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39 二百四十五日目 -5/10 ※エロ
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■
夕方、時雨の家に帰って来ると小学生が驚いて庭から走り出て行った。
「おばけだー!!!」
子ども達がそんな事を叫んで逃げて行く。
「なんだあいつら」
匡伸はむっとして、家に入る。
「ただいまー」
すぐに時雨がやって来る。
「夕飯まだなんで、お風呂からどうぞー」
「あぁ」
リュックを置いて台所に行く。時雨は、味噌汁を作っている。
「さっき、小学生がここの庭から逃げて行ったぞ」
「小学生ですか?」
「俺の事、おばけだー! とか言ってな」
すると時雨が笑う。
「ここの家、昔は幽霊屋敷って呼ばれてたんですよ」
「え、なんでだ」
周りに比べれば少し古い家だが、幽霊屋敷と言われる程酷い見た目ではない。
「僕の家族が出て行って、祖父が一人住んでたって話はしましたよね」
「あぁ」
時雨は味噌を鍋の中に溶かす。
「祖父は家の中にどんどん物を溜め込んでしまうタイプの人で、この家をゴミ屋敷にしてしまったんです」
「え、まじか」
「それで近所ではゴミ屋敷と言われてました」
「ゴミが沢山あって、人が住んでないように見えたから幽霊屋敷とかも呼ばれたのか?」
すると時雨が首を横に振る。
「いえ、それはたぶん祖父が最後にこの家で自殺したせいですね」
「えっ」
「祖父はそこの居間で首を吊って亡くなったんです。ただ、発見はかなり遅れて死体は腐り落ちてたみたいですけど」
居間を覗いて匡伸は寒気がする。
「まじかよ」
「僕の家族は祖父はボケてたって言ってましたけど、アレは気が狂ってたんじゃないかと僕は思っています」
時雨も居間の方をじっと見る。
「そう言う血が僕にも流れているんでしょうね……」
(そうか、こいつも自殺をしようとした時があったんだった……)
匡伸は時雨に近づいて、手を握る。
「死にたくなったら、まず俺に相談しろよ」
すると時雨がふっと笑う。
「匡伸さんが側にいてくれる限り、僕が自殺する事なんてありませんよ、絶対に」
時雨は力強く言う。
(そうなら良いだけどな……)
安心しつつ、首吊り自殺をする時雨を一瞬想像してしまい嫌な気分になる。
(こいつに死なれると俺はつらい……)
匡伸はぎゅっと時雨を抱きしめる。
「!」
時雨が息をのむ。見上げると、頬を赤くしている。
「な、なんだよその過剰な反応は」
「だ、だって、匡伸さんから僕を抱きしめて来る事って滅多に無いから……」
抱きついて来るのはいつも時雨からである。
時雨が恥ずかしがると、匡伸は更に恥ずかしくなって来る。
「嬉しいです……すごく……大事にされてるって感じがします……」
きゅっと、抱きしめ返して来る。
しかし後ろで、ぶくぶくと味噌汁が沸騰し始める。
「わぁ!」
時雨が慌てて、火を止める。
「そんじゃ風呂行くわ」
恥ずかしくなって俺はそそくさと立ち去ろうとする。
「待って!」
服の裾を引っ張られる。
「も、もう少しラブラブしたいです」
面と向かって頼まれると恥ずかしい。
「さ、最近全然してませんでしたし」
時雨はこの家に来てから、あまり過剰なコミュニケーションをとって来なかった。
「ま、匡伸さんが嫌なら止めておきますけど……」
匡伸は天井を見て少し考える。
さっきの話で気持ちが落ちこんで、とにかく時雨を甘やかしたい気分になっていた。
