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波乱の一週間
新歓オリエンテーション
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「普通の高校生、ね」
エリカはどこか納得のいかない顔をしながら文也の言葉を復唱した。当たり前だ、文也の答えは質問に対するちゃんとした答えにはなっていないのだから。
「まぁいいわ、そういうことで」
納得のいかない顔は健在だが、とりあえずはいいらしい。
「なら、もうそろそろ多目的ホールへ行こう。新歓オリエンテーションが始まる」
文也が三人にそう言うと、三人はなにも言わずに文也についていった。
「ねぇ文也くん、シキガミってどんなのを連れてるの?私には認識阻害術のせいで全く見えないから」
あかりはシキガミに対する認識阻害を解除してとも言いたげな顔をして聞いた。
「千葉さんでいいかしら?」
「あかりでいいよ、エリカ」
「わかった。あかりは私がシキガミを見えるといったのは少し見えるの意味が違ってね、そうねイメージでいったらシルエットだけが見えるといった感じかしら、それは林くんもわかってるみたいだけど」
やはりか、と文也は思いながらうなずいて答える。
「じゃあ、エリカにはどんなシルエットに見えてるんだ?」
賢人が言う。
「私に見えるシルエットは狐みたいな耳があって人型の子どもねだから人弧のシキガミ、それも多分強力な」
エリカは答え合わせを求めるようにこちらを見ながら答えた。
「正解だよ、俺の従えている二体のシキガミは今と稲荷、エリカの言う通り人弧の中でも強力な部類に入るものだ。ついでに言えばあかりの好みかも知れんな」
そう言うとあかりは目をキラキラと輝かせながら。
「モフモフ!?」
(……やはりか)
「あぁ、モフモフだ」
あかりはそれを聞くとキラキラした目をギラギラに変え、ヨダレを垂らしそうな顔をしている。
「ねぇ文也くん」
「……なんだ?」
「認識阻害がかかってても触れるよね」
「あ、逃げた」
あかりがまるで食べてしまいそうな勢いで文也にくってかかると本来文也の護衛であるはずの今と稲荷は逃げてしまった。
それをエリカが呟くとあかりは残念そうに深いため息をついた。
(ため息をつきたいのはこちらなんだが……)
◆◆◆◆
なんやかんやで多目的ホールへつくと部活紹介が始めるところだった。
「良かった間に合った」
前の席は埋まっているが後ろの方の席はまだ残っていた。
新歓オリエンテーション。正式名は新入生歓迎オリエンテーション。これは新歓祭と呼ばれる入学後一週間続く部活やサークルなどに新入生を歓迎と言うよりも勧誘するものだ。
この祭りの間はばか騒ぎといえば悪いが、それに近い状態になる。
文也は部活動に興味はないので無縁の祭りだ。
「文也くん、あそこあそこ」
あかりがふいに指差すと四人分の席が取られており、二人の生徒があかりに向かって手を振っている。
「教室を出る前に席を取ってくれるよう頼んでおいたの」
「おぉ、來未と佐織じゃねか」
「二人の共通の友人?」
文也が聞こうとしていたことをエリカが聞いた。
「あぁ、まあな」
「中学の時の友人よ」
そう言って二人のところまで向かうと左からあかり、賢人、文也、エリカの順に座った。
「久しぶりあかり」
「本当に久しぶりだねあかり、來未なんか今日が楽しみーとか言って寝てないんだから」
「言わなくていい!」
顔を赤らめる來未(?)にあかりが。
「二人は相変わらずだね」
「おいおい、俺を忘れるなよな」
一人のけ者にされていた賢人が自分から前に出た。
「あ、ごめんごめん。賢人も久しぶり」
「久しぶりだね賢人くん、そちらの方は?」
來未が賢人に見知らぬ二人の紹介を求めた。
「こっちは知ってるよな?林文也、新入生代表だ。それでこっちが沢尻エリカ」
