【本編,番外編完結】私、殺されちゃったの? 婚約者に懸想した王女に殺された侯爵令嬢は巻き戻った世界で殺されないように策を練る

金峯蓮華

文字の大きさ
21 / 34

最終話 ありがとう♡

 私は結局、ジェフリー様と結婚した。

 王命だからではなく、ジェフリー様がいちばん信用できるし、安心できることがわかった。それに何よりも好きになってしまったからだ。

 ウィル様のせいで回帰前も回帰後も散々な目にあったけど、ジェフリー様と心が通じ合えたことだけが良かったのかもしれない。

 最初からジェフリー様を信じていれば良かったのだ。

 ジェフリー様に言われた。私はチョロくて簡単に騙される、だから絶対にいきなり信じない、ジェフリー様やお義父さま、お義母様に相談する。実家の父母でも構わない。必ず信用のできる家族の誰かに相談すること。決して自分だけで判断し、行動しないこと。だから今はなんでもジェフリー様や家族に話す事にしている。

「ベルは私に守られていればいい、もう危ない目に合わせたくないよ。誰にもベルを利用させないからね」

 ジェフリー様は笑っているが圧が凄い。

 国王がウィル様の盛った毒のせいで亡くなってすぐ、ウィル様が国王になった。表向きの死因は原因不明の病。グリーデン公爵と同じ病なので、伝染病だったのかもしれないと宮廷医師は発表した。

 もちろん宮廷医師もウィル様の手下だ。

 邪魔者達が消えたので、ウィル様は国王としてのびのび仕事をしている。ただ、私のささやかな復讐のため、時々苦しんでいるようだ。

 私は回帰前の世界で死んだ後、あの世で神様からお詫びにともらったチートな力は身体に関する事に使える魔法だった。

 そしてそれを使って私はウィル様にささやかな復讐をした。

 どんな復讐かって?

 それはね。お腹が弱くなる魔法をかけたの。呪いと言った方がいいかもね。

 すぐお腹が痛くなり、ピーピーになる魔法。死ぬまでずっとちょっとしたことでピーピーになるの。

 ウィル様はそれを私がかけた魔法のせいだとは気が付いていない。

 微妙に身体も心も辛いでしょ?

 ウィル様は私がそんな魔法を使えるなんて知らないから疑いようも無いし、緩い魔法なので解呪方法もない。

 ジェフリー様はすぐに青い顔をしてお手洗いに駆け込むウィル様を見て、「大丈夫ですか? 薬飲みますか?」と心配そうな顔をしているがお腹の中で笑っている。

 あれからジェフリー様もウィル様に負けじと少しづつ腹黒になってきているみたいだ。

 ウィル様は人間としてはクズだが、国王としては腹黒手腕を発揮して、我が国はどんどん発展している。平民にも優しい法律をたくさん作ったので、民から人気がある。
 
 民は若き国王が人間としてはクズだと知らないものね。

 ウィル様は最近、王太后様に結婚しろとうるさく言われ、お飾りの王妃候補を探しているようだ。

 駒になりそうな高位貴族の令嬢を探してくれとジェフリー様に命令したらしいが、ジェフリー様はもちろん「いません」と断ったと笑っていた。

 セレスに「ウィル様と結婚したら?」と言ってみたが「あんなクズで腹黒で毎日ピーピーしてる男なんか嫌よ」と本気で嫌がっていた。セレスはいずれ婿を取り、辺境伯家を継ぐそうだ。

 ヒューイ様はヨーセット王国に戻った。あの後「敵を欺くために私を欺き、怖い思いをさせて申し訳なかった」と謝ってくれ、せめてものお詫びにと慰謝料をたくさんくれた。
 
 そうそう、ウィル様もクロフォード家とノバック家に領地と慰謝料をくれた。ウィル様の事は、お金や土地なんかで許すつもりはないけどくれるものはもらっておいた。

 ジェフリー様は今、この国に宰相としてウィル様を支えている。
 
 ジェフリー様にあまり理不尽なことをしたら、私はウィル様に、こっそり単発でぎっくり腰になる魔法や寝違える魔法、肩や膝が痛くなる魔法をかけて仕返ししてこっそり笑っている。


