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39 二百四十五日目  -5/10  ※エロ

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 夕方、時雨の家に帰って来ると小学生が驚いて庭から走り出て行った。

「おばけだー!!!」

 子ども達がそんな事を叫んで逃げて行く。

「なんだあいつら」

 匡伸はむっとして、家に入る。

「ただいまー」

 すぐに時雨がやって来る。

「夕飯まだなんで、お風呂からどうぞー」
「あぁ」

 リュックを置いて台所に行く。時雨は、味噌汁を作っている。

「さっき、小学生がここの庭から逃げて行ったぞ」
「小学生ですか?」
「俺の事、おばけだー! とか言ってな」

 すると時雨が笑う。

「ここの家、昔は幽霊屋敷って呼ばれてたんですよ」  
「え、なんでだ」

 周りに比べれば少し古い家だが、幽霊屋敷と言われる程酷い見た目ではない。

「僕の家族が出て行って、祖父が一人住んでたって話はしましたよね」
「あぁ」

 時雨は味噌を鍋の中に溶かす。

「祖父は家の中にどんどん物を溜め込んでしまうタイプの人で、この家をゴミ屋敷にしてしまったんです」
「え、まじか」
「それで近所ではゴミ屋敷と言われてました」
「ゴミが沢山あって、人が住んでないように見えたから幽霊屋敷とかも呼ばれたのか?」

 すると時雨が首を横に振る。

「いえ、それはたぶん祖父が最後にこの家で自殺したせいですね」
「えっ」
「祖父はそこの居間で首を吊って亡くなったんです。ただ、発見はかなり遅れて死体は腐り落ちてたみたいですけど」

 居間を覗いて匡伸は寒気がする。

「まじかよ」
「僕の家族は祖父はボケてたって言ってましたけど、アレは気が狂ってたんじゃないかと僕は思っています」

 時雨も居間の方をじっと見る。

「そう言う血が僕にも流れているんでしょうね……」

(そうか、こいつも自殺をしようとした時があったんだった……)

 匡伸は時雨に近づいて、手を握る。

「死にたくなったら、まず俺に相談しろよ」

 すると時雨がふっと笑う。

「匡伸さんが側にいてくれる限り、僕が自殺する事なんてありませんよ、絶対に」

 時雨は力強く言う。

(そうなら良いだけどな……)

 安心しつつ、首吊り自殺をする時雨を一瞬想像してしまい嫌な気分になる。 

(こいつに死なれると俺はつらい……)

 匡伸はぎゅっと時雨を抱きしめる。

「!」 

 時雨が息をのむ。見上げると、頬を赤くしている。

「な、なんだよその過剰な反応は」
「だ、だって、匡伸さんから僕を抱きしめて来る事って滅多に無いから……」

 抱きついて来るのはいつも時雨からである。
 時雨が恥ずかしがると、匡伸は更に恥ずかしくなって来る。

「嬉しいです……すごく……大事にされてるって感じがします……」

 きゅっと、抱きしめ返して来る。
 しかし後ろで、ぶくぶくと味噌汁が沸騰し始める。

「わぁ!」

 時雨が慌てて、火を止める。

「そんじゃ風呂行くわ」

 恥ずかしくなって俺はそそくさと立ち去ろうとする。

「待って!」

 服の裾を引っ張られる。

「も、もう少しラブラブしたいです」

 面と向かって頼まれると恥ずかしい。

「さ、最近全然してませんでしたし」

 時雨はこの家に来てから、あまり過剰なコミュニケーションをとって来なかった。

「ま、匡伸さんが嫌なら止めておきますけど……」

 匡伸は天井を見て少し考える。
 さっきの話で気持ちが落ちこんで、とにかく時雨を甘やかしたい気分になっていた。

「んじゃ一緒に風呂に入るか」
「!」

 時雨が目を見開く。

「い、いいんですか」
「あぁ、いいよ」
「そ、それじゃ、一緒に入りましょう!」

 時雨に背を押されて脱衣所に入る。
 一緒に風呂に入るのは初めてだった。
 脱衣所で服を脱ぐ。後ろでも、衣擦れの音がする。

(緊張して来た……)

 誘っておきながら恥ずかしくなって来る。

(そういや二人とも素っ裸で向き合うのは初めてか……)

 エロい事をしても、大概半端に服を着ている。
 全て服を脱いで、先に風呂場に入る。遅れて時雨も入って来る。
 シャワーで湯を出して体に湯をかける。後ろに気配を感じつつ、振り向いて時雨の体にもお湯をかける。
 エロい事をする時、時雨はほとんど服を脱がなかった。なので、初めてその腹筋をまじまじと見た。