文也とエリカは紹介にあわせて会釈した。
「私は西宮佐織よ」「私は山田來未です」と二人も交互に自己紹介をした。初対面の印象としては佐織がいじりキャラで來未がいじられキャラだろうか。二人とも世に言う美人だ。
それから少し六人で自己紹介がてら話していると、アナウンスが入った。
「これより、新入生歓迎オリエンテーション。新歓オリエンテーションを始めます!」
開会の言葉と共に舞台袖から一人の女性、いや女子生徒が出てきた。
「新入生の諸君、まずは入学おめでとう!私は当校の両科共通の生徒会長、黒城サユリだ。早く部活の話を聞きたいとは思うがまずは私の話を聞いて欲しい。私から言いたいのは普通科と陰陽科の隔たりについてだ、残念ながら二三年生の間ではこの二つの科はあまり仲がよろしくない。これは今の社会の陰陽師という社会的な地位が高いことが原因だろう。現に陰陽科の生徒が普通科を見下し、普通科の生徒がそれを受け入れてしまっているのは事実、これは良くないと私は思う。だからどうか、君たちの代でこの悪い風潮を断って欲しい」
話、というよりは演説のようになっているがホールは拍手喝采に包まれた。
生徒会長の演説(?)が終わると次々に部活動が紹介されていく。
陰陽科がある全国五校では陰陽術を使用する部活も多く、この学校にも剣術部、弓術部、銃術部、さらにその他にも様々なものがあり、もちろん普通な部活もある。
中でも部活に入るつもりのなかった文也がパンフレット(端末機にダウンロードするタイプ)を見て唯一興味をもった部活が今紹介されている。
「僕達術学技術部は部活独自の研究をおこなったり、オリジナルの術式、術機の作成なんかをやったりする部です。皆さんはこんな一介の高校生がやっている研究なんて……と思うかと思いますがこの部は違います。これからその活動成果をお見せ致しましょう」
そう言って恐らく部長の男子生徒が胸から取り出したのは丸く手のひらよりも小さい術機。
(形からして特化型の術機だな……だが、あんなの見たこともない)
「これは見ての通り特化型の術機、それも使い捨てのね」
(……使い捨て!?)
それを聞いた文也は目の色を変える。術機を使い捨てるなんて今までにない発想だ。
「この術機はスイッチを入れて対象物に設置すると、数秒後に裏側のスライドカバーが開いて収束系の陰陽術を自動展開、空気や塵が吸い込まれていく真空モードに入る。真空モードが限界に達すると一気に爆縮し、あらゆるものを抉り取る真空の爆発が起こる。と言った感じだね、これの威力はここでは見せられないけどレベル2くらいの怪異なら簡単に倒せる陰陽術と科学機械の融合って感じかな。これは一応インデックスの審査にまわしてる最中なんだけど、どうか他にも部員が入ってくれると部費も増えて助かるんでよろしくお願いします!」
(収束系の陰陽術で空気を収束し、真空状態が限界に到達したときに爆縮する設置型の特化型と言うよりも特化しすぎている術機だな)
「面白い……」
文也がつい興味満載ということを感じさせる声を漏らすとすかさずエリカが。
「林くんはこういうのが好きなの?そう言えば認識阻害術式もオリジナルみたいだったし」
「文也さんってインドア派なんですか?」
來未が意外と言うような顔をして聞いた。
「いいや、ただ術式を組み立てたり術機を作ったりするのが好きなだけさ」
「術機の個人製作って難しいんじゃなかったか?」
「私の父さんもやってる時あるけど楽しいって感じより大変て感じがする」
賢人と佐織が疑問に思うという顔をした。
「確かに大変ではあるけどある程度の設備があればそうでもないよ、家にはそれが揃っているからね」
「へー家に術機を作れる程の設備があるってますます謎の高校生キャラがたってくる……」
あかりは最後まで言い切る前に話をやめたかと思えば突然話をガラッとかえた。
「私、将棋部に入る」
「え?」
