re:gent〜やり直しの邪神に取り憑かれたから異能バトルで呪いを断ち切る〜

アリヘアM

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第一章 狛龍との出会い

魂の目覚めと狛龍の咆哮

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ナハシティの海辺へと続く小道を、少年・比嘉聖悟は全速力で駆け抜けていた。
胸の中で、父の形見の勾玉が熱く脈打っている。

(さっきの黒フードのやつ……ただの人間じゃない……!)

背後から風が唸る。
鋭い羽音と共に、空中から突き刺すような声が響いた。

「見つけたぞよ、小僧!!!」

振り向くと、巨大な鳥の頭を持つ人型の怪物――ゾヨが翼を広げ、滑空してくるところだった。
その足元からは、地を蹴って追いかけてくる金髪の格闘男・ネクの姿もある。

「おい、待てよ!楽しませろよ、坊やァ!!」

「うわっ!?」

聖悟は慌てて体をひねる。次の瞬間、ゾヨの羽ばたきから鋭い羽刃が風と共に襲いかかる。
舗装道路が裂け、車止めが砕けた。

(やばい……やばい……これ、死ぬやつじゃん!!)

逃げ場のない海沿いの道。波が荒れ、空が黒く渦を巻いている。
大雨が近い。なのに、この状況のほうが遥かに異常だった。

聖悟はふらつきながら、防波堤の先――誰もいない砂浜へと足を踏み出した。

そのときだった。

「――ワン!」

遠くから犬の鳴き声が響いた。だが、それはただの犬の声ではなかった。
どこか凛とした、まるで雷鳴を含んだような気迫を帯びた咆哮。

「え?」

砂浜の先、波打ち際に立っていたのは――
艶やかな緑の 鬣たてがみをたなびかせる一頭の龍。

否、それは龍と狼の中間のような神獣だった。青白い光をまとい、空気すら震わせる威厳。
そしてその瞳は、まっすぐに聖悟を見つめていた。

「お前は……狛犬……いや、龍!?」

「……リュウケンだ」

聖悟の意識に直接、声が響いた。
魂と魂が繋がったのだ――心の奥底から誰かの存在が入り込んでくるような、圧倒的な実感と共に。

「僕と……喋った?今、喋ったよね?」

リュウケンの瞳が静かに瞬いた。

「お前の勾玉が、我を呼んだ。お前が“目覚め”かけているからだ。今ここで選べ。逃げるか、立ち向かうか」

「立ち向かう……?」

その言葉が頭にこだまする。足が震え、呼吸が荒い。だが心の奥では、何かが燃え始めていた。
忘れかけていた父の背中。稽古の記憶。道場で語られた「魂を強く持て」という言葉。

(俺は……ちょっと強いただの中学生だった。でも……)

風が唸った。

「なるほどなァ~」
ゾヨが翼を広げて降り立ち、羽を広げた。

「そいつが噂の狛龍ってやつか。魂能力者と融合するとかいう、伝説の犬っころぞよ」

「それがどうした?」
ネクが拳を打ち鳴らす。

「強そうな奴ほど、ぶっ飛ばす価値がある。なァ、ダーク様?」

その瞬間、ビルの影から黒いフードの青年――ダークが姿を現した。

「………ふむ。想定より早かったな、出会いのタイミングが」

彼は指を鳴らすと、空間に紫の魔法陣が浮かび上がった。
マスタースカウトカード――魂を刻印し、意志を操る禁呪の魔具。

「君の力、興味あるよ。できれば我々の仲間になってくれないか?」

「断るッ!」

聖悟は勾玉を握りしめ、リュウケンに叫ぶ。

「頼む!俺を……力を貸してくれ!!」

「よかろう。ならば、我が魂をお前に与える!」

リュウケンの身体が発光する。風が巻き、雷の音が轟いた。
そして、光の渦が聖悟を包む――

「魂能力!融合――!!」

聖悟とリュウケンの身体が重なり、ひとつの姿へと変貌していく。
狼耳を備えた少年の姿。瞳は緑に輝き、全身にオーラが走る。

「魂形態・龍聖悟、推して参る!!」

拳を構え、彼は地面を蹴った。

次の瞬間、風が裂け、ネクの頬に拳がめり込んだ。

「ぐはぁっ……!? こいつ、速っ――」

続いてゾヨの嘴に蹴りが炸裂。羽が千切れ、彼の巨体が吹き飛ぶ。

「な、なにィ!? こんな子供が……」

「俺はもう逃げない……!この力で、俺は……」

聖悟の拳が再び輝く。

「みんなを、守る!!」

雷鳴がとどろく浜辺の戦場。少年の魂が、いま目覚めた。


    
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