「んじゃ一緒に風呂に入るか」
「!」
時雨が目を見開く。
「い、いいんですか」
「あぁ、いいよ」
「そ、それじゃ、一緒に入りましょう!」
時雨に背を押されて脱衣所に入る。
一緒に風呂に入るのは初めてだった。
脱衣所で服を脱ぐ。後ろでも、衣擦れの音がする。
(緊張して来た……)
誘っておきながら恥ずかしくなって来る。
(そういや二人とも素っ裸で向き合うのは初めてか……)
エロい事をしても、大概半端に服を着ている。
全て服を脱いで、先に風呂場に入る。遅れて時雨も入って来る。
シャワーで湯を出して体に湯をかける。後ろに気配を感じつつ、振り向いて時雨の体にもお湯をかける。
エロい事をする時、時雨はほとんど服を脱がなかった。なので、初めてその腹筋をまじまじと見た。
「なんだそれ」
ぱっくり割れた腹筋に驚く。体格が良いなとは思っていたが、まさかここまで体を鍛えているとは思わなかった。
「えへへ、触ります?」
「お、おう」
指で腹筋をなぞる。きゅっと力を入れると、固い。
「すげぇなこれ」
「腕も鍛えてるんですよ」
むきっと、力こぶを作る。
「おぉ!」
もにゅもにゅと固い力こぶを揉んでしまう。
感動である。
一方の自分の貧相な体を見る。太ってはいないが、筋肉も無かった。
匡伸の持っていたシャワーヘッドを時雨が手に取り、壁にかける。
「匡伸さんの体白くて綺麗ですよね」
両肩に手を置いて、じっくり見られる。
時雨の右手には銀色の指輪がつけられている。
時雨はいつもその指輪をつけているが、匡伸はまだ気恥ずかしくて指輪をつけていない。
「あ、あまり見るな」
体を横にして隠す。
「えへ背中側も好きですよ」
お湯のあたる背中を手で撫でられる。
「むぅ」
後ろから密着して抱きしめられる。互いの肌が合わさって、緊張する。
「あぁ、幸せ」
時雨がしみじみと呟いた。時雨が離れるまで匡伸はそのまま待っていた。
「さて、体を洗いましょうか」
時雨がボディーソープを手に出して泡立てる。そして匡伸の手を握って洗い始める。
「道具は使わないのか……!」
体を洗う用のタオルを指差す。
「こう言う時は手で洗う物ですよ♡」
指の一本一本を丁寧に洗って手のひら甲を優しく撫でた後、手首と腕をマッサージするように洗われる。
肘も念入りに洗われて、肩から鎖骨に時雨の手が伸びる。
目の前に立つ時雨は楽しそうに、匡伸の体を洗っている。
首まで洗った後、胸を洗う。胸を揉むように洗われる。
「こら」
「えへへ」
時雨が舌を出して笑った後、お腹をわしゃわしゃと洗われて、抱きしめられた状態で背中を洗われた。
「なんだこれ」
「大丈夫、しっかり洗ってますよ!」
時雨の長い腕は、確かに匡伸の背中全体を丁寧に洗っていた。
更に尻を揉まれる。
「揉むんじゃなくて洗え!」
「あははは!!」
時雨は笑いながらしばらく尻を揉んだ。
匡伸を椅子に座らせて、足を洗う。
太腿を洗って、足の裏も丁寧に洗われるとまるで貴族にでもなったような気分だ。
時雨が立ち上がって、シャワーで匡伸の体の泡を丁寧に流す。
「よしっ」
「次は俺が洗うよ……」
「えっ、本当ですか」
匡伸は立ち上がって、手にソープを出す。
驚く時雨の手をとって出来るだけ丁寧に洗う。腕、胸、腹と洗っていく。
そして匡伸は視線を下に落とす。主張の強すぎるモノがどんどん固くなっていくのが目に入る。
「あ、大丈夫ですよ。僕、我慢は慣れてますから」
匡伸の視線に気づいた時雨はにこやかに言う。
「そうかよ……」
時雨の真似をして抱きしめて背中を洗ってみる。しかし、手の長さが足りていない。