突然のあかりの告白に驚いたのは文也だけだった。しかもあかりと同じことを賢人達も言い始め、しまいにはホールないにいる生徒のほとんどが今、術学技術部の次に話を始めた将棋部に首ったけであった。
舞台の中心にたっているの男子生徒が誰なのかは人目でわかった。
(白城弧鉄……十二神色の人間か)
十二神色とは十二の色の一つが苗に入る桁上がりの名家と肩を並べる名家であの生徒会長、黒城サユリもその一人だ。
「林くん……」
「あぁ」
幸いにもなにもなっていなかったエリカは文也と同時に状況を理解した。
(広域精神干渉……)
まだあまり科学的にも解明されていないことの多い精神系の陰陽術で恐らくは扇動の陰陽術。
それを教師や生徒会のメンバーにばれることなく使っている黒城は相当な手練れ。
「エリカ、とりあえず四人を外へ出すぞ」
「でもどうやって?」
エリカの質問に文也は行動で答えた。
四人に波動を打ち込んだのだ。
精神系の陰陽術は体内の霊子や想子に干渉する陰陽術なので干渉している霊子と想子を無理やり乱してやれば影響を下記消せる。だが、波動を打ち込むとひどい乗り物良いのようになるので。
「運ぶのを手伝ってくれ」
エリカはそれにうなずき目立たないように多目的ホールから四人を連れ出し、朝文也が寝ていたベンチまで運んだ。
◆◆◆◆
「頭がガンガンする……」
三人よりも早く目覚めた賢人はベンチに横たらりながら苦しそうにしている。
「すまない。俺の波動で無理やり精神干渉を外したからなその影響がまだ残っているんだろう。時期に収まる」
「あぁすまねぇ文也。エリカもサンキュな」
こくんとエリカはうなずく。
「お前らはなんで平気だったんだ?みんな変になったんだろ?」
「俺には精神干渉の一切は通用しない」
「私は自分に術が向かってくるのが見えたからとっさに自分の霊子の流れを乱したの」
「そうか……。にしても白昼堂々洗脳って大胆なことするな……」
賢人は力が抜けたような声で呟いた。
(白城弧鉄……いったい何を……)
文也が睨む先で白城弧鉄の思惑は不適に笑う。
エリカはどこか納得のいかない顔をしながら文也の言葉を復唱した。当たり前だ、文也の答えは質問に対するちゃんとした答えにはなっていないのだから。
「まぁいいわ、そういうことで」
納得のいかない顔は健在だが、とりあえずはいいらしい。
「なら、もうそろそろ多目的ホールへ行こう。新歓オリエンテーションが始まる」
文也が三人にそう言うと、三人はなにも言わずに文也についていった。
「ねぇ文也くん、シキガミってどんなのを連れてるの?私には認識阻害術のせいで全く見えないから」
あかりはシキガミに対する認識阻害を解除してとも言いたげな顔をして聞いた。
「千葉さんでいいかしら?」
「あかりでいいよ、エリカ」
「わかった。あかりは私がシキガミを見えるといったのは少し見えるの意味が違ってね、そうねイメージでいったらシルエットだけが見えるといった感じかしら、それは林くんもわかってるみたいだけど」
やはりか、と文也は思いながらうなずいて答える。
「じゃあ、エリカにはどんなシルエットに見えてるんだ?」
賢人が言う。
「私に見えるシルエットは狐みたいな耳があって人型の子どもねだから人弧のシキガミ、それも多分強力な」
エリカは答え合わせを求めるようにこちらを見ながら答えた。
「正解だよ、俺の従えている二体のシキガミは今と稲荷、エリカの言う通り人弧の中でも強力な部類に入るものだ。ついでに言えばあかりの好みかも知れんな」
そう言うとあかりは目をキラキラと輝かせながら。
「モフモフ!?」
(……やはりか)
「あぁ、モフモフだ」
あかりはそれを聞くとキラキラした目をギラギラに変え、ヨダレを垂らしそうな顔をしている。
「ねぇ文也くん」
「……なんだ?」
「認識阻害がかかってても触れるよね」
「あ、逃げた」
