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側近になるの?

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 私の誕生日が近づいてきた。誕生日が過ぎたらいよいよ結婚式。

 ドレスの仮縫いは済んだし、指輪も出来てきた。
 あとは式を待つばかりなのだけれど、なんだか実感が湧かない。

 私は今日ものんびりヴィオ様とお茶会をしている。

 「ヴィオ達の結婚式、もっと派手にすればいいのに」
「ユリウス様がほんとなら領地でやりたいと言うのをお義母さまが「馬鹿じゃないの!」と激怒して、なんとか中央教会でやることになりましたのよ。ユリウス様は私をあまり人前に出すのはお嫌みたいなのです。やはり見目が良くないからでしょうかね」

 ユリウス様は、私を人前に出したくないようで、デビュタントは結婚してからでいいし、夜会や茶会も最低限でいいとおっしゃる。
 確かに私は平凡な顔で、あの見目麗しいユリウス様と並ぶとその平凡さが増すような気がする。

「馬鹿ね~。あの狭量な男はヴィオを独り占めしたいのよ。ほかの男にヴィオを見られるのも嫌なの。結婚したらヴィオを領地に閉じ込めて独り占めしようとしてたのよ」

 ん? 確かに領地にい引っ込むと言っていたけど。

「もちろんアンソニーが阻止したわ。アンソニーはこれからもユリウスをこき使うつもりだもの。それに結婚したら、ヴィオにも私の側近として城に来てほしいの」
「クリス様の側近ですか?」
「そう、ヴィオは有能だし、裏表がないから安心なのよ。貴族なんて裏表があるひとだらけでしょ。あっ、これ王命だからね。私からのお願いだったら、ユリウスに握り潰されちゃうでしょ? 王命としてアルブラン公爵家にだしてもらったわ。王妃様やアルブラン公爵夫人もOKしてるから決定ね」
「クリス様とは長いお付き合いになりそうですね」
「そうね。ヴィオは妹であり、戦友であり、親友だもの。私は私の子供とヴィオの子供を結婚させるつもりよ」

 クリス様は私以外には完璧な侯爵令嬢と思われている。猫を被るのがとても上手い。

 私の前では、言葉遣いも良くないし、悪口や噂話も好きだし、お行儀も良くない。でも私はどちらのクリス様もとっても好きだ。

 クリス様はきっと凄い王妃様になると思う。
 アンソニー殿下も今の国王様とは違うタイプだし、ふたりが即位したら我が国はもっと発展するだろうな。

 私は少しでもそのお役に立てればうれしい。

「ヴィオ、子育ても一緒にしましょうね」
 クリス様は花のように微笑む。

 子育てか~。

まだまだ結婚もピンときてないのに子育てか。

 まだ自分が子供なのに大丈夫かな?


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