re:gent〜やり直しの邪神に取り憑かれたから異能バトルで呪いを断ち切る〜

アリヘアM

文字の大きさ
5 / 29
第二章 古楽道場編

魂の試練。そして誰かの声

しおりを挟む
──雷鳴轟く、リューキュー本島。

その山あいの一角にひっそりと佇む武術の流派、それが「古楽流道場」であった。

瓦屋根と木造の本堂、庭には修行中の少年少女たち。だがこの道場が“魂能力者”の育成組織でもあることは、表の人間界では知る者は少ない。

その日──
突如として、黒い嵐が空から舞い降りた。

ネク「ダーク様の命令はただ一つ。この道場に潜む魂能力者を、全員仲間に引き入れることだッ!」

ゾヨ「手荒になるぞよ~!覚悟しろ魂使いども!」

そして――その2人の背後に、少年がいた。
かつて、心優しき少年だったはずの少年。
今は黒い魂の刻印を受けた戦士――比嘉聖悟である。

「……魂能力、融合」

彼の背後に現れたのは、すでに数章前で邂逅かいこうした幻獣・狛龍リュウケン。
出会いは意思を通じ合ったパートナーだったが、今は闇の鎖に囚われた存在となっていた。



その時、本堂の前に一人の少女が立ちはだかった。

「ここは修行の場。お引き取り願おうか、闇の者たちよ」

ユナとは特徴の違う茶褐色の肌に長い黒髪、赤と白帯の修行着を身にまとう彼女は、古楽流道場の筆頭格。
名を――波平(なみひら)ナツルという。

目元に宿る静かな怒りと威厳は、修行生たちの尊敬を集める存在だった。

ナツル「私は魂の流れを読む者。……あなた、意識は戻っていないわね? 本当にこのままでいいの?」

聖悟「………命令だ……従うだけ……」

ナツル「魂は命令には従わない。……ねぇ、あなたの奥にいる子。……狛龍リュウケン。あなた、本当にそれでいいの?」

彼女の一言が、聖悟の背中の幻獣を揺らした。

《…………》

ネク「なに口出してんだバカ女がよォ!」

ナツル「来なさい!!古楽流は、魂を戦わせるためにあるんじゃない!!“魂を護るため”にある流派なの」



空が閃光に包まれる。

ネクの拳と、ナツルの掌底が激突。
だがナツルの動きは一瞬でネクを見切る。
魂の流れを読む能力“心眼流”が炸裂する!

ゾヨ「くっ……ナツルとかいう女、思った以上の手練れぞよ!」

だが――ダークは、動じない。

「洗脳は進行している。彼の魂は、忠誠に染まりつつある」

その時だった。

「それを見誤ってるのは、あんたのほうだぜ、ダークの狐」

空から落ちる銀の光。
尾を引く流星のように飛来したのは――銀河狐ダン!

ダン「“初めまして”だな、比嘉聖悟。あんたは、宇宙でも確認された“魂特異点”だ。勝手に染まってもらっちゃ困るんだよ」

銀河狐が咆哮する。
天から降る星屑のような光が、洗脳された魂の印を一部焼き払う。

ナツル「彼を……助けに来たの?」

ダン「まぁな。宇宙図書館じゃ有名なんだ。『魂が世界を壊すか救うかを決める少年』って」



聖悟が呻き声を上げた。

「ぐ……ううっ……なにか……燃える……胸の奥が、熱い……!」

ナツル「その痛みを拒むな。魂が、本当のあなただと訴えている証よ」

聖悟の腕の刻印が一部砕けた。

ネク「まずいッス! 魂の支配が……崩れる!」

ゾヨ「こいつは聖悟を連れて逃げるしか……ないぞよ!!」

ダークは一歩も動かず、ただ一言。

「いいだろう。“第1段階”はここまでで十分だ」

空間に黒い裂け目が現れ、三人は撤退の構えを取る。

だが――

「逃がさないッ!」

聖悟が――意志の力で、足を前に踏み出した。

「……誰かが……オレを……呼んでいる」

ナツルと銀河狐、そしてリュウケンの瞳が、その瞬間ひとつに重なる。

ダン「比嘉聖悟。お前にまだ力があるなら――」

ナツル「ここで、抗ってみなさい。自分の魂のままに」

聖悟「うぉぉおおおおお!!」

全身を包む闇の刻印が破裂し、解放される。

聖悟はその場に崩れ落ちる。だが、意識は確かだった。
彼は再び「自分自身」として、目を覚ましたのだ。

ナツルがそっと近づく。

「教えて。……あんたの、こと」

聖悟「……リュウケンって名前の幻獣と出会って……アイツらと闘う内に気付いてたら……訳も分からず暴れてた」

ナツル「じゃあ、少し落ち着いたらもっと話してくれる? ここにいなさい。命令じゃない、提案よ」



──比嘉聖悟は、闇の支配から逃れた。

だが彼の中にまだ残る“特異点としての力”は、静かに眠っている。
それを狙う存在は、魔界にも、宇宙にも、まだまだ潜んでいるのだった──。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

【完結】スーパーの店長・結城偉介 〜異世界でスーパーの売れ残りを在庫処分〜

かの
ファンタジー
 世界一周旅行を夢見てコツコツ貯金してきたスーパーの店長、結城偉介32歳。  スーパーのバックヤードで、うたた寝をしていた偉介は、何故か異世界に転移してしまう。  偉介が転移したのは、スーパーでバイトするハル君こと、青柳ハル26歳が書いたファンタジー小説の世界の中。  スーパーの過剰商品(売れ残り)を捌きながら、微妙にズレた世界線で、偉介の異世界一周旅行が始まる!  冒険者じゃない! 勇者じゃない! 俺は商人だーーー! だからハル君、お願い! 俺を戦わせないでください!

