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赤薔薇は咲く
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生きる人形は痛覚を取り戻して、その喜びのまま割れた硝子の上で踊っていた。痛いのが嬉しいなんて、わけがわからない。だけど彼女が十数年焦がれた感覚なのだと思うと、無下に扱うことはできなかった。ただ、後に痛みに苦しむ彼女は見たくないのだ。
「君の足に刺さった硝子を取るのは僕なんだ。勘弁してくれ」
「あら、貴男が硝子を抜いてくださるの。とても素敵だわ」
彼女は純白のスカートを翻し、裸足を硝子に晒していく。床に描き出される赤い模様は花のようで、胸を刺されるような思いがした。
「君の足に刺さった硝子を取るのは僕なんだ。勘弁してくれ」
「あら、貴男が硝子を抜いてくださるの。とても素敵だわ」
彼女は純白のスカートを翻し、裸足を硝子に晒していく。床に描き出される赤い模様は花のようで、胸を刺されるような思いがした。
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