【完結】王子から婚約解消されましたが、次期公爵様と婚約して、みんなから溺愛されています

金峯蓮華

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薔薇園

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*途中からユリウス視点になります。ユリウスどんどんヤバい人になっていくような。
 非の打ち所のない完璧なイケメンの設定なんですがね~*


 薔薇園はあちこちに薔薇が咲き乱れ、本当に素敵だった。

 私が嬉しそうに薔薇を見ていると手を繋いだまま離してくれないユリウス様がニコニコしている

「そんなに薔薇が好きな屋敷の庭に薔薇を植えようか。そうだなうちに薔薇園を作ろう」

「嬉しいです」

 私は薔薇の花が大好き。

 公爵家の庭は広いので薔薇園ができると嬉しい。

 私は嬉しくてユリウス様の顔を見て微笑んだ。

 ユリウス様はお顔が赤いわ。やっぱり熱があるのかしら?


「ユリウス様、お花を摘みに行きたいです」

「気が付かなくて申し訳ない。女性の護衛を連れてくればよかった」

「大丈夫ですわ。ちょっと行って参ります」

 私は御手洗いをすませ、ユリウス様のところへ戻ろうと歩いていた。


「ねぇ、ちょっとあなた!」

 どこかの令嬢が怖い顔をして私の腕を掴んだ。
 しっかりしたお化粧。華やかなドレス。髪もこれでもかというくらい整えている。  

 香水の匂いもキツい。これではせっかくの薔薇の香りが消されてしまう。

「あなたユリウス様の何? 
 
 あなたみたいな子供がユリウス様と馴れ馴れしく手なんか繋いでどういう事なの! 

 ユリウス様には私の方が相応しいわ。
ユリウス様から離れなさい。
 さもなくば痛い目に遭ってもらいますわよ」

 痛い目? 今日は痛い目にあわされそうになる日だな。

 この人がユリウス様に相応しい? 
 どうなんだろう? 
 私にはわからないけど、お義母さまの嫌いなタイプだな。

「ヴィオ! 帰りが遅いから心配になって迎えにきたよ」

 おっと、ユリウス様きたか。話がややこしくなりそうだな。

「ユリウス様も薔薇園にいらしていたのですね。こんなところでお会いするなんて運命ですわ」

 華やか令嬢はユリウス様の腕を掴もうとしている。

 パシッ!

 あら、ユリウス様、払っちゃった。

「私はあなたを存じません。
 
 名前を呼ぶ許可もしていない。

 馴れ馴れしく話しかけないでいただきたい」

 怖いんですけど、こんなユリウス様初めて見たわ。

 華やか令嬢は気にする様子もない。

「まぁ、夜会で何度か顔を合わせておりますわ」

「夜会は殿下の護衛として参加しているので、どなたとも挨拶はしてない」

「挨拶はまだしておりません。今ここで」

「結構! 私は挨拶を交わすつもりはない。私の大事な時間を邪魔しないでいただきたい」

 寒い寒い。

 なんだか気温が下がってきてないですか? ユリウス様絶対怒ってるよ~。

「ユリウス様、こんな子供みたいな子より、私と一緒に薔薇を愛でましょう。ユリウス様には私の方が似合うと思うの」

「誰に言っているのだ。私の婚約者を侮辱することは許さない」

「え~! こんな子が婚約者なのですか? お可哀想に政略結婚ですのね。
 無理矢理婚約させられたんだわ。あなた! 身の程を知り、身を引きなさい!」

「黙れ! 私は筆頭公爵家の嫡男。どの家門とも政略結婚する必要などない。
 私が望んだ婚約だ。貴様は自分がした事をわかっているのか? 
 筆頭公爵家の嫡男の婚約者を侮辱しのだぞ。身の程を知るのは貴様だ!」

 あらあら、なんだか大変な事になってきたなぁ。
 私は別にいいんだけど、ユリウス様がこんだけ怒っちゃったらこの華やか令嬢さんの未来は暗いなぁ。



「娘が何か粗相をいたしましたでしょうか」

 華やか令嬢のお父様らしき人が走ってきた。

「私に馴れ馴れしく近づき、我が婚約者を侮辱した。
 この件については我がアルブラン公爵家から改めて抗議させていただく」

「申し訳ございません。娘にはよく言って聞かせますのでご容赦くださいませ」

 華やか令嬢のお父様らしき人は頭を下げている。

「私が許したとしても父母はどうするかな。屋敷に戻って楽しみに待っているがいい」


「セバス、すぐに屋敷に連絡してくれ」
「承知しました」


「ヴィオ、大丈夫か。私のせいで辛い思いをさせてしまった。ここで斬り殺してもよかったが……」

「ユリウス様、それはだめです。
 私は何とも思っておりませんわ。あんな令嬢は今までにも沢山おりましたし、慣れてますわ」

 ユリウス様は怒られたわんこみたいにしゅんとしている。

「さぁ、気を取り直して、薔薇を見に行きましょう」

 私はにっこり笑った。



ーユリウス視点ー

 あの女、斬り殺してやりたい。

 ヴィオがいるから我慢したが、本当なら切り刻んでいた。

 あれは、キサナマバ伯爵だな。

 潰してやろうか。

 まぁ、私が直接手を下さなくても、母上がこの事を知ればどうなるかはわかっている。

 セバスに知らせるよう頼んどこう。


「さぁ、気を取り直して薔薇を見に行きましょう」

 ヴィオは健気だ。あんな事を言われてどれほど傷ついているかと思うと苦しくて死にそうだ。

 それなのに、私を気遣って明るく振る舞っている。

 やっぱり庭に薔薇園を作ろう。ヴィオをあんな輩に会わすことはあってはならない。

 領地の屋敷の庭にも薔薇園を作ろう。ヴィオを屋敷から出さないように、ヴィオの好きなものは屋敷の敷地になんでも揃えよう。

 やっぱりヴィオは外に出してはいけない。私が守る。私だけのヴィオだ。
 誰にも見せたくない。ヴィオの瞳に私以外の者を映したくない。

 薔薇は適当に見て、早く屋敷に戻ろう。私は薔薇より、ヴィオを見ていたい。

 ヴィオを傷つけるものは許さない。

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