【土壌改良】で死の荒野がSランク農園に!食べただけでレベルアップする野菜で、世界最強ギルド設立

黒崎隼人
ファンタジー
「え? これ、ただのトマトですよ?」 「いいえ、それは食べただけで魔力が全回復する『神の果実』です!」 ブラック企業で働き詰めだった青年は、異世界の名門貴族の三男・ノアとして転生する。 しかし、授かったスキルは【土壌改良】という地味なもの。 「攻撃魔法も使えない役立たず」と罵られ、魔物すら寄り付かない死の荒野へ追放されてしまう。 だが、彼らは知らなかった。 ノアのスキルは、現代の農業知識と合わせることで、荒れ果てた土地を「Sランク食材」が溢れる楽園に変えるチート能力だったことを! 伝説の魔獣(もふもふ)をキュウリ一本で手懐け、行き倒れた天才エルフを極上スープで救い出し、気づけば荒野には巨大な「農業ギルド」が誕生していた。 これは、本人がただ美味しい野菜を作ってのんびり暮らしたいだけなのに、周囲からは「世界を救う大賢者」と崇められてしまう、無自覚・最強の農業ファンタジー!

つまらなかった乙女ゲームに転生しちゃったので、サクッと終わらすことにしました

蒼羽咲
ファンタジー
つまらなかった乙女ゲームに転生⁈ 絵に惚れ込み、一目惚れキャラのためにハードまで買ったが内容が超つまらなかった残念な乙女ゲームに転生してしまった。 絵は超好みだ。内容はご都合主義の聖女なお花畑主人公。攻略イケメンも顔は良いがちょろい対象ばかり。てこたぁ逆にめちゃくちゃ住み心地のいい場所になるのでは⁈と気づき、テンションが一気に上がる!! 聖女など面倒な事はする気はない!サクッと攻略終わらせてぐーたら生活をGETするぞ! ご都合主義ならチョロい!と、野望を胸に動き出す!! +++++ ・重複投稿・土曜配信 (たま~に水曜…不定期更新)

男女比がおかしい世界の貴族に転生してしまった件

美鈴
ファンタジー
転生したのは男性が少ない世界!?貴族に生まれたのはいいけど、どういう風に生きていこう…? 最新章の第五章も夕方18時に更新予定です! ☆の話は苦手な人は飛ばしても問題無い様に物語を紡いでおります。 ※ホットランキング1位、ファンタジーランキング3位ありがとうございます! ※カクヨム様にも投稿しております。内容が大幅に異なり改稿しております。 ※各種ランキング1位を頂いた事がある作品です!

少し冷めた村人少年の冒険記

mizuno sei
ファンタジー
 辺境の村に生まれた少年トーマ。実は日本でシステムエンジニアとして働き、過労死した三十前の男の生まれ変わりだった。  トーマの家は貧しい農家で、神から授かった能力も、村の人たちからは「はずれギフト」とさげすまれるわけの分からないものだった。  優しい家族のために、自分の食い扶持を減らそうと家を出る決心をしたトーマは、唯一無二の相棒、「心の声」である〈ナビ〉とともに、未知の世界へと旅立つのであった。

完結 辺境伯様に嫁いで半年、完全に忘れられているようです   

ヴァンドール
恋愛
実家でも忘れられた存在で 嫁いだ辺境伯様にも離れに追いやられ、それすら 忘れ去られて早、半年が過ぎました。

主人公の恋敵として夫に処刑される王妃として転生した私は夫になる男との結婚を阻止します

白雪の雫
ファンタジー
突然ですが質問です。 あなたは【真実の愛】を信じますか? そう聞かれたら私は『いいえ!』『No!』と答える。 だって・・・そうでしょ? ジュリアーノ王太子の(名目上の)父親である若かりし頃の陛下曰く「私と彼女は真実の愛で結ばれている」という何が何だか訳の分からない理屈で、婚約者だった大臣の姫ではなく平民の女を妃にしたのよ!? それだけではない。 何と平民から王妃になった女は庭師と不倫して不義の子を儲け、その不義の子ことジュリアーノは陛下が側室にも成れない身分の低い女が産んだ息子のユーリアを後宮に入れて妃のように扱っているのよーーーっ!!! 私とジュリアーノの結婚は王太子の後見になって欲しいと陛下から土下座をされてまで請われたもの。 それなのに・・・ジュリアーノは私を後宮の片隅に追いやりユーリアと毎晩「アッー!」をしている。 しかも! ジュリアーノはユーリアと「アッー!」をするにしてもベルフィーネという存在が邪魔という理由だけで、正式な王太子妃である私を車裂きの刑にしやがるのよ!!! マジかーーーっ!!! 前世は腐女子であるが会社では働く女性向けの商品開発に携わっていた私は【夢色の恋人達】というBLゲームの、悪役と位置づけられている王太子妃のベルフィーネに転生していたのよーーーっ!!! 思い付きで書いたので、ガバガバ設定+矛盾がある+ご都合主義。 世界観、建築物や衣装等は古代ギリシャ・ローマ神話、古代バビロニアをベースにしたファンタジー、ベルフィーネの一人称は『私』と書いて『わたくし』です。

処理中です...