「匡伸さんかわいいー!」
時雨に抱きしめられて捕まってしまう。
ほどほどに背中を洗って、足を洗い、泡を流す。
「髪はあらいっこしましょうね」
濡れた髪にシャンプーをつけて向き合って互いに洗う。
二人とも目を閉じているので勘である。
「もうちょい後ろを洗ってくれ」
「ここですか?」
「おぉ、そこそこ」
「匡伸さんはもっと力入れてもいいですよ」
ぐしゃぐしゃと匡伸は力を入れて時雨の髪を洗った。
髪の泡を流して目を開ける。顔を見合わせて笑ってしまった。
「さて、それじゃ……」
時雨は小さなボトルに入った液体を手に出す。
「なんだそれ……」
「デリケートゾーン用の石鹸ですよ。これだと染みないんです」
ボディソープは真新しく買って来たばかりのようだった。
「おい、それまさかわざわざ用意したのか……」
「えへっ、いずれこんな日が来るかもと期待してました」
時雨はにこっと笑って、匡伸のソレに触れる。
丁寧に撫でられる。玉袋をやんわりと揉まれ、ふわふわの泡で竿が包まれる。
(ぐっ……)
匡伸は眉を寄せる。下半身が反応し始める。
「我慢しなくて良いんですよーどうせエッチな事するんですから」
時雨のソレは完全に勃起して、腹につくほどに反っている。
「先端をこちょこちょ」
「っ」
熱が集まって、そこが固くなって行く。
「よしよし」
時雨が小動物でもかわいがるように泡だらけのそれを撫でた後に、お湯で流した。
泡が流れ落ちると、勃起したソレが露わになる。
「さて湯船に入りましょう」
手を引かれて、二人で狭い浴槽に入る。
時雨の股の間に匡伸が背を向けて座る事になる。
「水のしたたる匡伸さんってエッチですね……」
時雨が背中に頬ずりして来る。
更に太腿を撫でられる。
「こっち見てください」
手で顔を横に向かされる。すると時雨がキスをして来る。
「ん……」
数度唇が触れあった後、唇がぺろりと舐められた。
目を開けると、時雨がいたずらっこのような目をしてこちらを見ている。
頭を抱えられて、唇に舌が潜り込んで来る。
「っ……」
濡れた舌で口の中を舐められると、息があがってしまう。
最初は戸惑っていたが、最近キスが気持ちいい行為なのだと認識した。
空いた手で、乳首がこねくりまわされる。
時雨にいじられるようになってか、乳首が妙に敏感なので困っている。
キスの合間に荒く息をする。
手が股間を揉み始める。時雨はその手淫で更に下半身が固くなるのを感じる。
唇が離れる。
「匡伸さん。こっちを向いて座ってくれませんか?」
言われて、向き合って座り直す。
「もう少し近くに」
時雨の太腿の上に乗ったまま、腰を引き寄せられると、互いのペニスがくっつく。
時雨は匡伸の両手をとって、その二本を摑ませる。更にその上から、時雨は両手で掴む。
そして、擦り始める。
「っ……」
匡伸の両手に二本のペニスの生々しい感覚が伝わる。その感触に興奮してしまう。
「あ、匡伸さんの手、気持ち良い」
時雨が気持ちよさそうに目を閉じて、悦に浸っている。
追い詰められながら、それを見る。
ぎゅっと力を入れて掴んで、匡伸も一緒になって手を動かす。
「あっ」
時雨がびくっと腰を跳ねさせる。
その反応にドキッとしてしまう。
時雨を逝かせたくて、時雨のペニスの先端を指先で撫でた。
「っ……」
時雨が目を閉じて眉を寄せて逝く。匡伸もその表情を見て逝ってしまう。
湯の中に二人の精液が溶けていく。
「はぁ、はぁ……」
荒く息をする時雨は目元が赤く妙にいろっぽく感じる。匡伸は体を前に乗り出して、頬にキスをした。