 何の因果で2回も同じ人生を生きることになったのかわからないけど、今が幸せだからまぁいいのかなと思う。

 神様がくれた身体の事に関する魔法で身近な人の健康管理をしたり、ちょっとした怪我や病気を治している。

 良いこともしているのよ。

 今は二人の子供に恵まれ、次期公爵夫人になるためにお義母様に鍛えられる毎日を楽しく過ごしている。

 どんな時も一途に私を思ってくれていたジェフリー様のおかげで今の幸せがあるのだと思う。

 ジェフリー様、ウィル様が何がしたら、ささやかな嫌がらせをして痛い目に遭わすからね。

 ジェフリー様、神様、ありがとう。

 私はとっても幸せです。

 巻き戻って本当に良かった。

             了


***
 皆さんありがとうございました。
これで完結となります。
 ベルがウィルにしたささやかな復讐喜んでいただけましたでしょうか。

 クズでも国王としては能力の高いウィルは平和でみんなが幸せな国を作っているようです。ただお腹はピーピーですが。
 いつかお嫁さんがくるといいですね。

 それでは、次回作もよろしくお願いします。
***
感想 91

あなたにおすすめの小説

【完結/番外追加】恋ではなくなったとしても

ねるねわかば
恋愛
​十一年前、彼女は納得して切り捨てられた。 ​没落した貴族家の令嬢アリーネは、王都の社交サロンで同伴者として生きる道を選んだ。 ​歳月は、すべてを思い出に変えたはずだった。 会うたびにかつての婚約者を目で追うのは、ただの癖。 ​今ある思いは、恋ではない。 名がつくことのない二人の関係は、依頼主と同伴者となり、またその形を変えていく。 2万字くらいのお話です。

婚約者が私のことをゴリラと言っていたので、距離を置くことにしました

相馬香子
恋愛
ある日、クローネは婚約者であるレアルと彼の友人たちの会話を盗み聞きしてしまう。 ――男らしい? ゴリラ? クローネに対するレアルの言葉にショックを受けた彼女は、レアルに絶交を突きつけるのだった。 デリカシーゼロ男と男装女子の織り成す、勘違い系ラブコメディです。

婚約破棄を申し入れたのは、父です ― 王子様、あなたの企みはお見通しです!

みかぼう。
恋愛
公爵令嬢クラリッサ・エインズワースは、王太子ルーファスの婚約者。 幼い日に「共に国を守ろう」と誓い合ったはずの彼は、 いま、別の令嬢マリアンヌに微笑んでいた。 そして――年末の舞踏会の夜。 「――この婚約、我らエインズワース家の名において、破棄させていただきます!」 エインズワース公爵が力強く宣言した瞬間、 王国の均衡は揺らぎ始める。 誇りを捨てず、誠実を貫く娘。 政の闇に挑む父。 陰謀を暴かんと手を伸ばす宰相の子。 そして――再び立ち上がる若き王女。 ――沈黙は逃げではなく、力の証。 公爵令嬢の誇りが、王国の未来を変える。 ――荘厳で静謐な政略ロマンス。 (本作品は小説家になろう、カクヨムにも掲載中です)

【完結】白い結婚をした悪役令嬢は田舎暮らしと陰謀を満喫する

ツカノ
恋愛
「こんな形での君との婚姻は望んでなかった」と、私は初夜の夜に旦那様になる方に告げられた。 卒業パーティーで婚約者の最愛を虐げた悪役令嬢として予定通り断罪された挙げ句に、その罰としてなぜか元婚約者と目と髪の色以外はそっくりな男と『白い結婚』をさせられてしまった私は思う。 それにしても、旦那様。あなたはいったいどこの誰ですか? 陰謀と事件混みのご都合主義なふんわり設定です。

殺された伯爵夫人の六年と七時間のやりなおし

さき
恋愛
愛のない結婚と冷遇生活の末、六年目の結婚記念日に夫に殺されたプリシラ。 だが目を覚ました彼女は結婚した日の夜に戻っていた。 魔女が行った『六年間の時戻し』、それに巻き込まれたプリシラは、同じ人生は歩まないと決めて再び六年間に挑む。 変わらず横暴な夫、今度の人生では慕ってくれる継子。前回の人生では得られなかった味方。 二度目の人生を少しずつ変えていく中、プリシラは前回の人生では現れなかった青年オリバーと出会い……。

