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番外編 ウィルヘルムの結婚
それぞれの思惑
「違います! 私は陛下を愛しています!」
いやいや。ムキになればなるほど嘘だと言っているようなものだ。エルフリーデ嬢は聡い令嬢だ。ウィル様のうわべに騙された私とは違うと思う。でもまぁ、そう言うならそうしておこう。
「失礼しました。それなら良かったですわ。エルフリーデ嬢が王妃になってくだされば、我が国とサイオトリス王国の未来も安心です」
私はできるだけ嘘に見えないように柔らかく微笑んだ。私もたぬき化しているかしら? 顔は元々たぬきだけど。
エルフリーデ嬢は疑いを晴らすかのように言葉を重ねる。
「陛下はいつもお優しく、私のことを気遣って下さります。いつも私の話を聞いてくれて、的確な助言を下さります。すべてを受け止め、受け入れてくれる懐の深さや、知識があるのにそれをひけらかさない思慮深さ、そして見目も麗しいし。とにかく陛下をお慕いしております」
はぁ? 本当にウィル様に騙されているのか? それとも私をウィル様に惹かれていると私を騙しているのか?
この間神様に頼んだ本当の心がわかる魔法はまだもらえていないが、私はこのエルフリーデ嬢の言葉は嘘のように感じる。先入観を持たずにフラットな心でエルフリーデ嬢を見てそう思う。
案外すでに本当の心が見える魔法を持っていたのかもしれない。
私はエルフリーデ嬢ににっこりと笑いかけた。
「そうですわね。陛下は素晴らしいお方ですものね。きっとエルフリーデ嬢の力になって下さるわ」
たぬき合戦じゃないわ。本当にウィル様はエルフリーデ嬢の力になる。でもそれはエルフリーデ嬢の為ではなく、自分の為に動いているのよね。それをエルフリーデ嬢は分かってないのかもしれない。ウィル様を騙してサイオトリス王国を王家を排除する為に利用しようとしていると思っているのかな。
「いつサイオトリスに戻られるのですか?」
「すぐにでも。陛下も同行してくださいます」
「そうですか? では、祝福の魔法をお掛けいたしましょう。神様からの祝福がありますように」
そう言ってエルフリーデのんびり頭に手をかざした。
エルフリーデ嬢と別れ、屋敷に戻る為にエントランスに向かっていると後ろから声をかけられた。
「よっ、久しぶりだな」
ウィル様だ。
「あら、今日はこちらでしたか」
「エルフリーデを迎えにサイオトリスから飛んできた」
「サイオトリスに?」
「あぁ、ヒューイ達暗部の連中がサイオトリスの国中を引っ掻き回してくれているので、そろそろエルフリーデに最後の仕上げをしてもらおうかと思ってな」
悪い顔で口角を上げる。
「最後の仕上げですか?」
「そう。最後の仕上げ。エルフリーデは元気そうだったか?」
面白がるような目で私の顔を覗きこむ。
「えぇ、でも少し後ろめたそうな感じでしたよ。ウィル様を騙しているからかしら?」
カマをかけてみた。ウィル様はエルフリーデ嬢のことをどう思っているのだろう?
「それは思い過ごしだ。あれはそんなタマじゃねぇよ。まだまだ甘いな。まぁ、その甘さがベルのいいとこだけどな」
そう言って私のあたまをわしゃわしゃと撫でる。
「ベルは今から起きることを観客席から見てればいい。じゃあな」
ウィル様はヘラヘラしながらひらひらと手を振りエルフリーデ嬢の部屋に向かっていった。
いよいよクーデターのはじまりか。戦争をしない、民の血を流さないで頭をすげかえるつもりらしいとジェフリー様から聞いていたし、さっきエルフリーデ嬢からも聞いたから、それほど驚かないが、こんな大きなことを起こす場面なのにヘラヘラしているウィル様はやっぱり鬼畜なんだろう。
属国にしたあとエルフリーデ嬢達をどうするのか? 本当に妃にするのか?