時雨が驚いて目を開ける。
「ま、匡伸さんが野獣の目をしてる……」
「なんだよそれ」
しかし、今日は積極的に行きたい気分だった。
はぁはぁと息をしているが、時雨のペニスはまだ勃起していた。元気な証拠である。
匡伸は湯から出た時雨の胸を見て、顔を寄せて舐める。
「わっ!」
時雨が驚く。
「あっ、だめですよ、匡伸さんはそう言うことしちゃ!」
「おまえも俺にしてるだろ」
構わず乳首を舐め、吸って指先でイジる。
「あぁ! だめって言ってるのに」
時雨が喘ぐのが妙に楽しい。
匡伸はしばらくそのまま乳首を責め続ける。
唇を離す頃には、乳首は赤くなっていた。
「もう……」
時雨はちょっぴり目元に涙をためている。
「わるいわるい、つい楽しくてさ。お詫びに、こっちも気持ちよくするから」
時雨の勃起したソレを掴む。
「ま、匡伸さんどうしちゃったんですか」
「今日はそう言う気分なんだよ」
顔を近づけて笑う。時雨は恥ずかしそうだが、抵抗しない。
既に限界に近いパンパンに張ったペニスを手で擦る。
「あぁっ!」
今はじっくりと時雨の反応が見れる。
頬や唇だけでなく、首や肩にもキスを落とす。
(やっぱ反応がかわいいな)
一九〇センチの大男をかわいいと思うのは、恋愛の末期症状のように思えた。
すがるように匡伸の腕を掴んだ手が震えているのも可愛かった。
「はぁあ、んっ」
激しく擦ると過敏にそれに反応する。
「い、逝っちゃいます!」
匡伸の肩に時雨は額を押し付ける。時雨のペニスがびくびくっと震えた。
逝った時の気持ちよさそうな顔をよく見ておいた。
時雨のペニスから手を離して、頬にキスする。
「おつかれ」
時雨の反応に、匡伸は大変満足した。
「お、お風呂上がったらリベンジしますからね……」
時雨はふわふわした声でそう言うのだった。
つづく
夕方、時雨の家に帰って来ると小学生が驚いて庭から走り出て行った。
「おばけだー!!!」
子ども達がそんな事を叫んで逃げて行く。
「なんだあいつら」
匡伸はむっとして、家に入る。
「ただいまー」
すぐに時雨がやって来る。
「夕飯まだなんで、お風呂からどうぞー」
「あぁ」
リュックを置いて台所に行く。時雨は、味噌汁を作っている。
「さっき、小学生がここの庭から逃げて行ったぞ」
「小学生ですか?」
「俺の事、おばけだー! とか言ってな」
すると時雨が笑う。
「ここの家、昔は幽霊屋敷って呼ばれてたんですよ」
「え、なんでだ」
周りに比べれば少し古い家だが、幽霊屋敷と言われる程酷い見た目ではない。
「僕の家族が出て行って、祖父が一人住んでたって話はしましたよね」
「あぁ」
時雨は味噌を鍋の中に溶かす。
「祖父は家の中にどんどん物を溜め込んでしまうタイプの人で、この家をゴミ屋敷にしてしまったんです」
「え、まじか」
「それで近所ではゴミ屋敷と言われてました」
「ゴミが沢山あって、人が住んでないように見えたから幽霊屋敷とかも呼ばれたのか?」
すると時雨が首を横に振る。
「いえ、それはたぶん祖父が最後にこの家で自殺したせいですね」
「えっ」
「祖父はそこの居間で首を吊って亡くなったんです。ただ、発見はかなり遅れて死体は腐り落ちてたみたいですけど」
居間を覗いて匡伸は寒気がする。
「まじかよ」
「僕の家族は祖父はボケてたって言ってましたけど、アレは気が狂ってたんじゃないかと僕は思っています」
時雨も居間の方をじっと見る。
「そう言う血が僕にも流れているんでしょうね……」
