クラスメイトに王子がいるとわたしだけが気付いてしまいました…

こうせ

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ヒナタくんが王子様でした

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 古い、色褪せたほんの数秒の動画が見えた程度でした。でも、王宮で生まれた時のこと、赤ちゃんを抱えた女の人が王宮から出ていくところ。今映像から考えるに…おそらく、ヒナタくんがこの国の王子様ということでしょう。しかし、こんな小さい時のことをヒナタくんが覚えているかは謎です。ヒナタくんとぶつかったわたしは尻もちをついたまま、考え込んでいました。ヒナタくんが慌てたように、
 「ごめんね!大丈夫!?」
 と声をかけて来ましたが、なにやら慌てている様子です。
「立てるか。」
 ミカゲくんがわたしの返事を聞く前に腕を引っ張り、立ち上がらせました。そしてわたしの腕を取ったまま走り出します。
「えっ?!」
 わたしは驚きましたが、どうやら2人には追っ手がいたようです。王国の騎士たちが2人の後ろから迫っていました。王子であるヒナタくんを見つけて、捕まえようとしているのだと思われます。
「マコトちゃんごめんね!ついて来て!」
 ヒナタくんも走りながら、わたしに声を掛けてきました。
「分かりました!」
 でもだんだんと距離が縮んできます。わたしは身体を動かすことは好きですが、男性より早く走れるわけではありません。明らかに足手まといです。
「置いていってください。」
 わたしは2人に声を掛けました。わたしが狙いなわけではないので、大丈夫だろうと思ったのですが…
「人質にでもされたら厄介だ。」
 とミカゲくんに却下されてしまいました。
「気にしなくていいですから。」
 父から教わった防御魔法もあるのである程度は無効化できると思っての言葉でしたが、ヒナタくんは血相を変えて、
「ダメだ!!」
 と反対しました。そうこうしているうちに追っ手との距離が縮まっています。チラリと後ろを見やると、追っ手の騎士の1人がこちらに腕を伸ばして魔法を唱えています。嫌な予感がします。その手から魔法が飛び出しました。
 これは、上級の拘束魔法です…!捉えたものを無力化し、絶対に逃しません。
 ヒナタくんとミカゲくんも気付き、慌てたようにわたしを後ろに追いやりました。
「走れ!」
 ミカゲくんがわたしに向かって指示を出します。2人がわたしのことを巻き込まないようにしてくれているのは分かりますが…無理やり2人を捕らえようとしている人たちに負けたくありません!わたしは魔法を唱えました。
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