色々考えても仕方ない。観客席から見てろと言われたので、ここからは見守るしかない。
悪い人達以外は誰も傷つきませんようにと私は神に祈った。
いやいや。ムキになればなるほど嘘だと言っているようなものだ。エルフリーデ嬢は聡い令嬢だ。ウィル様のうわべに騙された私とは違うと思う。でもまぁ、そう言うならそうしておこう。
「失礼しました。それなら良かったですわ。エルフリーデ嬢が王妃になってくだされば、我が国とサイオトリス王国の未来も安心です」
私はできるだけ嘘に見えないように柔らかく微笑んだ。私もたぬき化しているかしら? 顔は元々たぬきだけど。
エルフリーデ嬢は疑いを晴らすかのように言葉を重ねる。
「陛下はいつもお優しく、私のことを気遣って下さります。いつも私の話を聞いてくれて、的確な助言を下さります。すべてを受け止め、受け入れてくれる懐の深さや、知識があるのにそれをひけらかさない思慮深さ、そして見目も麗しいし。とにかく陛下をお慕いしております」
はぁ? 本当にウィル様に騙されているのか? それとも私をウィル様に惹かれていると私を騙しているのか?
この間神様に頼んだ本当の心がわかる魔法はまだもらえていないが、私はこのエルフリーデ嬢の言葉は嘘のように感じる。先入観を持たずにフラットな心でエルフリーデ嬢を見てそう思う。
案外すでに本当の心が見える魔法を持っていたのかもしれない。
私はエルフリーデ嬢ににっこりと笑いかけた。
「そうですわね。陛下は素晴らしいお方ですものね。きっとエルフリーデ嬢の力になって下さるわ」
たぬき合戦じゃないわ。本当にウィル様はエルフリーデ嬢の力になる。でもそれはエルフリーデ嬢の為ではなく、自分の為に動いているのよね。それをエルフリーデ嬢は分かってないのかもしれない。ウィル様を騙してサイオトリス王国を王家を排除する為に利用しようとしていると思っているのかな。
「いつサイオトリスに戻られるのですか?」
「すぐにでも。陛下も同行してくださいます」
「そうですか? では、祝福の魔法をお掛けいたしましょう。神様からの祝福がありますように」
そう言ってエルフリーデのんびり頭に手をかざした。
エルフリーデ嬢と別れ、屋敷に戻る為にエントランスに向かっていると後ろから声をかけられた。
「よっ、久しぶりだな」
ウィル様だ。
「あら、今日はこちらでしたか」
「エルフリーデを迎えにサイオトリスから飛んできた」
「サイオトリスに?」
「あぁ、ヒューイ達暗部の連中がサイオトリスの国中を引っ掻き回してくれているので、そろそろエルフリーデに最後の仕上げをしてもらおうかと思ってな」
悪い顔で口角を上げる。
「最後の仕上げですか?」
「そう。最後の仕上げ。エルフリーデは元気そうだったか?」
面白がるような目で私の顔を覗きこむ。
「えぇ、でも少し後ろめたそうな感じでしたよ。ウィル様を騙しているからかしら?」
カマをかけてみた。ウィル様はエルフリーデ嬢のことをどう思っているのだろう?
「それは思い過ごしだ。あれはそんなタマじゃねぇよ。まだまだ甘いな。まぁ、その甘さがベルのいいとこだけどな」
そう言って私のあたまをわしゃわしゃと撫でる。
「ベルは今から起きることを観客席から見てればいい。じゃあな」
ウィル様はヘラヘラしながらひらひらと手を振りエルフリーデ嬢の部屋に向かっていった。
いよいよクーデターのはじまりか。戦争をしない、民の血を流さないで頭をすげかえるつもりらしいとジェフリー様から聞いていたし、さっきエルフリーデ嬢からも聞いたから、それほど驚かないが、こんな大きなことを起こす場面なのにヘラヘラしているウィル様はやっぱり鬼畜なんだろう。
属国にしたあとエルフリーデ嬢達をどうするのか? 本当に妃にするのか?
色々考えても仕方ない。観客席から見てろと言われたので、ここからは見守るしかない。
悪い人達以外は誰も傷つきませんようにと私は神に祈った。
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