あかりがまるで食べてしまいそうな勢いで文也にくってかかると本来文也の護衛であるはずの今と稲荷は逃げてしまった。
それをエリカが呟くとあかりは残念そうに深いため息をついた。
(ため息をつきたいのはこちらなんだが……)
◆◆◆◆
なんやかんやで多目的ホールへつくと部活紹介が始めるところだった。
「良かった間に合った」
前の席は埋まっているが後ろの方の席はまだ残っていた。
新歓オリエンテーション。正式名は新入生歓迎オリエンテーション。これは新歓祭と呼ばれる入学後一週間続く部活やサークルなどに新入生を歓迎と言うよりも勧誘するものだ。
この祭りの間はばか騒ぎといえば悪いが、それに近い状態になる。
文也は部活動に興味はないので無縁の祭りだ。
「文也くん、あそこあそこ」
あかりがふいに指差すと四人分の席が取られており、二人の生徒があかりに向かって手を振っている。
「教室を出る前に席を取ってくれるよう頼んでおいたの」
「おぉ、來未と佐織じゃねか」
「二人の共通の友人?」
文也が聞こうとしていたことをエリカが聞いた。
「あぁ、まあな」
「中学の時の友人よ」
そう言って二人のところまで向かうと左からあかり、賢人、文也、エリカの順に座った。
「久しぶりあかり」
「本当に久しぶりだねあかり、來未なんか今日が楽しみーとか言って寝てないんだから」
「言わなくていい!」
顔を赤らめる來未(?)にあかりが。
「二人は相変わらずだね」
「おいおい、俺を忘れるなよな」
一人のけ者にされていた賢人が自分から前に出た。
「あ、ごめんごめん。賢人も久しぶり」
「久しぶりだね賢人くん、そちらの方は?」
來未が賢人に見知らぬ二人の紹介を求めた。
「こっちは知ってるよな?林文也、新入生代表だ。それでこっちが沢尻エリカ」
文也とエリカは紹介にあわせて会釈した。
「私は西宮佐織よ」「私は山田來未です」と二人も交互に自己紹介をした。初対面の印象としては佐織がいじりキャラで來未がいじられキャラだろうか。二人とも世に言う美人だ。
それから少し六人で自己紹介がてら話していると、アナウンスが入った。
「これより、新入生歓迎オリエンテーション。新歓オリエンテーションを始めます!」
開会の言葉と共に舞台袖から一人の女性、いや女子生徒が出てきた。
「新入生の諸君、まずは入学おめでとう!私は当校の両科共通の生徒会長、黒城サユリだ。早く部活の話を聞きたいとは思うがまずは私の話を聞いて欲しい。私から言いたいのは普通科と陰陽科の隔たりについてだ、残念ながら二三年生の間ではこの二つの科はあまり仲がよろしくない。これは今の社会の陰陽師という社会的な地位が高いことが原因だろう。現に陰陽科の生徒が普通科を見下し、普通科の生徒がそれを受け入れてしまっているのは事実、これは良くないと私は思う。だからどうか、君たちの代でこの悪い風潮を断って欲しい」
話、というよりは演説のようになっているがホールは拍手喝采に包まれた。
生徒会長の演説(?)が終わると次々に部活動が紹介されていく。
陰陽科がある全国五校では陰陽術を使用する部活も多く、この学校にも剣術部、弓術部、銃術部、さらにその他にも様々なものがあり、もちろん普通な部活もある。
中でも部活に入るつもりのなかった文也がパンフレット(端末機にダウンロードするタイプ)を見て唯一興味をもった部活が今紹介されている。
「僕達術学技術部は部活独自の研究をおこなったり、オリジナルの術式、術機の作成なんかをやったりする部です。皆さんはこんな一介の高校生がやっている研究なんて……と思うかと思いますがこの部は違います。これからその活動成果をお見せ致しましょう」
そう言って恐らく部長の男子生徒が胸から取り出したのは丸く手のひらよりも小さい術機。
(形からして特化型の術機だな……だが、あんなの見たこともない)
「これは見ての通り特化型の術機、それも使い捨てのね」
(……使い捨て!?)