(そうか、こいつも自殺をしようとした時があったんだった……)
匡伸は時雨に近づいて、手を握る。
「死にたくなったら、まず俺に相談しろよ」
すると時雨がふっと笑う。
「匡伸さんが側にいてくれる限り、僕が自殺する事なんてありませんよ、絶対に」
時雨は力強く言う。
(そうなら良いだけどな……)
安心しつつ、首吊り自殺をする時雨を一瞬想像してしまい嫌な気分になる。
(こいつに死なれると俺はつらい……)
匡伸はぎゅっと時雨を抱きしめる。
「!」
時雨が息をのむ。見上げると、頬を赤くしている。
「な、なんだよその過剰な反応は」
「だ、だって、匡伸さんから僕を抱きしめて来る事って滅多に無いから……」
抱きついて来るのはいつも時雨からである。
時雨が恥ずかしがると、匡伸は更に恥ずかしくなって来る。
「嬉しいです……すごく……大事にされてるって感じがします……」
きゅっと、抱きしめ返して来る。
しかし後ろで、ぶくぶくと味噌汁が沸騰し始める。
「わぁ!」
時雨が慌てて、火を止める。
「そんじゃ風呂行くわ」
恥ずかしくなって俺はそそくさと立ち去ろうとする。
「待って!」
服の裾を引っ張られる。
「も、もう少しラブラブしたいです」
面と向かって頼まれると恥ずかしい。
「さ、最近全然してませんでしたし」
時雨はこの家に来てから、あまり過剰なコミュニケーションをとって来なかった。
「ま、匡伸さんが嫌なら止めておきますけど……」
匡伸は天井を見て少し考える。
さっきの話で気持ちが落ちこんで、とにかく時雨を甘やかしたい気分になっていた。
「んじゃ一緒に風呂に入るか」
「!」
時雨が目を見開く。
「い、いいんですか」
「あぁ、いいよ」
「そ、それじゃ、一緒に入りましょう!」
時雨に背を押されて脱衣所に入る。
一緒に風呂に入るのは初めてだった。
脱衣所で服を脱ぐ。後ろでも、衣擦れの音がする。
(緊張して来た……)
誘っておきながら恥ずかしくなって来る。
(そういや二人とも素っ裸で向き合うのは初めてか……)
エロい事をしても、大概半端に服を着ている。
全て服を脱いで、先に風呂場に入る。遅れて時雨も入って来る。
シャワーで湯を出して体に湯をかける。後ろに気配を感じつつ、振り向いて時雨の体にもお湯をかける。
エロい事をする時、時雨はほとんど服を脱がなかった。なので、初めてその腹筋をまじまじと見た。
「なんだそれ」
ぱっくり割れた腹筋に驚く。体格が良いなとは思っていたが、まさかここまで体を鍛えているとは思わなかった。
「えへへ、触ります?」
「お、おう」
指で腹筋をなぞる。きゅっと力を入れると、固い。
「すげぇなこれ」
「腕も鍛えてるんですよ」
むきっと、力こぶを作る。
「おぉ!」
もにゅもにゅと固い力こぶを揉んでしまう。
感動である。
一方の自分の貧相な体を見る。太ってはいないが、筋肉も無かった。
匡伸の持っていたシャワーヘッドを時雨が手に取り、壁にかける。
「匡伸さんの体白くて綺麗ですよね」
両肩に手を置いて、じっくり見られる。
時雨の右手には銀色の指輪がつけられている。
時雨はいつもその指輪をつけているが、匡伸はまだ気恥ずかしくて指輪をつけていない。
「あ、あまり見るな」
体を横にして隠す。
「えへ背中側も好きですよ」
お湯のあたる背中を手で撫でられる。
「むぅ」
後ろから密着して抱きしめられる。互いの肌が合わさって、緊張する。
「あぁ、幸せ」
時雨がしみじみと呟いた。時雨が離れるまで匡伸はそのまま待っていた。
「さて、体を洗いましょうか」
