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ケビン殿下
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王宮でアンソニー殿下や王妃様、ライアン殿下らと打ち合わせをする。
クリスティーナ嬢も念の為、アルブラン家に避難させたと殿下から聞いた。
「いいわね。私もアルブラン家に行きたいわ。きっと今頃はみんなでアップルパイを食べているはずよ」
王妃様は悔しそうだ。
「それにしても、ケビンはなんで戻ってきたのだろうな?」
「あいつは復讐なんて考えるような奴じゃない」
「そうだね。ケビン兄様は復讐して、国王になるより、南の国で美女に囲まれてデレデレ生きる方を選択する人だと思うけどね」
アンソニー殿下もライアン殿下も、兄弟なのに容赦ない。
「リットレ卿でしょう。あの男が復讐のためにケビンを使ってるんだと思うわ」
リットレ卿は処刑された王弟殿下の側近で、あの当時、他国に滞在していて断罪を免れた。しかし、王弟の関係者ということで入国禁止になったはずだ。
「もし、謀反が成功していれば、リットレ卿も要職につけたはずよ。それなのに身分剥奪の上、入国禁止ですものね。ケビンを担ぎ上げてまた謀反を起こそうとしてるのかしらね」
王妃様は扇子を口に当てている。それにしても王妃様といい、母上といい、クリスティーナ嬢といい、高位な女性はどうしてこんなに腹黒策士なのだろう。
私はヴィオのことを思い出し、早く面倒事を片付けて、結婚して領地に籠りたいと思った。
「私は騎士団と合流します」
「頼む。見つけたら殺さないでくれよ。尋問したいからな」
「承知しました」
何が尋問だよ。拷問のまちがいじゃないのか?
何をするつもりで舞い戻ったのか知らないが、処分されるだけなのに愚かだ。あのまま南の国で堕落した生活を送っていればいいものを。
私は魔法で姿を消し2人が滞在していると情報があった屋敷に潜入した。
「リットレ、もう南の国に戻してくれよ。俺は復讐なんて興味ないんだ。母上やマリアンヌが処分されたのは身から出た錆だろう? あのふたりは金を湯水のように使い、気に入らない奴は酷い目に遭わせていた。王妃様にとって代ろうなんて身の程知らずなんだよ」
「殿下、何をおっしゃっているのですか。王弟殿下と共に、悪しきこの国を良い国に変えると約束したではありませんか。それなのに真実の愛を見つけただの戯言を言い、消えておしまいになるとは情けないです」
あの声はケビン殿下とリレット卿だな。
私はふたりの会話に耳を澄ませた。
「今からでも遅くありません。元婚約者のヴィオレッタ嬢を誘拐し、盾にしましょう。無理矢理手篭めにして言う事を聞かせるのです。ヴィオレッタ嬢さえこちらの手にあればあの者達は動くこともできますまい」
「嫌だよ。南の国に帰してくれ。国王になんかなりたくない。めんどくさいよ。それにヴィオレッタみたいな色気のない女を手篭めになんかできないよ。その気になれない。俺はもっと豊満な色気のある女が好きなんだ。南の国はそんな女だらけで俺にはパラダイスなんだよ。な~帰してくれよ」
やっぱり馬鹿だ。ヴィオは実は豊満なんだよ。まぁ、お前なんぞは知らなくていいがな。
リレット卿、よくこんな男を担ぎ上げようとしたな。自分で情けなくならないのか?
「そうはいきません。あなた様には仇を討っていただきます」
このエネルギー? 魔法だな。
魔法で操るつもりか?
ケビン殿下の顔つきが変わったな。間違いない傀儡魔法だ。
私は影をここに置き、王宮に戻り、ケビン殿下がリレット卿に傀儡魔法にかけられていることを報告した。
*第2王子→ケビン
王女→マリアンヌ
やっと名前がつきました。
クリスティーナ嬢も念の為、アルブラン家に避難させたと殿下から聞いた。
「いいわね。私もアルブラン家に行きたいわ。きっと今頃はみんなでアップルパイを食べているはずよ」
王妃様は悔しそうだ。
「それにしても、ケビンはなんで戻ってきたのだろうな?」
「あいつは復讐なんて考えるような奴じゃない」
「そうだね。ケビン兄様は復讐して、国王になるより、南の国で美女に囲まれてデレデレ生きる方を選択する人だと思うけどね」
アンソニー殿下もライアン殿下も、兄弟なのに容赦ない。
「リットレ卿でしょう。あの男が復讐のためにケビンを使ってるんだと思うわ」
リットレ卿は処刑された王弟殿下の側近で、あの当時、他国に滞在していて断罪を免れた。しかし、王弟の関係者ということで入国禁止になったはずだ。
「もし、謀反が成功していれば、リットレ卿も要職につけたはずよ。それなのに身分剥奪の上、入国禁止ですものね。ケビンを担ぎ上げてまた謀反を起こそうとしてるのかしらね」
王妃様は扇子を口に当てている。それにしても王妃様といい、母上といい、クリスティーナ嬢といい、高位な女性はどうしてこんなに腹黒策士なのだろう。
私はヴィオのことを思い出し、早く面倒事を片付けて、結婚して領地に籠りたいと思った。
「私は騎士団と合流します」
「頼む。見つけたら殺さないでくれよ。尋問したいからな」
「承知しました」
何が尋問だよ。拷問のまちがいじゃないのか?
何をするつもりで舞い戻ったのか知らないが、処分されるだけなのに愚かだ。あのまま南の国で堕落した生活を送っていればいいものを。
私は魔法で姿を消し2人が滞在していると情報があった屋敷に潜入した。
「リットレ、もう南の国に戻してくれよ。俺は復讐なんて興味ないんだ。母上やマリアンヌが処分されたのは身から出た錆だろう? あのふたりは金を湯水のように使い、気に入らない奴は酷い目に遭わせていた。王妃様にとって代ろうなんて身の程知らずなんだよ」
「殿下、何をおっしゃっているのですか。王弟殿下と共に、悪しきこの国を良い国に変えると約束したではありませんか。それなのに真実の愛を見つけただの戯言を言い、消えておしまいになるとは情けないです」
あの声はケビン殿下とリレット卿だな。
私はふたりの会話に耳を澄ませた。
「今からでも遅くありません。元婚約者のヴィオレッタ嬢を誘拐し、盾にしましょう。無理矢理手篭めにして言う事を聞かせるのです。ヴィオレッタ嬢さえこちらの手にあればあの者達は動くこともできますまい」
「嫌だよ。南の国に帰してくれ。国王になんかなりたくない。めんどくさいよ。それにヴィオレッタみたいな色気のない女を手篭めになんかできないよ。その気になれない。俺はもっと豊満な色気のある女が好きなんだ。南の国はそんな女だらけで俺にはパラダイスなんだよ。な~帰してくれよ」
やっぱり馬鹿だ。ヴィオは実は豊満なんだよ。まぁ、お前なんぞは知らなくていいがな。
リレット卿、よくこんな男を担ぎ上げようとしたな。自分で情けなくならないのか?
「そうはいきません。あなた様には仇を討っていただきます」
このエネルギー? 魔法だな。
魔法で操るつもりか?
ケビン殿下の顔つきが変わったな。間違いない傀儡魔法だ。
私は影をここに置き、王宮に戻り、ケビン殿下がリレット卿に傀儡魔法にかけられていることを報告した。
*第2王子→ケビン
王女→マリアンヌ
やっと名前がつきました。
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