【完結】今さら執着されても困ります

リリー
恋愛
「これから先も、俺が愛するのは彼女だけだ。君と結婚してからも、彼女を手放す気はない」 婚約者・リアムが寝室に連れ込んでいたのは、見知らぬ美しい女だった―― アンドレセン公爵令嬢のユリアナは、「呪われた子」として忌み嫌われながらも、政略結婚によりクロシェード公爵家の嫡男・リアムと婚約し、彼の屋敷に移り住んだ。 いつか家族になれると信じて献身的に尽くすが、リアムの隣にはいつも、彼の幼馴染であり愛人のアリスがいた。 蔑まれ、無視され、愛人の引き立て役として扱われる日々。 ある舞踏会の日、衆前で辱めを受けたユリアナの中で、何かがプツリと切れる。 「わかりました。もう、愛される努力はやめにします」 ユリアナがリアムへの関心を捨て、心を閉ざしたその夜。彼女は庭園で、謎めいた美しい青年・フィンレイと出会う。 彼との出会いが、凍りついていたユリアナの人生を劇的に変えていく。 一方、急に素っ気なくなったユリアナに、リアムは焦りと歪んだ執着を抱き始める。 ・全体的に暗い内容です。 ・注意喚起を含む章は※を付けています。

元カレの今カノは聖女様

abang
恋愛
「イブリア……私と別れて欲しい」 公爵令嬢 イブリア・バロウズは聖女と王太子の愛を妨げる悪女で社交界の嫌われ者。 婚約者である王太子 ルシアン・ランベールの関心は、品行方正、心優しく美人で慈悲深い聖女、セリエ・ジェスランに奪われ王太子ルシアンはついにイブリアに別れを切り出す。 極め付けには、王妃から嫉妬に狂うただの公爵令嬢よりも、聖女が婚約者に適任だと「ルシアンと別れて頂戴」と多額の手切れ金。 社交会では嫉妬に狂った憐れな令嬢に"仕立てあげられ"周りの人間はどんどんと距離を取っていくばかり。 けれども当の本人は… 「悲しいけれど、過ぎればもう過去のことよ」 と、噂とは違いあっさりとした様子のイブリア。 それどころか自由を謳歌する彼女はとても楽しげな様子。 そんなイブリアの態度がルシアンは何故か気に入らない様子で… 更には婚約破棄されたイブリアの婚約者の座を狙う王太子の側近達。 「私をあんなにも嫌っていた、聖女様の取り巻き達が一体私に何の用事があって絡むの!?嫌がらせかしら……!」

【番外編も完結】で、お前が彼女に嫌がらせをしている理由を聞かせてもらおうか?

Debby
恋愛
ヴェルトが友人からの手紙を手に辺境伯令嬢であるレィディアンスの元を訪れたのは、その手紙に「詳細は彼女に聞け」と書いてあったからだ。 簡単にいうと、手紙の内容は「学園で問題を起こした平民──エボニーを妻として引き取ってくれ」というものだった。 一方その話を聞いてしまった伯爵令嬢のオリーブは動揺していた。 ヴェルトとは静かに愛を育んできた。そんな自分を差し置いて、言われるがまま平民を妻に迎えてしまうのだろうか。 そんなオリーブの気持ちを知るはずもないエボニーは、辺境伯邸で行儀見習いをすることになる。 オリーブは何とかしてヴェルトを取り戻そうと画策し、そのことを咎められてしまう。もう後は無い。 オリーブが最後の望みをかけてヴェルトに自分を選んで欲しいと懇願する中、レィディアンスが静かに口を開いた。 「で、そろそろお前が彼女に嫌がらせをしている理由を聞かせてもらおうか」 「はい?」 ヴェルトは自分が何を言われたのか全く理解が出来なかった。 *--*--* 覗いてくださりありがとうございます。(* ᴗ ᴗ)⁾⁾ ★2/17 番外編を投稿することになりました。→完結しました! ★★「このお話だけ読んでいただいてもOKです!」という前提のもと↓↓↓ このお話は独立した一つのお話ですが、「で。」シリーズのサイドストーリーでもあり、第一弾「で、私がその方に嫌がらせをする理由をお聞かせいただいても?」の「エボニーその後」でもあります(あるいは「最終話」のその後)。 第一弾「で、私がその方に嫌がらせをする理由をお聞かせいただいても?」 第二弾「で、あなたが私に嫌がらせをする理由を伺っても?」 第三弾「で、あなたが彼に嫌がらせをする理由をお話しいただいても?」 どれも女性向けHOTランキングに入り、特に第二弾はHOT一位になることが出来ました!(*´▽`人)アリガトウ もしよかったら宜しくお願いしますね!