時雨がボディーソープを手に出して泡立てる。そして匡伸の手を握って洗い始める。
「道具は使わないのか……!」
体を洗う用のタオルを指差す。
「こう言う時は手で洗う物ですよ♡」
指の一本一本を丁寧に洗って手のひら甲を優しく撫でた後、手首と腕をマッサージするように洗われる。
肘も念入りに洗われて、肩から鎖骨に時雨の手が伸びる。
目の前に立つ時雨は楽しそうに、匡伸の体を洗っている。
首まで洗った後、胸を洗う。胸を揉むように洗われる。
「こら」
「えへへ」
時雨が舌を出して笑った後、お腹をわしゃわしゃと洗われて、抱きしめられた状態で背中を洗われた。
「なんだこれ」
「大丈夫、しっかり洗ってますよ!」
時雨の長い腕は、確かに匡伸の背中全体を丁寧に洗っていた。
更に尻を揉まれる。
「揉むんじゃなくて洗え!」
「あははは!!」
時雨は笑いながらしばらく尻を揉んだ。
匡伸を椅子に座らせて、足を洗う。
太腿を洗って、足の裏も丁寧に洗われるとまるで貴族にでもなったような気分だ。
時雨が立ち上がって、シャワーで匡伸の体の泡を丁寧に流す。
「よしっ」
「次は俺が洗うよ……」
「えっ、本当ですか」
匡伸は立ち上がって、手にソープを出す。
驚く時雨の手をとって出来るだけ丁寧に洗う。腕、胸、腹と洗っていく。
そして匡伸は視線を下に落とす。主張の強すぎるモノがどんどん固くなっていくのが目に入る。
「あ、大丈夫ですよ。僕、我慢は慣れてますから」
匡伸の視線に気づいた時雨はにこやかに言う。
「そうかよ……」
時雨の真似をして抱きしめて背中を洗ってみる。しかし、手の長さが足りていない。
「匡伸さんかわいいー!」
時雨に抱きしめられて捕まってしまう。
ほどほどに背中を洗って、足を洗い、泡を流す。
「髪はあらいっこしましょうね」
濡れた髪にシャンプーをつけて向き合って互いに洗う。
二人とも目を閉じているので勘である。
「もうちょい後ろを洗ってくれ」
「ここですか?」
「おぉ、そこそこ」
「匡伸さんはもっと力入れてもいいですよ」
ぐしゃぐしゃと匡伸は力を入れて時雨の髪を洗った。
髪の泡を流して目を開ける。顔を見合わせて笑ってしまった。
「さて、それじゃ……」
時雨は小さなボトルに入った液体を手に出す。
「なんだそれ……」
「デリケートゾーン用の石鹸ですよ。これだと染みないんです」
ボディソープは真新しく買って来たばかりのようだった。
「おい、それまさかわざわざ用意したのか……」
「えへっ、いずれこんな日が来るかもと期待してました」
時雨はにこっと笑って、匡伸のソレに触れる。
丁寧に撫でられる。玉袋をやんわりと揉まれ、ふわふわの泡で竿が包まれる。
(ぐっ……)
匡伸は眉を寄せる。下半身が反応し始める。
「我慢しなくて良いんですよーどうせエッチな事するんですから」
時雨のソレは完全に勃起して、腹につくほどに反っている。
「先端をこちょこちょ」
「っ」
熱が集まって、そこが固くなって行く。
「よしよし」
時雨が小動物でもかわいがるように泡だらけのそれを撫でた後に、お湯で流した。
泡が流れ落ちると、勃起したソレが露わになる。
「さて湯船に入りましょう」
手を引かれて、二人で狭い浴槽に入る。
時雨の股の間に匡伸が背を向けて座る事になる。
「水のしたたる匡伸さんってエッチですね……」
時雨が背中に頬ずりして来る。
更に太腿を撫でられる。
「こっち見てください」
手で顔を横に向かされる。すると時雨がキスをして来る。
「ん……」
数度唇が触れあった後、唇がぺろりと舐められた。
目を開けると、時雨がいたずらっこのような目をしてこちらを見ている。