それを聞いた文也は目の色を変える。術機を使い捨てるなんて今までにない発想だ。
「この術機はスイッチを入れて対象物に設置すると、数秒後に裏側のスライドカバーが開いて収束系の陰陽術を自動展開、空気や塵が吸い込まれていく真空モードに入る。真空モードが限界に達すると一気に爆縮し、あらゆるものを抉り取る真空の爆発が起こる。と言った感じだね、これの威力はここでは見せられないけどレベル2くらいの怪異なら簡単に倒せる陰陽術と科学機械の融合って感じかな。これは一応インデックスの審査にまわしてる最中なんだけど、どうか他にも部員が入ってくれると部費も増えて助かるんでよろしくお願いします!」
(収束系の陰陽術で空気を収束し、真空状態が限界に到達したときに爆縮する設置型の特化型と言うよりも特化しすぎている術機だな)
「面白い……」
文也がつい興味満載ということを感じさせる声を漏らすとすかさずエリカが。
「林くんはこういうのが好きなの?そう言えば認識阻害術式もオリジナルみたいだったし」
「文也さんってインドア派なんですか?」
來未が意外と言うような顔をして聞いた。
「いいや、ただ術式を組み立てたり術機を作ったりするのが好きなだけさ」
「術機の個人製作って難しいんじゃなかったか?」
「私の父さんもやってる時あるけど楽しいって感じより大変て感じがする」
賢人と佐織が疑問に思うという顔をした。
「確かに大変ではあるけどある程度の設備があればそうでもないよ、家にはそれが揃っているからね」
「へー家に術機を作れる程の設備があるってますます謎の高校生キャラがたってくる……」
あかりは最後まで言い切る前に話をやめたかと思えば突然話をガラッとかえた。
「私、将棋部に入る」
「え?」
突然のあかりの告白に驚いたのは文也だけだった。しかもあかりと同じことを賢人達も言い始め、しまいにはホールないにいる生徒のほとんどが今、術学技術部の次に話を始めた将棋部に首ったけであった。
舞台の中心にたっているの男子生徒が誰なのかは人目でわかった。
(白城弧鉄……十二神色の人間か)
十二神色とは十二の色の一つが苗に入る桁上がりの名家と肩を並べる名家であの生徒会長、黒城サユリもその一人だ。
「林くん……」
「あぁ」
幸いにもなにもなっていなかったエリカは文也と同時に状況を理解した。
(広域精神干渉……)
まだあまり科学的にも解明されていないことの多い精神系の陰陽術で恐らくは扇動の陰陽術。
それを教師や生徒会のメンバーにばれることなく使っている黒城は相当な手練れ。
「エリカ、とりあえず四人を外へ出すぞ」
「でもどうやって?」
エリカの質問に文也は行動で答えた。
四人に波動を打ち込んだのだ。
精神系の陰陽術は体内の霊子や想子に干渉する陰陽術なので干渉している霊子と想子を無理やり乱してやれば影響を下記消せる。だが、波動を打ち込むとひどい乗り物良いのようになるので。
「運ぶのを手伝ってくれ」
エリカはそれにうなずき目立たないように多目的ホールから四人を連れ出し、朝文也が寝ていたベンチまで運んだ。
◆◆◆◆
「頭がガンガンする……」
三人よりも早く目覚めた賢人はベンチに横たらりながら苦しそうにしている。
「すまない。俺の波動で無理やり精神干渉を外したからなその影響がまだ残っているんだろう。時期に収まる」
「あぁすまねぇ文也。エリカもサンキュな」
こくんとエリカはうなずく。
「お前らはなんで平気だったんだ?みんな変になったんだろ?」
「俺には精神干渉の一切は通用しない」
「私は自分に術が向かってくるのが見えたからとっさに自分の霊子の流れを乱したの」
「そうか……。にしても白昼堂々洗脳って大胆なことするな……」
賢人は力が抜けたような声で呟いた。
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