥舟(王国)を捨て、彼女を「財務卿」として熱望する隣国の帝国へと向かう、爽快な論理的ざまぁ短編!
私が死んで満足ですか?
マチバリ
恋愛
王太子に婚約破棄を告げられた伯爵令嬢ロロナが死んだ。
ある者は面倒な婚約破棄の手続きをせずに済んだと安堵し、ある者はずっと欲しかった物が手に入ると喜んだ。
全てが上手くおさまると思っていた彼らだったが、ロロナの死が与えた影響はあまりに大きかった。
書籍化にともない本編を引き下げいたしました
【完結】20年後の真実
ゴールデンフィッシュメダル
恋愛
公爵令息のマリウスがが婚約者タチアナに婚約破棄を言い渡した。
マリウスは子爵令嬢のゾフィーとの恋に溺れ、婚約者を蔑ろにしていた。
それから20年。
マリウスはゾフィーと結婚し、タチアナは伯爵夫人となっていた。
そして、娘の恋愛を機にマリウスは婚約破棄騒動の真実を知る。
おじさんが昔を思い出しながらもだもだするだけのお話です。
全4話書き上げ済み。
過去1ヶ月以内にレジーナの小説・漫画を1話以上レンタルしている
と、レジーナのすべての番外編を読むことができます。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。
番外編を閲覧することが出来ません。
過去1ヶ月以内にレジーナの小説・漫画を1話以上レンタルしている
と、レジーナのすべての番外編を読むことができます。
このユーザをミュートしますか?
※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。