俺のバッドエンドが彼女のハッピーエンドなんてあってたまるか!

めいゆー

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外出許可と眠目アリス

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キーンコーンカーンコーン

「はーい、じゃあ今日の授業はこれまで!今週もみんなお疲れ様。」
「ふー、やっと今週も終わった...。明日からやっと休みかー。」

この学園に来て2週間、いったい何度、華憐に殺されたことだろう。最初のうちは、華憐の凶行を止めてくれていたアンっだたが、殺されても生き返る俺を何度も見ているうちに止めるだけ無駄だと学習したらしく、今となってはお姉ちゃんの幸せの為だとかなんとか言い出し、華憐に味方するようになっていた。
そんなこともあり、華憐と顔を合わせることのない週末は俺の心のオアシスなのだ。

「あっ、そうだ言い忘れてましたが、霧崎さんに朗報がありまーす。この度、学園側から許可が下りて学園外での生活ができるようになりました~。パチパチパチパチ~。ちなみに~霧崎さんが新しく住むのはなんと!湊君のアパートのお隣のお部屋になりまーす。」
「千咲ちゃん!!!それってホント!?」
(俺の心のオアシスがーーーー!!!!!!!!!!!!!!!!!!)
「ちなみにこの件に関して、3つ条件があります。まず1つ、霧崎さんが湊君以外の人物に危害を加えない事。危害を加えた場合、今後一切学園からの外出を禁止します。2つ、人前での湊君の殺害を禁止します。3つ、あなたの学園外での行動は常に第三者によって監視されます。以上、この3つなんだけど最初の2つ守れるかしら?」
「守る守る守る守る!!!!!守ってみせるわ!!!!!」
あまりの勢いに木村先生も若干押され気味である。
「そっそう、分かったわ。それにしてもあなたがこの学園の外に出られる日が来るなんて思ってもいなかったわ。これもきっと湊君の愛の力ね!笑」
「木村先生!!!!!」
「ごめんね湊君。土呂井戸さんも霧崎さんが暴走しないようによろしくね。」
「はーい先生。お姉さまが暴走した時は私が身体を張って止めてみせるわ!!!」
「なんで『お姉ちゃん』から『お姉さま』になってんだよ...」
「これからは湊くんと登校も下校も休みの日もずっと一緒なんだ~...へへっ へへへへ へへへっ」
「気持ち悪いぞ華憐...」
「そういうことだからじゃーよろしくね。これが部屋の鍵ねー。ある程度生活に必要な物はテキトーに準備されてると思うけど足りない物があるようなら明日にでも買いに行きなさい。買い物はこのカードを使ってね。」
と、渡されたカードは学園長の名義になっていた。
「木村先生これって...」
「あー大丈夫、大丈夫。すべてのお店で霧崎さんがこのカードを問題なく使えるように根回ししといたから。好きなだけ使っちゃって!」
(木村先生、アンのことがあってから一段と学園長に対するあたりが強くなってる気が...)
「よし、じゃあ帰るか。」
「うん、湊くん!」「はーい、お兄ちゃん。」
華憐は嬉しそうにうなずき、ちゃっかりと腕を組んだ。
それを見ていたアンも、
「じゃあ、反対側は、私~♪」
少し、華憐に睨まれひるんだものの俺の陰に隠れるように腕を組んだ。
教室から出ると何やらザワザワしている。
それもそのはず、入ったら生きて出られないと噂のCクラスから両手に美少女を携えた男が出てきたのだから、それは仕方のないことだった。
「あれが噂の殺人鬼?」「昔のクラスメイト、全員殺しちゃったんでしょ?」「なんで教室から出てきてるんだよ!?」「なんであんな人殺しが学校に通ってるんだよ。」
(やっぱりこうなっちゃうよな~)
「華憐大丈夫か?」
「大丈夫だよ湊くん。今みんな殺しちゃったら外に出られなくなっちゃうじゃん♪」
「おいおい...」
「冗談よ。私には湊くんがいるもん。もう誰も殺す必要ないわ♪」
「それならお姉さま!!ここは私が全員黙らせてきちゃいますね!
「アン、やめろ!!!」
「ちっ」
(こいつ舌打ちまでするようになりやがった...)

周りの生徒が道を開けていく中、一人の女生徒が手を振り近づいてきた。眠目だ。
「藤原く~ん、土呂井戸さ~ん。今帰り?今日もまたかわいい子増えてるね~。」
「湊くん。その子誰?」
華憐が少し不機嫌そうに聞いた。
「こいつは前に俺が話しかけられたって言ってたAクラスの眠目アリスだ。で、眠目こっちは俺と同じCクラスの霧崎華憐っていうんだ。」
「初めまして霧崎さん♪噂の殺人鬼さんが、こんなに可愛い子だったなんてびっくりだよ~。」
「どうもっ!の霧崎です。」
「彼女さんなんだね!いいないいなーこんな可愛い女の子と付き合えるなんて湊くん羨ましいな~。土呂井戸さんも美人だし、藤原君ばっかりずるいよ~。」
「可愛いだってよ。よかったな華憐。」
「別に嬉しくないし。それから眠目さん、私から湊くん取ろうとしたら殺すから!!」
「あーないない!私、男の子にはあんまり興味がないから。私が興味あるのは、土呂井戸さんや霧崎さんみたいな可愛い女の子の方かな~♪」
そう言うと眠目は華憐の後ろに回り込み、左手で胸を右手で太ももを触りだした。
「ちょ、ちょっとあんた何処触ってるのよ!あっ...あ.....あ...もうやめなさいよ~...!!やめてってば~!!」
「この主張しすぎない小ぶりな胸!!白くてスベスベの太もも!!!(*´Д`)ハァハァ 可愛い、可愛いよ霧崎さ~~~ん!!!(*´Д`)ハァハァ」
(こいつもか~~~~~~!!!!!!)
「おい眠目!」
ビシッ!
軽く頭を叩くと眠目は正気に戻った。
「あはは、ごめんね霧崎さん!!私、可愛い子見ると自分を抑えられなくんなっちゃって...今日は、このぐらいにしとくね♪うんじゃー、みんなまた来週~」
そう言うと眠目は上機嫌でその場を後にした。
「う~~~...湊くん、私あの女、嫌い...」
半泣き状態の華憐の顔が可愛く見えた。
普段、強気な華憐が見せるこのギャップが俺はたまらなく好きだ。
それから俺とアンは、華憐の機嫌をとりながら家路に着くのであった。
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