頭を抱えられて、唇に舌が潜り込んで来る。
「っ……」
濡れた舌で口の中を舐められると、息があがってしまう。
最初は戸惑っていたが、最近キスが気持ちいい行為なのだと認識した。
空いた手で、乳首がこねくりまわされる。
時雨にいじられるようになってか、乳首が妙に敏感なので困っている。
キスの合間に荒く息をする。
手が股間を揉み始める。時雨はその手淫で更に下半身が固くなるのを感じる。
唇が離れる。
「匡伸さん。こっちを向いて座ってくれませんか?」
言われて、向き合って座り直す。
「もう少し近くに」
時雨の太腿の上に乗ったまま、腰を引き寄せられると、互いのペニスがくっつく。
時雨は匡伸の両手をとって、その二本を摑ませる。更にその上から、時雨は両手で掴む。
そして、擦り始める。
「っ……」
匡伸の両手に二本のペニスの生々しい感覚が伝わる。その感触に興奮してしまう。
「あ、匡伸さんの手、気持ち良い」
時雨が気持ちよさそうに目を閉じて、悦に浸っている。
追い詰められながら、それを見る。
ぎゅっと力を入れて掴んで、匡伸も一緒になって手を動かす。
「あっ」
時雨がびくっと腰を跳ねさせる。
その反応にドキッとしてしまう。
時雨を逝かせたくて、時雨のペニスの先端を指先で撫でた。
「っ……」
時雨が目を閉じて眉を寄せて逝く。匡伸もその表情を見て逝ってしまう。
湯の中に二人の精液が溶けていく。
「はぁ、はぁ……」
荒く息をする時雨は目元が赤く妙にいろっぽく感じる。匡伸は体を前に乗り出して、頬にキスをした。
時雨が驚いて目を開ける。
「ま、匡伸さんが野獣の目をしてる……」
「なんだよそれ」
しかし、今日は積極的に行きたい気分だった。
はぁはぁと息をしているが、時雨のペニスはまだ勃起していた。元気な証拠である。
匡伸は湯から出た時雨の胸を見て、顔を寄せて舐める。
「わっ!」
時雨が驚く。
「あっ、だめですよ、匡伸さんはそう言うことしちゃ!」
「おまえも俺にしてるだろ」
構わず乳首を舐め、吸って指先でイジる。
「あぁ! だめって言ってるのに」
時雨が喘ぐのが妙に楽しい。
匡伸はしばらくそのまま乳首を責め続ける。
唇を離す頃には、乳首は赤くなっていた。
「もう……」
時雨はちょっぴり目元に涙をためている。
「わるいわるい、つい楽しくてさ。お詫びに、こっちも気持ちよくするから」
時雨の勃起したソレを掴む。
「ま、匡伸さんどうしちゃったんですか」
「今日はそう言う気分なんだよ」
顔を近づけて笑う。時雨は恥ずかしそうだが、抵抗しない。
既に限界に近いパンパンに張ったペニスを手で擦る。
「あぁっ!」
今はじっくりと時雨の反応が見れる。
頬や唇だけでなく、首や肩にもキスを落とす。
(やっぱ反応がかわいいな)
一九〇センチの大男をかわいいと思うのは、恋愛の末期症状のように思えた。
すがるように匡伸の腕を掴んだ手が震えているのも可愛かった。
「はぁあ、んっ」
激しく擦ると過敏にそれに反応する。
「い、逝っちゃいます!」
匡伸の肩に時雨は額を押し付ける。時雨のペニスがびくびくっと震えた。
逝った時の気持ちよさそうな顔をよく見ておいた。
時雨のペニスから手を離して、頬にキスする。
「おつかれ」
時雨の反応に、匡伸は大変満足した。
「お、お風呂上がったらリベンジしますからね……」
時雨はふわふわした声でそう言うのだった。
つづく
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