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最終話 幸せ
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あれから10年経った。
私の周りは色々な変化があった。私はあれから公爵夫人としての仕事をしながら王妃様となったクリス様の名ばかりの側近として定期的にお城に上がり、お茶をしたり、お話をしたり、子供同士を遊ばせている。
クリス様には王子様と王女様がいる。私には息子がひとりいる。この子は将来、王女と結婚してアルブラン家を継ぐ。
アルブラン家は代々子供は男子ひとりだそうで、この子だけかなと思っていたら今、お腹にもうひとりいる。
お義父さまやお義母さまは女の子が希望だそうで、生まれる前から女の子用の色んなものを買い込んでいる。私はどちらでもいいんだけどね。
ユリウス様は相変わらず忙しい。公爵の仕事と国王の側近の仕事でバタバタしているが、私の事は新婚時代と変わりなく大切にしすぎるくらい大切にしてくれている。
でも息子と私を取り合って揉めるのだけはやめてほしい。
いちばん変わったのは隣国が北の大国の属国になったことだろうか。
王太子だったルー兄さまが北の王女と結婚してしばらくして戦争になった。
元々隣国は不安定でいつも小さな争いをしていたが、些細な事で北の大国との間に亀裂が生じ、そこから戦争になった。
だが、力の差がありすぎてあっという間に北の大国の勝利で終わった。
隣国は今は北の大国出身の王妃中心に国を動かしている。ルー兄様と側妃のリリアーナは戦争の責任をとって処刑されたそうだ。元国王、王妃、ライザはどうなったかわからない。
フィルは私が結婚した年に愛する人と一緒に我が国に留学した。リリアーナがルー兄さまの側妃になった為に婚約破棄したので、愛する人と結婚できた。
愛する人は我が国の侯爵の養子になり、隣国の王家と縁を切りたがっていたフィルは廃嫡を申し出てその入婿になった。今は侯爵の仕事をしながら国王の側近として腕をふるっている。
弟のリカルドは東の国の第3王女と結婚し、メトロファン伯爵家を継いでいる。
私自身はたい
して何も変わっていない。本当なら、第2王子と結婚し、大公夫人になっていたのかな? それとも側妃様は第2王子を国王にしたかったみたいだから、謀叛を起こして私も一緒に処刑されていたかもしれないな。
「母さま、おばあさまが帰って来られましたよ~」
お義母さまは「領地に引っ込むわ」と口癖のように言っているが、全然引っ込む気配もなく、行ったり来たりしている。
商会の仕事もあり、相変わらず多忙だ。
今はまだ同じ屋敷に住んでいる。心強いがついつい甘えてしまう。これが私が成長できない原因かもしれない。
まぁ、お義母さまのようになるのは無理だろう。私は私なりの公爵夫人になればいいとみんなが言ってくれる。
この年になり、子供もいるのに甘やかされてばかりだ。
「ヴィオちゃんの好きなお菓子を買ってきたわよ~。お茶にしましょう」
「はーい」
毎日が幸せだ。
王子から婚約解消されたが、ユリウス様と婚約し、まわりのみんなから溺愛されている。あの日こんなに幸せになるなんて思わなかった。
ほんとに人生なんてどうなるかわからないものだ。
「お義母さま、これからもよろしくお願いします」
「まぁ、どうしたの? 私は一生ヴィオちゃんを大切にするわよ。ヴィオちゃんはアルブラン公爵家の宝ですもの」
痛い。お腹が痛い。
「ヴィオちゃん、生まれそうだわね。先生を呼ぶわ」
その日の夜中に私は女の子を産んだ。アルブラン公爵家にとって何代かぶりに生まれた女の子なので大騒ぎになった。
この子には好きな人と結婚してほしい。そして私のように幸せになってほしいと思う。
〈了〉
*皆さん、お読みいただきまして、ありがとうございました。
短編のつもりで描き始めたのですが、思いの外、長くなってしまいました。
「魅了が解けた元王太子と結婚させられてしまいました。何で私なの? 勘弁してほしいわ」の連載を開始しました。このお話も楽しんでいただけるとうれしいです*
私の周りは色々な変化があった。私はあれから公爵夫人としての仕事をしながら王妃様となったクリス様の名ばかりの側近として定期的にお城に上がり、お茶をしたり、お話をしたり、子供同士を遊ばせている。
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アルブラン家は代々子供は男子ひとりだそうで、この子だけかなと思っていたら今、お腹にもうひとりいる。
お義父さまやお義母さまは女の子が希望だそうで、生まれる前から女の子用の色んなものを買い込んでいる。私はどちらでもいいんだけどね。
ユリウス様は相変わらず忙しい。公爵の仕事と国王の側近の仕事でバタバタしているが、私の事は新婚時代と変わりなく大切にしすぎるくらい大切にしてくれている。
でも息子と私を取り合って揉めるのだけはやめてほしい。
いちばん変わったのは隣国が北の大国の属国になったことだろうか。
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元々隣国は不安定でいつも小さな争いをしていたが、些細な事で北の大国との間に亀裂が生じ、そこから戦争になった。
だが、力の差がありすぎてあっという間に北の大国の勝利で終わった。
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愛する人は我が国の侯爵の養子になり、隣国の王家と縁を切りたがっていたフィルは廃嫡を申し出てその入婿になった。今は侯爵の仕事をしながら国王の側近として腕をふるっている。
弟のリカルドは東の国の第3王女と結婚し、メトロファン伯爵家を継いでいる。
私自身はたい
して何も変わっていない。本当なら、第2王子と結婚し、大公夫人になっていたのかな? それとも側妃様は第2王子を国王にしたかったみたいだから、謀叛を起こして私も一緒に処刑されていたかもしれないな。
「母さま、おばあさまが帰って来られましたよ~」
お義母さまは「領地に引っ込むわ」と口癖のように言っているが、全然引っ込む気配もなく、行ったり来たりしている。
商会の仕事もあり、相変わらず多忙だ。
今はまだ同じ屋敷に住んでいる。心強いがついつい甘えてしまう。これが私が成長できない原因かもしれない。
まぁ、お義母さまのようになるのは無理だろう。私は私なりの公爵夫人になればいいとみんなが言ってくれる。
この年になり、子供もいるのに甘やかされてばかりだ。
「ヴィオちゃんの好きなお菓子を買ってきたわよ~。お茶にしましょう」
「はーい」
毎日が幸せだ。
王子から婚約解消されたが、ユリウス様と婚約し、まわりのみんなから溺愛されている。あの日こんなに幸せになるなんて思わなかった。
ほんとに人生なんてどうなるかわからないものだ。
「お義母さま、これからもよろしくお願いします」
「まぁ、どうしたの? 私は一生ヴィオちゃんを大切にするわよ。ヴィオちゃんはアルブラン公爵家の宝ですもの」
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この子には好きな人と結婚してほしい。そして私のように幸せになってほしいと思う。
〈了〉
*皆さん、お読みいただきまして、ありがとうございました。
短編のつもりで描き始めたのですが、思いの外、長くなってしまいました。
「魅了が解けた元王太子と結婚させられてしまいました。何で私なの? 勘弁してほしいわ」の連載を開始しました。このお話も楽しんでいただけるとうれしいです*
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