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第一章 狛龍との出会い
魂を蝕む闇
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白い閃光が、ナハシティの浜辺を切り裂いた。
嵐の空に昇る魂のオーラ。
少年と狛龍が融合した戦士「魂能力融合体・ 龍悟」は、たった一人でダークの狐一味を押し返していた。
「ちっ……ネクもゾヨもやられるとはな」
ダークはフードを取り、瞳を細めた。
風に流れる黒髪の奥で、彼の右手にはすでに一枚のカードが握られていた。
――マスタースカウトカード。
どんな魂能力者であろうと、契約の魔法陣を刻み込み、意志すら支配する闇の道具。
「君の力は素晴らしい……だからこそ、こちら側に来てほしいんだ」
「断ると言っただろ!!」
リュウゴの瞳が光る。足元に力を込め、一直線にダークへ向かって突き進む!
だが――その瞬間、空気が歪んだ。
「今だ」
ダークがカードを空中へ放った。
紫に光る紙片は回転しながら、まるで意思を持つかのようにリュウ悟の胸元へ――
ズンッ!
「なっ……!? ぐっ、が……!」
光の柱が炸裂する。
リュウゴの体に、紫色の魔法陣が刻まれた!
「これは……何だ……!? 体が、動か……ない……!」
「契約だよ」
ダークは歩きながら微笑んだ。
「マスタースカウトカードは、対象の“魂”に直接契約を刻む。君と融合した狛龍の魂も、そのまま丸ごとね」
「そんな……狛龍……!」
《……すまぬ、聖悟……我も、体が……制御できぬ……》
リュウ悟の瞳が揺れる。
叫びたくても声が出ない。頭の中に他人の声が入り込んでくる。闇の霧が、脳を蝕んでいく。
(嫌だ……やめろ……俺は……俺のままで……!)
「お前たちは、今日からダークの狐の戦士だ」
ダークは手をかざし、ゆっくりと契約の封印を完成させた。
その瞬間――
「ワン……!」
微かな鳴き声が、聖悟の心を貫いた。
それは狛龍リュウケンの心の声――かすかな意志の断片だった。
(お前は……誰のために戦う? 誰を守るために、力を求めた?)
闇の呪縛の中で、少年の心が揺れる。
だが、契約は止まらない。もう手遅れだった。
◆
翌朝、ナハシティの海辺には、嵐の痕跡が残されていた。
破壊された護岸、焦げた道路、そして倒れた街灯。誰もが“事故”としか説明できない風景。
その中に、紺色のマントをまとった一人の少年が立っていた。
――比嘉聖悟。
瞳から光は消え、口元には機械のような無表情。
「聖悟、どうだ?」
ダークが声をかけると、聖悟は静かにうなずいた。
「はい、ダーク様。私はすでにあなたの命令に従います」
ゾヨとネクがにやけながら拍手を送る。
「これでこの地方最強の魂能力者は、我らの仲間ぞよ!」
「ははっ!あいつの力、使い放題じゃないっすか!」
ダークは微笑むと、海の彼方を見つめた。
(あと数人……この島に眠る魂能力者たちを集めれば、“計画”は完成する)
「行くぞ、次は“古楽流道場”だ」
「了解!」
そして、闇に染まった聖悟もまた、無言で後に続いた。
彼の胸の奥で、まだ微かに残る“光”が――消えかけていた。
嵐の空に昇る魂のオーラ。
少年と狛龍が融合した戦士「魂能力融合体・ 龍悟」は、たった一人でダークの狐一味を押し返していた。
「ちっ……ネクもゾヨもやられるとはな」
ダークはフードを取り、瞳を細めた。
風に流れる黒髪の奥で、彼の右手にはすでに一枚のカードが握られていた。
――マスタースカウトカード。
どんな魂能力者であろうと、契約の魔法陣を刻み込み、意志すら支配する闇の道具。
「君の力は素晴らしい……だからこそ、こちら側に来てほしいんだ」
「断ると言っただろ!!」
リュウゴの瞳が光る。足元に力を込め、一直線にダークへ向かって突き進む!
だが――その瞬間、空気が歪んだ。
「今だ」
ダークがカードを空中へ放った。
紫に光る紙片は回転しながら、まるで意思を持つかのようにリュウ悟の胸元へ――
ズンッ!
「なっ……!? ぐっ、が……!」
光の柱が炸裂する。
リュウゴの体に、紫色の魔法陣が刻まれた!
「これは……何だ……!? 体が、動か……ない……!」
「契約だよ」
ダークは歩きながら微笑んだ。
「マスタースカウトカードは、対象の“魂”に直接契約を刻む。君と融合した狛龍の魂も、そのまま丸ごとね」
「そんな……狛龍……!」
《……すまぬ、聖悟……我も、体が……制御できぬ……》
リュウ悟の瞳が揺れる。
叫びたくても声が出ない。頭の中に他人の声が入り込んでくる。闇の霧が、脳を蝕んでいく。
(嫌だ……やめろ……俺は……俺のままで……!)
「お前たちは、今日からダークの狐の戦士だ」
ダークは手をかざし、ゆっくりと契約の封印を完成させた。
その瞬間――
「ワン……!」
微かな鳴き声が、聖悟の心を貫いた。
それは狛龍リュウケンの心の声――かすかな意志の断片だった。
(お前は……誰のために戦う? 誰を守るために、力を求めた?)
闇の呪縛の中で、少年の心が揺れる。
だが、契約は止まらない。もう手遅れだった。
◆
翌朝、ナハシティの海辺には、嵐の痕跡が残されていた。
破壊された護岸、焦げた道路、そして倒れた街灯。誰もが“事故”としか説明できない風景。
その中に、紺色のマントをまとった一人の少年が立っていた。
――比嘉聖悟。
瞳から光は消え、口元には機械のような無表情。
「聖悟、どうだ?」
ダークが声をかけると、聖悟は静かにうなずいた。
「はい、ダーク様。私はすでにあなたの命令に従います」
ゾヨとネクがにやけながら拍手を送る。
「これでこの地方最強の魂能力者は、我らの仲間ぞよ!」
「ははっ!あいつの力、使い放題じゃないっすか!」
ダークは微笑むと、海の彼方を見つめた。
(あと数人……この島に眠る魂能力者たちを集めれば、“計画”は完成する)
「行くぞ、次は“古楽流道場”だ」
「了解!」
そして、闇に染まった聖悟もまた、無言で後に続いた。
彼の胸の奥で、まだ微かに残る“光”が――消えかけていた。
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