【完結】冤罪で処刑された令嬢は、幽霊になり復讐を楽しむ

金峯蓮華

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レティシア・バーレント

29話 手合わせ

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 ジークハルト様は軍隊の責任者だそうだ。あの時は子供だったが、今はもう立派な大人だ。

 ヴェルナー様よりもずっと王太子に向いていたのに、兄と揉めないために他国へ留学していた。

 私の死で、ヴェルナー様が廃籍されたため、またアレンス王国に戻ってきたのだな。

 でも、ジークハルト様が王太子でよかった。ヴェルナー様が王太子のままだったらきっと逃げ惑うだけだっただろう。

「副隊長、私も鍛錬に参加してもいいかしら?」

「もちろんです。しごいてやって下さい」

 副隊長の言葉にジークハルト様は目がテンになっているようだ。

「レティシア姫、鍛錬ですか?」

「はい」

 笑顔で答える。

 横にいる副隊長は笑いをこらえるのが大変なようだ。

「殿下、こう見えて姫はお強いんですよ。剣術の競技会で総合優勝したこともあります。あれは確か、剣術、弓、馬術でしたかね。姫は自分より身体の大きな男達をバッタバッタと倒してるいきました。私なんて絶対勝てません」

 そんな言い方をしたら、私が化け物みたいじゃない?

 引かれているかもしれないと、ジークハルト様の顔を見たら、にこやかだった。

「お手合わせ願えるだろうか? 我が国のレティシア嬢とよく手合わせをしたんだ。その頃は私はまだ幼くて、全く歯が立たなかった。彼女は美して強かったんだ」

 あらま。そんなに褒められたら困るわ。
あの頃はまだ、ジークハルト様は12歳くらいだったかしら。小柄で可愛かったわ。私は大きかったからそりゃ勝てなかったわよね。

「はい。喜んで。お手柔らかにお願いします」

「こちらこそ」

 私はドレスだったので、ズボンに着替え、自分の剣を手に持った。

「お待たせしました」

「では、お手合わせ願いましょう」

「私が審判をします」

 副隊長の審判で試合が始まった。

 以前とは全く違う手だ。身体の大きさが変わったからか? でも、動きはわかる。
私は剣をすっと出した。

「そこまで!」

 副隊長の声がした。

「勝者、レティシア姫!」

 良かった。なんとか勝てた。

 膝をついているジークハルト様がズボンについた土を払いながら立ち上がる。

「完敗です。レティシア姫、強いですね。次は負けませんよ。しっかり鍛錬してまた挑みます」

 太陽のような明るい笑顔で手を出した。
「ジークハルト様もお強いです。楽しかったわ。また手合わせ致しましょう」

「はい、ジークと呼んでくれますか?」

「もちろんです。では、私のことはレティと」

 私達は握手をした。

 久しぶりに会ったジークハルト様と剣を交えた時間はとても楽しかった。義弟になるはずだったジークハルト様と意気投合してしまった。


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