「なんだそれ」

 ぱっくり割れた腹筋に驚く。体格が良いなとは思っていたが、まさかここまで体を鍛えているとは思わなかった。

「えへへ、触ります?」
「お、おう」

 指で腹筋をなぞる。きゅっと力を入れると、固い。

「すげぇなこれ」
「腕も鍛えてるんですよ」

 むきっと、力こぶを作る。 

「おぉ!」

 もにゅもにゅと固い力こぶを揉んでしまう。
 感動である。
 一方の自分の貧相な体を見る。太ってはいないが、筋肉も無かった。
 匡伸の持っていたシャワーヘッドを時雨が手に取り、壁にかける。

「匡伸さんの体白くて綺麗ですよね」

 両肩に手を置いて、じっくり見られる。
 時雨の右手には銀色の指輪がつけられている。
 時雨はいつもその指輪をつけているが、匡伸はまだ気恥ずかしくて指輪をつけていない。

「あ、あまり見るな」

 体を横にして隠す。

「えへ背中側も好きですよ」

 お湯のあたる背中を手で撫でられる。

「むぅ」

 後ろから密着して抱きしめられる。互いの肌が合わさって、緊張する。

「あぁ、幸せ」

 時雨がしみじみと呟いた。時雨が離れるまで匡伸はそのまま待っていた。

「さて、体を洗いましょうか」

 時雨がボディーソープを手に出して泡立てる。そして匡伸の手を握って洗い始める。

「道具は使わないのか……!」

 体を洗う用のタオルを指差す。

「こう言う時は手で洗う物ですよ♡」 

 指の一本一本を丁寧に洗って手のひら甲を優しく撫でた後、手首と腕をマッサージするように洗われる。
 肘も念入りに洗われて、肩から鎖骨に時雨の手が伸びる。
 目の前に立つ時雨は楽しそうに、匡伸の体を洗っている。
 首まで洗った後、胸を洗う。胸を揉むように洗われる。

「こら」
「えへへ」

 時雨が舌を出して笑った後、お腹をわしゃわしゃと洗われて、抱きしめられた状態で背中を洗われた。

「なんだこれ」
「大丈夫、しっかり洗ってますよ!」

 時雨の長い腕は、確かに匡伸の背中全体を丁寧に洗っていた。
 更に尻を揉まれる。

「揉むんじゃなくて洗え!」
「あははは!!」

 時雨は笑いながらしばらく尻を揉んだ。
 匡伸を椅子に座らせて、足を洗う。 
 太腿を洗って、足の裏も丁寧に洗われるとまるで貴族にでもなったような気分だ。
 時雨が立ち上がって、シャワーで匡伸の体の泡を丁寧に流す。

「よしっ」
「次は俺が洗うよ……」
「えっ、本当ですか」

 匡伸は立ち上がって、手にソープを出す。
 驚く時雨の手をとって出来るだけ丁寧に洗う。腕、胸、腹と洗っていく。
 そして匡伸は視線を下に落とす。主張の強すぎるモノがどんどん固くなっていくのが目に入る。

「あ、大丈夫ですよ。僕、我慢は慣れてますから」

 匡伸の視線に気づいた時雨はにこやかに言う。

「そうかよ……」

 時雨の真似をして抱きしめて背中を洗ってみる。しかし、手の長さが足りていない。

「匡伸さんかわいいー!」

 時雨に抱きしめられて捕まってしまう。
 ほどほどに背中を洗って、足を洗い、泡を流す。 

「髪はあらいっこしましょうね」

 濡れた髪にシャンプーをつけて向き合って互いに洗う。
 二人とも目を閉じているので勘である。

「もうちょい後ろを洗ってくれ」
「ここですか?」
「おぉ、そこそこ」
「匡伸さんはもっと力入れてもいいですよ」

 ぐしゃぐしゃと匡伸は力を入れて時雨の髪を洗った。
 髪の泡を流して目を開ける。顔を見合わせて笑ってしまった。

「さて、それじゃ……」

 時雨は小さなボトルに入った液体を手に出す。

「なんだそれ……」
「デリケートゾーン用の石鹸ですよ。これだと染みないんです」

 ボディソープは真新しく買って来たばかりのようだった。

「おい、それまさかわざわざ用意したのか……」
「えへっ、いずれこんな日が来るかもと期待してました」

 時雨はにこっと笑って、匡伸のソレに触れる。
 丁寧に撫でられる。玉袋をやんわりと揉まれ、ふわふわの泡で竿が包まれる。

(ぐっ……)

