なんで・・・恋愛が嫌いな私が、よりにもよって恋愛シュミレーションゲームの主人公に転生してるのよ、冗談じゃない!

塚本麗音

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なんで・・・恋愛が嫌いな私が、よりにもよって恋愛シュミレーションゲームの主人公にして転生してるのよ、冗談じゃない!(13話)

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当然その中にはケンゴ、ヨルン、ヒューイットとその付き人達もいた。
状況を見るとカレンとマーガレットが捕まっていて下手に攻撃をする事ができない状況にあった。

「ヴェルディ王子、これは一体どういう事なのですか?」
「何って見ての通り、俺の嫁を迎えに来たんだよ」
ヨルンの言葉にヴェルディは何のためらいもなく答えた。
「! な、何をバカな事を」
「バカも何も、夫を選ぶ権利は彼女にある。 なら当然、俺を選ぶだろう」
「なんでそれを!」
カレンを含め周囲の人間達が驚く。

先日行われた話し合いは国王の名の元に、他の者達に漏らしてはならない、と言う箝口令が引かれたので、あの場にいた誰もがそれを口にしてはいなかったからだ。
「知っていたよ10年前からね、君が洗礼を受けた時に君を我が物にしようとした貴族達がいただろう。 君を男だと勘違いをし、金のなる木にしようとして悪事の数々が国王に知られ追放された貴族達が、君の情報を手見上げに我が国に来たのさ」
カレンの脳裏に、その時の事が蘇る。

「離しなさい!」
そんなカレンの考えを消したのはマーガレットの叫び声だった。
カレンの動きを察知したヴェルディが、動こうとするカレンの剣を奪った。
しかしそれにより一瞬の隙が出来た事でカレンは炎で攻撃をし、マーガレットを救出。

庇うようにしてマーガレットをヨルンの方に、押し出した。
しかしカレンはヴェルディにポニーテールに結んでいる髪を掴まれてしまった。
「逃さないって、言ったよね」
「結婚をする気はないとも言った」
ヴェルディがカレンの手を掴もうとするより先に、カレンは隠していた小型ナイフで掴まれていた髪を、躊躇なく自分で切った。

敵の手から逃れたカレンは、敵との間合いを取る為に離れた。
すかさず、戦闘態勢を取るカレン。
しかしそんなカレンの意に反してヴェルディは手の中に残された髪の毛を見つめ、ぼう然と立ち尽くしていた。
「なっ、なんて事をしたんだ!」
カレンから奪った剣を落とし、這いつくばるようにして落ちた髪の毛を拾い上げながらヴェルディは叫んだ。
「君は、自分の価値を下げるような事をするなんて」
「髪の毛が切れた位で私の価値は変わらない! そしてその価値を決めるのはあなたじゃなくて、私自身だ!」
カレンのそんな勇ましい姿にみんなが言葉を失った。

そんな沈黙の中1番先に言葉を発したのがケンゴだった。
「ハッ! ハハハハ。 ワリーな王子様、こいつは俺の女なんだあんたに渡すわけにはいかねぇ」
言いながらケンゴはカレンの前に出た。

「戦闘狂の分際で……愛する事の大切さを知りもしないくせに」
拾い上げた髪を大切そうに抱えながらヴェルディは立ち上がりながら言った。
「あぁ、そうだ。 俺は戦う事にしか興味がねぇ。 だけどなぁ、恋とか愛とか抜きにして、こいつ言う人間が惚れたんだよ、文句あるか?」
ケンゴの言葉に顔をしかめながらヴェルディは「奪え!」と叫んだ。
ヴェルディの命令に、男達が攻撃を仕掛けてくるが戦闘狂のケンゴに勝てるはずもなく、カレンが加勢する間もなく全員が、あっという間に倒された。
そしてヴェルディはソードとヨルンにより確保された。

その後騒ぎを聞きつけた先生達が現れ、防壁の兵士達に敵を渡した。
ヴェルディも今回の騒ぎの主導者として尋問の為、王都に送検された。
送検される日、カレンの姿を見つけたヴェルディは、
「他者から見た君達のイビツな姿は、きっと争いの元になるぞ」
だがそんな言葉に対してカレンは笑いながら、
「他人からどう思われるかより、他人の為に何ができるかだよ。 行動で示せばいいだけの事だ」

一旦、言葉を切ってケンゴを見た。
「それにね、すごくシンプルな事だけど、人として彼の事すごく好きなの! 関係が一番いい、損や得の関係じゃない、結局最後はその人の、人間性なのよ」
カレンのそんな言葉に赤面するケンゴ。
こうして2人の中は学園の公認の仲として、認められた。
ちなみに、婚約者であるエリカ嬢には、反対されるかと思ったけど、逆にお礼を言われた。

それからヴェルディの名前を再び聞いたのは、2年後の卒業パーティーでのことだった。
「ハウザー公国の国王は、結局長男の息子がなったのね」
華やかなパーティー女性たちは色とりどりの素敵で豪華なドレスに身を包み意中の男性と踊りを交わす男女。

その横で踊りからようやく解放されたヨルンにカレンが声をかけた。
「ああ。 あの後調べてみたら裏で色々と変なのと繋がってたみたいでね、怒られていたよ」
「あれを、怒られるって程度で済ませるって……」
ため息をつきながら隣に立つケンゴを見上げた。

この2年の間でカレンの髪は、背中まで伸びた。
しかし伸びたのはカレンの髪だけでなく、ケンゴの身長もだった。
出会った当初の身長は170もなかったのに今ではモーリスを超えて180以上、しかも父親と同じく、筋骨隆々に育った。
ヨルンもまた身長と髪が伸び、マーガレットともそのまま続いている。

そして残りの2人、ソードとヒューイット。
ソードはあれから剣をレイピアに変え氷の騎士と呼ばれるほどに強くなった。
見た目は変わらず美しいままだけど、心情の変化があったおかげか、女性や身分が低いものを見下す事はなくなった。

15歳になったヒューイットは、ちょっとだけ身長が伸びて、仕事の面でもワンマンになる事もなく人を頼る程に、成長した。
しかし、あいも変わらず商売の事になると、子供のようにはしゃぐところは、全く変わってはいないけどね。





今日でみんなが卒業。
本来のゲームではここで物語は終わる。
しかし可憐の物語はこれからも、まだまだ続く。


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