10 / 11
目覚めちゃった
しおりを挟む
私が目覚めたのはクロフォード家のお屋敷の一室だった。
あの日魔力枯渇で倒れた私はハインリッヒ様の希望でクロフォード家に運ばれたそうだ。
宮廷医師からはいつ目覚めるかわからない。このまま目覚めないかもしれないと言われたらしい。
責任を感じたハインリッヒ様は私を連れてきたのだな。
私は魔力枯渇で死ぬはずだった。あれほど魔力を使ったのに死なずに回復する私っていったい???
「私のことなどお気になさらなくて良かったのに。あの時お別れしたではありませんか」
「別れなどした覚えはない」
「ハインリッヒ様は私がお嫌いでしょう。私が迷惑だったのではなかったのですか」
私は嫌われていた。避けられていたはず。
「そんなことはない」
今のハインリッヒ様の顔は私を嫌っている風ではない。
それどころか目の奥には熱いモノが溢れている気もする。
魅了の魔法なんてかけた覚えはないんですが……。
そもそも私は魅了の魔法なんて使えない。
「私は怖かったんだ。私の事など好いてくれる訳がないと思っていた。自分が傷つきたくないばかりにシャーロットを傷つけてしまった」
えっ? 嫌われてなかったの?
「嫌われてなかったのですか? ここに連れてきてくれたのは責任を感じたからではないのですか?」
「ああ、むしろ好ましく思っている」
ハインリッヒ様は顔を赤らめ私の手をぎゅっと握る。
「痛い……」
「すまない」
この人は力の加減ができないのか。
「許してやってくれ。ハインリッヒは女慣れしていない。力加減がわからんのだ」
部屋に入ってきたアーノルド殿下が苦笑している。
「結婚式は来月だ。間に合ってよかった。もう、ドレスもできてるしな」
結婚式が来月? えっ?
「私どれだけ眠っていたのですか」
まぁ、魔力枯渇で死ぬと思っていたのに、生きていたのだからそれにもびっくりした。どれだけ眠ったら魔力が戻ったのだろう。
「2ヶ月だ」
2ヶ月? 2ヶ月で戻ったの?
私は自分の魔力量に驚く。普通の魔導士なら絶対死んでるはずだ。
「ハインリッヒは目が覚めなかったらそのままウエディングドレスを着せて、抱っこして式をあげるって言ったけど、とりあえずよかったな」
アーノルド殿下は苦笑いしていた。
私は目覚めたもののまだ身体が思うように動かなかった。
小さい頃から私に着いてくれている侍女のミランダとクロフォード家のメイドが基本、色々世話をしてくれているが、騎士の仕事の合間をぬってハインリッヒ様も甲斐甲斐しく世話ん焼いてくれている。
ハインリッヒ様がこんなに世話好きだったとは全く知らなかった。
あの日魔力枯渇で倒れた私はハインリッヒ様の希望でクロフォード家に運ばれたそうだ。
宮廷医師からはいつ目覚めるかわからない。このまま目覚めないかもしれないと言われたらしい。
責任を感じたハインリッヒ様は私を連れてきたのだな。
私は魔力枯渇で死ぬはずだった。あれほど魔力を使ったのに死なずに回復する私っていったい???
「私のことなどお気になさらなくて良かったのに。あの時お別れしたではありませんか」
「別れなどした覚えはない」
「ハインリッヒ様は私がお嫌いでしょう。私が迷惑だったのではなかったのですか」
私は嫌われていた。避けられていたはず。
「そんなことはない」
今のハインリッヒ様の顔は私を嫌っている風ではない。
それどころか目の奥には熱いモノが溢れている気もする。
魅了の魔法なんてかけた覚えはないんですが……。
そもそも私は魅了の魔法なんて使えない。
「私は怖かったんだ。私の事など好いてくれる訳がないと思っていた。自分が傷つきたくないばかりにシャーロットを傷つけてしまった」
えっ? 嫌われてなかったの?
「嫌われてなかったのですか? ここに連れてきてくれたのは責任を感じたからではないのですか?」
「ああ、むしろ好ましく思っている」
ハインリッヒ様は顔を赤らめ私の手をぎゅっと握る。
「痛い……」
「すまない」
この人は力の加減ができないのか。
「許してやってくれ。ハインリッヒは女慣れしていない。力加減がわからんのだ」
部屋に入ってきたアーノルド殿下が苦笑している。
「結婚式は来月だ。間に合ってよかった。もう、ドレスもできてるしな」
結婚式が来月? えっ?
「私どれだけ眠っていたのですか」
まぁ、魔力枯渇で死ぬと思っていたのに、生きていたのだからそれにもびっくりした。どれだけ眠ったら魔力が戻ったのだろう。
「2ヶ月だ」
2ヶ月? 2ヶ月で戻ったの?