 匡伸は眉を寄せる。下半身が反応し始める。

「我慢しなくて良いんですよーどうせエッチな事するんですから」
 時雨のソレは完全に勃起して、腹につくほどに反っている。
「先端をこちょこちょ」
「っ」

 熱が集まって、そこが固くなって行く。

「よしよし」

 時雨が小動物でもかわいがるように泡だらけのそれを撫でた後に、お湯で流した。
 泡が流れ落ちると、勃起したソレが露わになる。

「さて湯船に入りましょう」

 手を引かれて、二人で狭い浴槽に入る。
 時雨の股の間に匡伸が背を向けて座る事になる。

「水のしたたる匡伸さんってエッチですね……」

 時雨が背中に頬ずりして来る。
 更に太腿を撫でられる。

「こっち見てください」

 手で顔を横に向かされる。すると時雨がキスをして来る。

「ん……」

 数度唇が触れあった後、唇がぺろりと舐められた。
 目を開けると、時雨がいたずらっこのような目をしてこちらを見ている。
 頭を抱えられて、唇に舌が潜り込んで来る。

「っ……」

 濡れた舌で口の中を舐められると、息があがってしまう。  
 最初は戸惑っていたが、最近キスが気持ちいい行為なのだと認識した。
 空いた手で、乳首がこねくりまわされる。
 時雨にいじられるようになってか、乳首が妙に敏感なので困っている。
 キスの合間に荒く息をする。
 手が股間を揉み始める。時雨はその手淫で更に下半身が固くなるのを感じる。
 唇が離れる。

「匡伸さん。こっちを向いて座ってくれませんか?」

 言われて、向き合って座り直す。

「もう少し近くに」

 時雨の太腿の上に乗ったまま、腰を引き寄せられると、互いのペニスがくっつく。
 時雨は匡伸の両手をとって、その二本を摑ませる。更にその上から、時雨は両手で掴む。
 そして、擦り始める。

「っ……」

 匡伸の両手に二本のペニスの生々しい感覚が伝わる。その感触に興奮してしまう。

「あ、匡伸さんの手、気持ち良い」

 時雨が気持ちよさそうに目を閉じて、悦に浸っている。
 追い詰められながら、それを見る。
 ぎゅっと力を入れて掴んで、匡伸も一緒になって手を動かす。

「あっ」

 時雨がびくっと腰を跳ねさせる。
 その反応にドキッとしてしまう。
 時雨を逝かせたくて、時雨のペニスの先端を指先で撫でた。

「っ……」

 時雨が目を閉じて眉を寄せて逝く。匡伸もその表情を見て逝ってしまう。
 湯の中に二人の精液が溶けていく。

「はぁ、はぁ……」

 荒く息をする時雨は目元が赤く妙にいろっぽく感じる。匡伸は体を前に乗り出して、頬にキスをした。
 時雨が驚いて目を開ける。

「ま、匡伸さんが野獣の目をしてる……」
「なんだよそれ」

 しかし、今日は積極的に行きたい気分だった。
 はぁはぁと息をしているが、時雨のペニスはまだ勃起していた。元気な証拠である。
 匡伸は湯から出た時雨の胸を見て、顔を寄せて舐める。

「わっ!」

 時雨が驚く。

「あっ、だめですよ、匡伸さんはそう言うことしちゃ!」
「おまえも俺にしてるだろ」

 構わず乳首を舐め、吸って指先でイジる。

「あぁ! だめって言ってるのに」

 時雨が喘ぐのが妙に楽しい。
 匡伸はしばらくそのまま乳首を責め続ける。
 唇を離す頃には、乳首は赤くなっていた。

「もう……」

 時雨はちょっぴり目元に涙をためている。

「わるいわるい、つい楽しくてさ。お詫びに、こっちも気持ちよくするから」

 時雨の勃起したソレを掴む。

「ま、匡伸さんどうしちゃったんですか」
「今日はそう言う気分なんだよ」

 顔を近づけて笑う。時雨は恥ずかしそうだが、抵抗しない。
 既に限界に近いパンパンに張ったペニスを手で擦る。

「あぁっ!」

 今はじっくりと時雨の反応が見れる。
 頬や唇だけでなく、首や肩にもキスを落とす。

(やっぱ反応がかわいいな)

 一九〇センチの大男をかわいいと思うのは、恋愛の末期症状のように思えた。
 すがるように匡伸の腕を掴んだ手が震えているのも可愛かった。

「はぁあ、んっ」

 激しく擦ると過敏にそれに反応する。

「い、逝っちゃいます!」

 匡伸の肩に時雨は額を押し付ける。時雨のペニスがびくびくっと震えた。
 逝った時の気持ちよさそうな顔をよく見ておいた。
 時雨のペニスから手を離して、頬にキスする。

「おつかれ」

 時雨の反応に、匡伸は大変満足した。

「お、お風呂上がったらリベンジしますからね……」

 時雨はふわふわした声でそう言うのだった。
 

つづく
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