私は自分の魔力量に驚く。普通の魔導士なら絶対死んでるはずだ。
「ハインリッヒは目が覚めなかったらそのままウエディングドレスを着せて、抱っこして式をあげるって言ったけど、とりあえずよかったな」
アーノルド殿下は苦笑いしていた。
私は目覚めたもののまだ身体が思うように動かなかった。
小さい頃から私に着いてくれている侍女のミランダとクロフォード家のメイドが基本、色々世話をしてくれているが、騎士の仕事の合間をぬってハインリッヒ様も甲斐甲斐しく世話ん焼いてくれている。
ハインリッヒ様がこんなに世話好きだったとは全く知らなかった。
64
あなたにおすすめの小説
これは王命です〜最期の願いなのです……抱いてください〜
涙乃(るの)
恋愛
これは王命です……抱いてください
「アベル様……これは王命です。触れるのも嫌かもしれませんが、最後の願いなのです……私を、抱いてください」
呪いの力を宿した瞳を持って生まれたサラは、王家管轄の施設で閉じ込められるように暮らしていた。
その瞳を見たものは、命を落とす。サラの乳母も母も、命を落としていた。
希望のもてない人生を送っていたサラに、唯一普通に接してくれる騎士アベル。
アベルに恋したサラは、死ぬ前の最期の願いとして、アベルと一夜を共にしたいと陛下に願いでる。
自分勝手な願いに罪悪感を抱くサラ。
そんなサラのことを複雑な心境で見つめるアベル。
アベルはサラの願いを聞き届けるが、サラには死刑宣告が……
切ない→ハッピーエンドです
※大人版はムーンライトノベルズ様にも投稿しています
後日談追加しました
【完結】私の愛する人は、あなただけなのだから
よどら文鳥
恋愛
私ヒマリ=ファールドとレン=ジェイムスは、小さい頃から仲が良かった。
五年前からは恋仲になり、その後両親をなんとか説得して婚約まで発展した。
私たちは相思相愛で理想のカップルと言えるほど良い関係だと思っていた。
だが、レンからいきなり婚約破棄して欲しいと言われてしまう。
「俺には最愛の女性がいる。その人の幸せを第一に考えている」
この言葉を聞いて涙を流しながらその場を去る。
あれほど酷いことを言われってしまったのに、私はそれでもレンのことばかり考えてしまっている。
婚約破棄された当日、ギャレット=メルトラ第二王子殿下から縁談の話が来ていることをお父様から聞く。
両親は恋人ごっこなど終わりにして王子と結婚しろと強く言われてしまう。
だが、それでも私の心の中には……。
※冒頭はざまぁっぽいですが、ざまぁがメインではありません。
※第一話投稿の段階で完結まで全て書き終えていますので、途中で更新が止まることはありませんのでご安心ください。
番など、今さら不要である
池家乃あひる
恋愛
前作「番など、御免こうむる」の後日談です。
任務を終え、無事に国に戻ってきたセリカ。愛しいダーリンと再会し、屋敷でお茶をしている平和な一時。
その和やかな光景を壊したのは、他でもないセリカ自身であった。
「そういえば、私の番に会ったぞ」
※バカップルならぬバカ夫婦が、ただイチャイチャしているだけの話になります。
※前回は恋愛要素が低かったのでヒューマンドラマで設定いたしましたが、今回はイチャついているだけなので恋愛ジャンルで登録しております。
ヤンデレ王子に鉄槌を
ましろ
恋愛
私がサフィア王子と婚約したのは7歳のとき。彼は13歳だった。
……あれ、変態?
そう、ただいま走馬灯がかけ巡っておりました。だって人生最大のピンチだったから。
「愛しいアリアネル。君が他の男を見つめるなんて許せない」
そう。殿下がヤンデレ……いえ、病んでる発言をして部屋に鍵を掛け、私をベッドに押し倒したから!
「君は僕だけのものだ」
いやいやいやいや。私は私のものですよ!
何とか救いを求めて脳内がフル稼働したらどうやら現世だけでは足りずに前世まで漁くってしまったみたいです。
逃げられるか、私っ!
✻基本ゆるふわ設定です。
気を付けていますが、誤字脱字などがある為、あとからこっそり修正することがあります。
運命の人は貴方ではなかった
富士山のぼり
恋愛
「パウラ・ ヴィンケル……君との婚約は破棄させてもらう。」
「フレド、何で……。」
「わざわざ聞くのか? もう分かっているだろう、君も。」
「……ご実家にはお話を通されたの?」
「ああ。両親とも納得していなかったが最後は認めてくれた。」
「……。」
「私には好きな女性が居るんだ。本気で愛している運命の人がな。
その人の為なら何でも出来る。」
お飾りの私と怖そうな隣国の王子様
mahiro
恋愛
お飾りの婚約者だった。
だって、私とあの人が出会う前からあの人には好きな人がいた。
その人は隣国の王女様で、昔から二人はお互いを思い合っているように見えた。
「エディス、今すぐ婚約を破棄してくれ」
そう言ってきた王子様は真剣そのもので、拒否は許さないと目がそう訴えていた。
いつかこの日が来るとは思っていた。
思い合っている二人が両思いになる日が来ればいつの日か、と。
思いが叶った彼に祝いの言葉と、破棄を受け入れるような発言をしたけれど、もう私には用はないと彼は一切私を見ることなどなく、部屋を出て行ってしまった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる